
IBFスーパーライト級王座決定戦
元SL、W級王者で33歳のベテラン、ザブ・ジュダー選手(Zab Judah)が南アフリカのカイザー・マブサ選手(Kaizer Mabuza)と争った空位の王座決定戦は米国ニュージャージー州で行われ、ジュダー選手が逆転の7回TKOで勝利して劇的な王座返り咲きを果たした一戦でした。(体格比較)
よく出る右のジャブとスムーズに運ぶステップワークとでスタートのペースをキープしたのはジュダー選手でしたが、どんどん前進してくるマブサ選手の左ジャブ、右ストレートやジュダー選手が相手の右に出ようとするところに当てる左フックなどでのプレスが徐々にその有効さを増していったように見えた流れ。
3回終盤にジュダー選手の左ストレートを食ってマブサ選手の動きが止まった場面や、5回に見せたカウンターの左アッパーボディ→右フックといったジュダー選手の素晴らしい攻撃も随所で光っていたのですが、ペースとしてはマブサ選手のプレッシャーに晒されてジュダー選手がじわじわと追い詰められていったようにも感じられた展開。
4回にはスリップ気味ながらもノックダウンを奪われ、6回にはロープ際を回りこもうとしたところでマブサ選手の右ストレートを食って顔面を大きく跳ね上げられる場面もあったジュダー選手。ロープ、コーナーを背にする局面が徐々に増え、ホールディングに逃れるシーンも度々見せていたジュダー選手にとっては苦しい状況でした。
しかし7回にカウンターの左ストレート一発で形勢を逆転させてみせたジュダー選手。
右ストレートでジュダー選手をコーナーに追い詰めていこうとしたところで、その右をギリギリで殺され、そしてその打ち終わりに打ち抜かれたジュダー選手の左ストレートカウンターで立ったまま半失神状態に陥ったマブサ選手。
ロープの間に上半身を突っ込んで動きを止めた場面でレフェリーのカウントが入り、試合再開後のジュダー選手の怒涛の攻撃で完全にグロッキーに陥った場面でのストップでした。
劇的な逆転KOで約7年ぶりのスーパーライト級王座を掴んだジュダー選手。まだ33歳ですし、強豪ひしめくこのクラスでベテランの存在感を発揮していってもらいたいです。
ジュダー選手は41勝(28KO)6敗。マブサ選手は23勝(14KO)7敗3分。
Judah wins IBF jr welter belt(Kurt Wolfheimer at ringside Photos by Marty Rosengarten/www.RingsidePhotos.com)
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そんなに強く振ったパンチに見えないのですが、ピンポイントで的中したのでしょう。
その後の凄まじい連打も圧巻でした。
勝負が決まった直後のジュダーの涙に、久々に戴冠した喜びが表れているようで、非常に印象的でした。
最初にスーパーライトを獲った時のジュダーの動きとは、明らかに落ちていたので…。
ですがスゴく嬉しい勝利であることに変わりはありません!
防衛は難しいと思いますが、これからも応援していきたい選手の1人です!
バルドミールに敗れたのが2006年1月ですからねぇ。その間長期のサスペンドもありましたし、コット、クロッティ相手の敗北など、平坦ではない長い道のりでしたし、加えてこの日の試合内容も苦しいものでしたから感慨もひとしおでしょう。
見ているこっちまでじーんとしてしまうジュダーさんの喜び様でした。
>ジュダー大好きさん
スーパーライト級こそジュダーさんの本領を発揮できるクラスだ、とずっと思ってましたがマティセー戦も苦しかったですしなかなか簡単にはいかないもんですね。