ミドル級12回戦
ポール・ウィリアムス選手(Paul Williams)とアルゼンチンのセルヒオ・マルチネス選手(Sergio Gabriel Martinez)。スーパーウェルター級最強を争う両者がミドル級リミットで激突する注目の一戦は米国NJ州アトランティックシティで行われ、熱戦の末にウィリアムス選手が2-0判定で勝利しています。(体格比較)
両者が持てるものをぶつけ合う素晴らしい戦いでしたが、判定結果は非常に意外なものに映りました。
注目の一戦は初回からヒートアップします。試合開始のゴングと共に積極的に出たのはウィリアムス選手。長い右のジャブ、左ストレートでマルチネス選手に襲い掛かる予想外のスタートアタックでした。しかしマルチネス選手もフットワークを駆使してウィリアムス選手の攻撃をかわし、鋭い右フック右ジャブ、左ストレートで対抗。
初回からマルチネス選手がノックダウンを喫したシーンがあったものの、その直後に強烈な左ストレートを見舞ったようにダメージは皆無に見えたダウンの場面でした。そしてこのラウンド終了間際に右フックの相打ちで今度はウィリアムス選手がカウントを聞くというダウン応酬となった初回の両者の攻防は非常にエキサイティングなものでした。
2回以降は初回終了間際のダウン同様のマルチネス選手のカウンターがとにかく冴え渡ります。マルチネス選手の強い攻撃を浴びると必ず反撃を返すウィリアムス選手なのですが、スピードとテクニック、そしてパワーでも上回られているように見えた前半戦。
しかしウィリアムス選手のタフさとスタミナはやはり凄いものがありました。インサイドから強烈なパンチを浴びせられながらもラフに攻勢を強めてマルチネス選手のスタミナを徐々に奪っていきます。マルチネス選手の強烈な右フックや左ストレートを浴びて動きが止まる場面も何度かあったのですが、少し休むとすぐに回復して再び攻勢を掛けていくタフさしつこさをマルチネス選手が次第に持て余し気味にもなっていた試合。初回からハイペースで飛ばしまくったのも中盤以降マルチネス選手の動きにスタミナロスの影響がはっきりと出てしまった理由の1つでしょう。
11回にクリンチ際で膝をついてスリップした場面などを見るにマルチネス選手のスタミナはほとんど限界近くまで消費されてしまっていたように見えました。
しかしそれでも試合自体のペースはマルチネス選手の強く正確なクリーンショットに分のあったように私には見えた試合で、公式の採点結果は非常に意外なものでした。
公式のスコアは1人が114-114ドロー、残る2人が119-110、115-113のマジョリティディシジョンでウィリアムス選手勝利と言うものでした。シロート採点は118-110マルチネス。
うーん、どうなんでしょう。海外記事やまだ見ていないHBOの実況・解説を見てみたいです。
CompuBox Punch Stats: Williams-Martinez(BoxingScene)
ウィリアムス選手は38勝(27KO)1敗。9年半ぶりの黒星となったマルチネス選手は44勝(24KO)2敗2分。
動画ダウンロード(megaupload)~avi/xvid/998mb
試合動画(dailymotion)
Williams gets by Martinez(Rick Scharmberg & Kurt Wolfheimer/Fightnews)
Paul Williams Decisions Sergio Martinez in a Classic(Mark Vester/BoxingScene)
Martinez proves worth against Williams(Dan Rafael/ESPN.com)
Paul Williams Gets A Majority Win In Fierce Battle With Sergio Martinez(Michael Woods/The Sweet Science)
Williams Tops Martinez In Latest Fight Of The Year Entry(Jake Donovan/BoxingScene)
写真
Photos: Paul Williams-Sergio Martinez. Arreola-Minto(Boxingscene)
WILLIAMS WINS HARD-FOUGHT MAJORITY DECISION AGAINST MARTINEZ(Chuck Johnson | Photos by Will Hart/HBO)
Paul Williams vs. Sergio Martinez: Live Round-by-Round Updates(Lem Satterfield/FanHouse)~116-112ウィリアムス
WILLIAMS GRINDS OUT TOUGH MAJORITY DECISION WIN AGAINST MARTINEZ(Ben Thompson/FightHype)~115-113ウィリアムス
HBOのハロルド・リーダマン~115-113ウィリアムス
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個人的にはこちらの試合をタイムリーオンエアして欲しかったです
4回にウィリアムスが捨て身で出た場面からペースが変わったのは確かですが、私としては記事に書いたとおりマルチネスのクリーンショットにポイントを振るラウンドが続いて、結果としてマルチネスの大差勝利とのスコアでした。
クロスファイトだったのは確かでしょう。
海外記事を見回してみても119-110のジャッジはおかしいけれど、判定結果は妥当との見方が多いです。
後半のマルチネスのバテバテっぷりはかなり酷かったので、この判定結果もしょうがないのかもしれません。
早く見てみたいです。
ウィリアムスは打たれ強さに自信を持っているので、ディフェンスは結構ルーズですが、アホみたいに手数が出るので、それが一種の防御になってて、ポイントを失いにくい選手だと思ってました。
クリーンヒットはマルチネス選手が上だったけど、ウィリアムスの当たらなくてもボリュームのある攻撃が評価されたのでしょうか?
