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WBOスーパーウェルター級王座決定戦
元4階級制覇王者のプエルトリカン、ミゲル・コット選手(Miguel Cotto)が日本の亀海善寛(Yoshihiro Kamegai)と空位のWBO王座を争った一戦は米国カリフォルニア州で行われ、コット選手が12回大差の3-0判定を制して王座に就いています。
スタート、勢いよく飛び出して力強い左右フックのボディブロー、右クロスなどでコット選手に迫っていった亀海選手。パワーとフィジカルの差を感じさせる亀海選手のアタックで番狂わせの予感も感じさせた好スタートでした。
しかしそこは百戦錬磨の実力者コット選手。巧みなフットワーク、ボディワークで亀海選手のパンチを空転させながらスピードに勝るシャープなパンチを的確に決めて2回以降のペースを掌握。亀海選手のボディブローなどが強くコット選手をとらえる場面も続いていたものの、上手くサイドに動きながら正確な右ストレートや上下へ打ち分ける左フックを鋭く綺麗に決めて亀海選手の出てくる勢いを遮断。ブロッキングの間を打ち抜くアッパーも非常に効果的でした。
亀海選手は前には出るものの、いざ打とうとするその一瞬前にコット選手にコンビネーションを集められ、そして離れたりサイドへ出られて反撃しようとするときに相手はそこにはいない、といういったん出来上がってしまったペースを最後までひっくり返すことができず、終わってみれば1人がフルマークをスコアした大差の判定を失う完敗でした。
公式のスコアは120-108、119-109、118-110の3-0コット。シロート採点119-109コット。初回、2回のきつい場面でかなり体力を使った戦いでペースを一気に引き寄せたコット。このあたりに長年トップで戦い続けてきたキャリアを見せつけられた思いでした。またそのスピードとスキル、さらに戦い方の上手さは流石というしかありませんでした。
今年12月にあと1戦戦って引退、という話も聞こえてきているコット。どうなるかはわかりませんが、その偉大なるキャリアの最後の時がもう目前だというのは間違いないでしょう。
コット選手は41勝(33KO)5敗。亀海選手は27勝(24KO)4敗2分。
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コット選手の最後の相手も気になりますが、今年は名ボクサー達が次々と引退する寂しい年になりましたね。
亀海選手は海外で頑張ってきてコットを相手にタイトルマッチするという日本人からしたら夢のようなことをやってのけただけでもすごいと思います。強靭なハートとタフネスで今後も良い試合を見せてほしいですね。
無駄と評価されても、あの前に行くスタイルを貫いてくれて、本当によかった。
ボクシング観戦者としては失格なんだろうけど、よい試合だった。