ウラジミール・クリチコ対ルスラン・チャガエフ(2009/06/20)

IBF・WBOヘビー級タイトルマッチ

IBF・WBO統一ヘビー級王者のウラジミール・クリチコ選手(Wladimir Klitschko)とWBA休養王者のルスラン・チャガエフ選手(Ruslan Chagaev)が激突した注目の一戦はドイツで行われ、クリチコ選手の長いジャブがWBA王者を封じ込める9回終了TKOで王者同士の一戦に完勝しています。

6万人以上の観衆の前でその強さを改めて見せ付けるウラジ選手の見事な勝利でした。
身長・リーチで大きく劣るチャガエフ選手が高くガードを掲げ、頭をよく振りながら左ストレートを狙う戦いに可能性を感じさせた試合立ち上がりだったのですが、ウラジ選手の鋭く強いジャブがチャガエフ選手の顔面を正確に弾き続けます。
2回にはジャブから繋いだ右ストレートでチャガエフ選手のガードの間を破ってノックダウンを奪い、以降徐々に手数の減っていったチャガエフ選手をほぼ左一本でコントロール。古傷の左瞼からの出血にも悩まされ徐々に追い詰められていったチャガエフ選手は、9回には右の攻撃を増やしたウラジ選手の攻めにロープ・コーナーに釘付けにされ、この一方的なラウンド終了後にギブアップして試合は終了しています。

うーん、強いです。前捌きに上手さを発揮するサウスポーのチャガエフ選手がこんなにもウラジ選手のジャブを防ぎきれないとは思いませんでした。
チャガエフ選手は対ワルーエフ戦の時のように、右ジャブよりも左ストレートをリードブローに使った攻め、右ではなく左を当てるためのポジショニングを意識した戦いの方が良かったのでは？
6ラウンド目などは左ストレートをウラジ選手のボディ中心に当てながらウラジ選手の攻撃を上体の振りで外していて、なかなか良いリズムだったのですが・・・でもこれを実践し続けていても結局展開は同じだったかも。
ウラジ選手が軽く伸ばす左ジャブの威力、正確性はいま究極の域に達しているかもしれません。

ウラジ選手は53勝(47KO)3敗。チャガエフ選手は25勝(17KO)1敗1分。

試合動画(megavideo)

ニュース動画
Dominant Klitschko Stops Chagaev(ESPN)

Klitschko TKOs Chagaev!(Karl Freitag, Alexey Sukachev, Alexey Potapov/fightnews)
Klitschko Dominates, Batters Chagaev For The Stoppage(Mark Vester/BoxingScene)
KLITSCHKO STOPS CHAGAEV IN NINE(Ben Thompson/FIGHTHYPE)
Klitschko renders Chagaev helpless in masterpiece(Michael Rosenthal/The Ring)
ボクシング＝クリチコが防衛、無敗のチャガエフが初黒星(ロイター)
クリチコが旧ソ連対決制す／ボクシング(日刊スポーツ)
写真
Photos: Wladimir Klitschko-Ruslan Chagaev Mega Gallery(boxingscene)
クリチコ チャガエフにTKO勝ち(AFP)

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