Danchoのお気楽Diary

高校3年間応援団だった「応援団バカ」の日記。スポーツ観戦や将棋等の趣味の他、日常感じる事を、「ゆるゆる」綴ります。

将棋がもたらす威力

2007-04-26 21:32:54 | 将棋
よくよく振り返ってみると…小生が将棋に興味を持っていなければ、恐らくこのブログも存在していなかったと思います。

そもそも、

何故将棋にハマったのか…
何故ブログを始めようと思ったのか…

ということを、今日は綴ってみようと思います


小生が将棋と出会ったのは、小学3年生頃ではなかったかなと思います。

既に他界した父方の祖父は、遠洋漁業の船員でした。
一度海に出てしまうと、「仕事」以外にすることといったら、どうも「将棋」だけだったようです。

将棋と出会ったその年の夏、父の実家へ家族で帰省したのですが、そのときに祖父と父が、対局をしていました。
その光景…鮮明に覚えています。
祖父は、相当将棋が強かったと聞いています。

ところが父は、家庭を犠牲にしてまで「仕事」に勤しんだ、根っからの「会社人間」でしたので、小生とキャッチボールをしたり、将棋を指したりなどして遊んでくれた記憶は殆どありません。
なので、将棋の駒の動かし方は知っているけど、父と指したことは殆どなく、指したとしても「相掛かり」の戦形で、負けっぱなしでした。
勝負が見えすぎていたので、小生も父も「つまらなく」なったのでしょう。

そんな小生が、再び将棋と出会う転機が訪れました。
3年前の7月に、前職に配属されたときです。

今は所属長に就任なさった方も含めた諸先輩方が、昼食休憩中に将棋を指して、毎日のように遊んでいました。
それでもそのときは、まだ興味が湧きませんでした。

その1年半後、業務上で精神的にかなり追い込まれたときです。
所属長に就任された将棋好きの先輩から、田坂 広志 氏の『仕事の思想』と『意志決定12の心得』の文庫版の著書2冊を、手渡されました。

一番苦しかったときでしたので、縋るような思いで読んだことを覚えています。

どちらも名著ですが、『意志決定の12の心得』の中で、大山 康晴 十五世名人の「大局観」について触れられていました。
また、話が前後して恐縮ですが、nanaponさん『ボナンザの大局観』の記事で紹介された羽生三冠の「魔境の入り口」に関することも、同じ著書の中で触れられていました。

この2冊を読んだ直後からです。

「将棋、面白そう」

…って、思うようになりました。
祖父と父が対局している姿も、鮮明に蘇ってきました。

そして、業務に対しても、ほんの少しずつではあるけれど、前向きに考えられるようになりました。
隠れてこそこそじゃないけれど、「NHK将棋講座」と「NHK将棋トーナメント」も毎週視聴するようになりました。

「将棋って、対話なんだ

…と気付いたのも、そのときです。

そして、渡辺 明 竜王のブログと出会います。ちょうど「名人戦問題」で大騒動になっていたときです。

ご自身の対局を、懇切丁寧に、しかも冷静に解説してくださり、ブログを閲覧・記事を拝読するたびに、益々将棋が面白くなっていきました。
将棋に留まらず、ご子息のこと、趣味の競馬のこと…ご自身の言葉で語るところに、どんどん引き込まれていきました。

ブログのコメント欄にコメントを寄せる「先輩方」にも共感を覚え、たくさんの方のファンになりました。
敢えてお名前を挙げるとすれば、振られ飛車さんssayさん…といった方々でしょうか。
小生にとって、この出会いは本当に貴重でした。
そのコメント一つ一つが、小生の「感性」に響きました。

こうしたことが重なって、「将棋の魅力」に魅せられて、現在に至っています。


しかし、小生の身勝手が余り、「将棋の魅力」をご教示頂いた渡辺竜王に、多大なご迷惑をお掛けする失態を犯してしまいます…。
今でも、そのことは反省しています。

こんなことがあっても、ファンを第一に考えてくださり、コメント欄が酷く荒らされても、開示し続ける渡辺竜王のお気持ち…これを少しでも理解するには、小生自ら渡辺竜王のお立場に立ってみることだとの結論に至り、こうしてブログを立ち上げたのです。


始めたブログの効果は絶大で、立ち上げて間もなく、先にご紹介したnanaponさんと出会います。

nanaponさんも、田坂 広志 氏の著書をよく読まれるので、その共通点から「意気投合」し、現在も積極的に情報交換させていただくに至っています。
「感性」みたいなもので、nanaponさんに共感できるから、「意気投合」できるのだと思います。

そして、nanaponさんの築かれたチャンネルを活用して、片上 大輔 五段や、遠山 雄亮 四段をはじめ、その他大勢のプロ棋士のブログを閲覧・拝読させていただいています。

