ジョン・マクダモット対タイソン・フューリー(2009/09/11)

英国ヘビー級タイトルマッチ

話題のヘビー級新鋭、タイソン・フューリー選手(Tyson Fury)が英国王者ジョン・マクダモット選手(John McDermott)に挑む注目のタイトルマッチは英国で行われ、論議を呼ぶ10回判定でフューリー選手が勝利して新王者の座に就いています。(体格比較)

2メートルを超えるサイズ(この日のデータでは203.8cm)と21歳の若さで注目の新鋭フューリー選手が、ダニー・ウィリアムス選手との連戦でしぶとさ強さを見せ付けていたベテラン強豪マクダモット選手に挑むということで注目の集まった一戦でしたが、レフェリー1人の採点によって決した試合結果は疑問の残るものでした。

試合の立ち上がりはフューリー選手の体格を生かした長く正確なジャブが主導権を握ります。マクダモット選手もフューリー選手のジャブに合わせる右や接近戦で腕をコンパクトに畳んで叩きつける左フックで応戦しますが、フューリー選手のジャブの正確性とヒット数の多さがリードしていたように見えた試合序盤戦でした。
しかしフューリー選手の強いパンチを受けても全然怯まずにグイグイ出てパンチを合わせてくるマクダモット選手に対し、徐々にフューリー選手が距離をキープできなくなっていきます。
4回あたりから中に入られる時間が増し始めフューリー選手のジャブが出なくなります。密着戦から揉み合うように押し込まれる場面が増えていくうちに徐々にスタミナも失っていった21才の新鋭。
中に入られた接近戦でも果敢に左右フックのボディブローや、顔面へ突き上げるアッパーで強気に対抗するフューリー選手でしたが、マクダモット選手がタイミングよく合わせる右のクロスパンチ、左フックなどを度々強く当てながら、終始押し込み続けて中盤以降のペースを支配していたように見えたマクダモット選手が熱戦を制したように見えた内容だったのですが、レフェリーのテリー・オコーネル氏のスコアは98-92の大差でフューリー選手の勝利を支持という意外なものでした。
ちなみにシロート採点は96-94マクダモット。試合の解説を務めていたジム・ワット氏のスコアも96-94マクダモット。



互いの意気込みが見える熱戦で、試合内容もクロスした好ファイトだったのですが紛糾しそうな試合結果がちと残念に感じてしまいました。
試合内容自体では圧され気味だったフューリー選手ですが、かなりタフなところを証明しましたし評価の上がる試合内容だったようにも感じます。(今回が5ラウンド以上戦ったのが初めてということもあってスタミナ不足は明らかでしたが)

フューリー選手は8勝(7KO)。マクダモット選手は25勝(16KO)6敗。

動画ダウンロード(megaupload)

Tyson Fury Wins Controversial Decision Over McDermott(Mark Vester/BoxingScene)
Fury edges McDermott(Alexey Sukachev/fightnews)
Tyson Fury Gets Highly Controversial Points Win Over John McDermott(James Slater/EastsideBoxing)
Furious reaction to Tyson victory(Nigel Brown/Sport.co.uk)
FURY CLAIMS ENGLISH HEAVYWEIGHT TITLE(Sportinglife)
Fury Edges McDermott, O’Connor's Score Way Off(Oli Smith/Boxing Scene)
Fury defeats McDermott: The day British Boxing died…(Gavin Bridges/BoxingNews24)

試合後のインタビュー動画(SkySports)
Fury over Tyson verdict

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