序盤3ラウンズはいつマルチネスが倒しきるか、というほどマルチネスの攻撃は見事でした。
ウィリアムスが相打ち上等で捨て身の攻撃に出て以降はウィリアムスの良い攻撃も結構ヒットしていて、年間最高試合の声も上がる熱戦でした。
スタッツはウィリアムスが979発中300ヒット(31%)、マルチネスが638発中254ヒット(40%)でした。
http://www.eastsideboxing.com/forum/poll.php?do=showresults&pollid=13807
とにかく試合自体が素晴らしかったという声も多いようですね。
はやく鮮明な画像でみたいです。
現在のところ185対84で優勢ですか。
少しホッとしましたw
試合終了時は自分のスコアが思ってもみなかった大差が付いていて、
マルチネスに振りすぎたかなぁ、接戦と見てるジャッジも当然いるだろう、もしかすると割れているかも
と感じましたが、マルチネスの勝利で間違いないだろうと思っていたので驚きました。
動画はmegauploadへのリンクを貼っておきました。デカイすけど
管理人さま、有り難うございます!
試合は荒い画像では見たのですが、いまいちパンチのヒット具合が判別しづらくて‥。
East Side Boxingのフォーラムではマルチネスの的確でキレのあるパンチを支持するファンと、ウィリアムスの手数、運動量を支持する声に分かれている様です。
この階級にはセルゲイ・ジンジンルクもいますし、面白い事になってきそうですね!
ちゃんとポイント計算してなかったのではっきり何対何かはわからないのですが
俺もマルチネスの勝ちだと思いました。
まあ自分の見たライブ動画カクり気味だったんで絶対とは言い切れませんが。
しかしマルチネス上手かった、正直戦前はウィリアムスが普通に勝つと思ってたんですが
あそこまでマルチネスが上手いとは。
同時に、パンチがんがん合わされながらも
グイグイ押し込み続けたウィリアムスのタフさスタミナ根性も凄かった。
底力もありますねこの選手は。
周辺階級の今後が凄い楽しみです
動画は見つかればなるべく貼るようにはしてます。
ただ記事に貼る動画のほとんど全て、中身は確認してませんので、その旨宜しくであります。
>さん
マルチネスの上手さというのは理解していたつもりだったのでその点での驚きは無かったのですが、この日のパワフルな攻撃が驚きでした。
結果的に敗れたマルチネスですが、試合前から分かっていた素晴らしいスピードとテクニックに加え、一流のパワーをも兼ね備えている事を発見できたこの試合は私的には評価を上げた内容でした。
1ラウンドの好感触に自信をもったから?
理由はともあれ
マルチネスは序盤3ラウンドで倒せる、倒したいとの判断から
あれだけ飛ばしたんでしょうねぇ・・
結果的にはそれは勝負どころを見誤っていた
というかウィリアムスのタフネスのが上だったという印象です
あそこでKOまでいかなくとももう一つダウンとれてれば・・という惜しい試合でした