片上五段や遠山四段も、渡辺竜王同様に、独自の切り口、自らの言葉で…上手に表現できませんが、それぞれの「大局観」とでも表現しましょうか…将棋界に留まらず、日々感じていることなどを赤裸々に綴っています。

そのメッセージから、共通して「力」みたいなものが伝わるし、プロ棋士として将棋ファンに何を伝えるべきか、対峙する問題にどう感じてどう行動すべきか…という「プロフェッショナル」なお姿が、よく見えるのです。

先日紹介した片上五段の「絶対に嘘は書きません」の言葉と同様、遠山四段は「一棋士として、将棋について書かれているブログを読むのは楽しいもの。勉強になる事も多く、これからも『趣味と実益を兼ねて』楽し読んでいきます」と語っています。

将棋ファンのブログのエントリー記事を「実益」と自然と語れるところが、「プロフェッショナル」ですよね。

こうしたプロ棋士の皆さんがエントリーする記事…やっぱり「感性」に訴えるところがあるのです。

普通なら、「名人戦問題」のような将棋界を揺るがす問題が勃発している最中にファンになりたてであれば、嫌気がさしても無理ないですよね。
でも、現実として、小生は、今でも「将棋ファン」です。

将棋界に様々な問題が起こるたびに、米長 邦雄 日本将棋連盟会長の発言が物議を醸そうが、それに余りあるだけの「力」…そうです、ファンの心をがっちり掴んで離さない、凄く大きな「力」が、そこにはあるのです。

そんな、「感性」に響く「力」のあるメッセージを発することができる「プロフェッショナル」な棋士が一人でもいる限り、アッと言わせるような大革命が起こるのではないかと小生は信じていますし、期待もしています

束になってかかれば、きっと大きな岩をも動かせる…そんな気がします。

「それでもやっぱり我々だけでは、岩が大きすぎて動かないですよ」…という話ならば、微力ではあるけれど、力を貸します
束がさらに太くなれば、千人力万人力ですよ。きっと

そう考えると、将棋界は悲しいことばかりじゃなくて、ワクワクすることもたくさんあると、小生は思います。

そんな小生の「感性」を、『将棋』を通じて磨いてくださった渡辺竜王、片上五段、遠山四段をはじめとする、ブログを立ち上げているプロ棋士の皆さんの『威力』…改めて凄いと感じています。

そして、忘れてはならないnanaponさんはじめとして、振られ飛車さんや、ssayさん…といった方々も、小生の「感性」を今以上に磨き続けて下さっています。
これまでの小生の「マイナス」思考を「プラス」に変える「コツ」みたいなものを授けてくださったのですから、小生にとっては、とても偉大な方々です。


『将棋』がもたらした「感性」の威力…改めて感じる今日この頃です。

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7 Comments

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ビバ!将棋! (ssay)
2007-04-27 20:48:30
あきら竜王のブログについては、皆さんが思っておられる通りです。竜王という第一人者でありながら、ファンの声に謙虚に耳を傾けようというその姿勢。それでいて、変に肩肘張らず、ごく自然な若者らしさも覗かせてくれる。コメント欄にご登場される方々にも、舌を巻きました。ぼくなんか、足元にも及びません。また、こういった方々がコメントされるというのも、あきら竜王のお人柄なんだなあと思いました。
ぼくを、この10年、将棋ファンとして引っ張って来たのは、藤井システムの存在です。藤井さん一人だけでシステムを開発したとは思いません。、鈴木八段、久保八段、杉本七段なども、少なからず、システムに影響を与えていますが、振り飛車、いや、将棋というのはもっと自由な発想でいいんだよという思想を将棋界に根付かせたのは、藤井さんの功績だと思うのです。8五飛とか、一手損角換わりなど、居飛車系の将棋も、そういった自由な発想の元で生まれた気がするのです。
Danchoさんはご存知ないと思いますが、それ以前、55年組と呼ばれる人達、高橋九段とか南九段が強かった頃、振り飛車がなかなか勝てず、振り飛車党は激減し、将棋の内容も少しつまらないような時代もありました。中原さんや米長さんは、比較的自由な発想で指されていましたが。あのお二人は、やはり別格でしょう。
さて、では、これから10年、ぼくを将棋ファンとして引っ張ってくれるであろう存在は何かと言えば、あきら竜王ではないでしょうか。何の理由もなく、ファンを続けれられません。絶えず魅力を与え続ける存在がないと。今の若手達にも、先輩達の偉大な遺産を受け継ぎつつ、新たなる境地を開拓してくれるよう、期待しています。
(しかし、ぼくも短くしたつもりでこれだけの量になってしまいますので、しかも、まだ言いたい事が沢山あったりして(笑)。Danchoさんのお気持ち、わかりますから、マイペースで続けていって下さい。)
返信する
Unknown (振られ飛車)
2007-04-27 21:25:02
同歩
返信する
コメント、ありがとうございます。 (Dancho)
2007-04-27 23:29:14
●ssayさんへ。

『今の若手達にも、先輩達の偉大な遺産を受け継ぎつつ、新たなる境地を開拓してくれるよう、期待しています。』

これ、全く同感ですね。
期待しているからこそ、この記事…エントリーしました。

棋力だけでない「力」が、若手プロ棋士の皆さんにはあるように思うのです。
この力…将来凄い威力を発揮するんじゃないかと思うと、ワクワクしてきます。

ブログ…あきら竜王ではないけれど、肩肘張らずに気楽にやります。
タイトルも『お気楽Diary』ですから(笑)。
(冷静に振り返ってみて、気付いちゃいました…前は、「全然気楽じゃないじゃん!」って。)


●振られ飛車さんへ。

たった2文字ですが、含蓄があるコメントと拝察します。

振られ飛車さんからは、得るものが本当に多いです。
嬉しいですよ。
どんなコメントであれ(共感だけでなく、もちろん、お叱り、異論、反論も含めてです)、あきら竜王のブログコメント欄で、小生の感性に最初に響いたのが、振られ飛車さんのコメントでしたからね~。
大ファンです。これ、変わらないと思います。

まだまだ未熟者で世間知らずですが、これからも、宜しくご指導の程、お願い申し上げます!。

コメントを頂戴したお二方に、先ずは、お礼まで。
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素敵なエントリーです。 (nanapon)
2007-04-28 01:09:42
Danchoさんの書かれたこと、よくわかります。
そして、本当に真摯で、温かくて、正義感に溢れていて、泣けてくるくらいDanchoさんの人柄が表れている文章です。
それと、そんなに持ち上げていただいて、照れくさいです。ポリポリ・・・。
それほどのnanaponではないですよ。(笑)
皆お互い影響を与え合って、この世は成り立っているので、ほんと、お互い様です。
本当に、いつもありがとうございます。
そう言っていただくと、また、がんばらないと、と励みになります。

どちらにしても、上のお二人のお言葉の通り、渡辺竜王の存在は、僕にとってもすごく大きいです。
僕らブロガーにとっては、羽生三冠と並ぶだけのポジションを作っている渡辺竜王は、棋界の将来にとって、本当に大きな存在です。
棋聖位を奪取して、とか、もちろんそういう意味の活躍もしてほしいですが、ブログを通してのコミュニケーション活動を、ご自分も楽しみながら、末長く続けていって欲しいです。
返信する
過分なるお褒めのお言葉…勿体ないほどで、嬉しいです。 (Dancho)
2007-04-28 10:13:21
nanaponさん、こんにちは。

過分なるお褒めのお言葉、恐悦至極に存じます。
勿体ないほどのお言葉で、光栄です。
嬉しいです。

でも、そんな記事をエントリーできるようになったのは、やっぱりnanaponさんのお力あってのものです。
本当に深謝です。

今度こそ、田坂さんの講演会の後で、つぶれちゃうほど飲んで、語り合いましょうね!

『羽生三冠と並ぶだけのポジションを作っている渡辺竜王は、棋界の将来にとって、本当に大きな存在です。
棋聖位を奪取して、とか、もちろんそういう意味の活躍もしてほしいですが、ブログを通してのコミュニケーション活動を、ご自分も楽しみながら、末長く続けていって欲しいです。』

これ、全く同感ですね。
本当に人としての大きさみたいなものが、溢れてますよね。
だから、将棋ファンは止められない…。
小生も、渡辺竜王のそんな思いに報いるべく、棋力向上目指して、頑張りたいです。

本当に、ありがとうございました。

大袈裟ですが、朝っぱらから飲んじゃいたい気分です(笑)。

これから、大阪に出かけます。一番好きな天皇賞(春)を観戦に行く予定です。

ネットカフェから記事をアップできれば…と思う次第です。
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朝日オープン (Logical Space)
2007-04-29 18:37:11
朝日オープンの第3局の解説をします。
良かったら、寄ってみてください。
返信する
コメント、ありがとうございます。 (Dancho)
2007-04-30 01:36:06
Logical Spaceさん、こんばんは。

出先ですが、ブログ閲覧は可能です。
今日は、叔父宅へ寄りますので、パソコンを借りることも可能でしょう、きっと。

5月1日は、空き時間で、またこうしてネットカフェから記事をエントリーするついでに、閲覧もしようかと考えています。

急遽外出を決定し、本局をリアルタイムで…が叶わなくなったことは、小生が言いだしっぺながらの失態で申し訳なく思っています。

解説は読みますし、叔父宅に将棋板&駒があれば、並べてみます。

わからないことなどは、質問させていただきますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

先ずは、お詫びとコメント寄稿のお礼まで。
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