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セルヒオ・マルチネス対カーミット・シントロン(2009/02/14)

2009-02-16 01:41:23 | ボクシング
WBOWBC暫定スーパーウェルター級タイトルマッチ

アルゼンチンのセルヒオ・マルチネス選手(Sergio Gabriel Martinez)に強打の元ウェルター級王者カーミット・シントロン選手(Kermit Cintron)が挑む注目のタイトルマッチは、論議を呼ぶ12回マジョリティドローとなっています。(体格比較)

マルチネス選手にとっては非常に不運なドローでした。
試合はスピードに優るマルチネス選手がシントロン選手の周りを動きながら、ストレートパンチでの攻撃を仕掛けていき、それをシントロン選手が迎え撃つ展開。
サウスポーのマルチネス選手が左に動きながら先に先に攻めるのですが、攻撃の的中率が悪くなかなかリズムに乗れない立ち上がりの王者。さらにカウンターで迎え撃つシントロン選手の攻撃が結構ヒットしていて非常にクロスした内容の試合前半戦でした。
お互いの攻撃が噛み合わずなかなかリズムに乗り切れない両者でしたが、中盤戦からは右回りの動きも交えだしたマルチネス選手が単発ながらも強い左ストレートや右フックで少しづつペースを引き寄せていきます。
そして7回終了間際にマルチネス選手の素晴らしい左ストレートがシントロン選手を捕えダウン。レフェリーが10カウントを数え上げてマルチネス選手がノックアウトで初防衛に成功……
だったのですが、ダウンしてカウントを数え上げられている時にダウンはヘッドバッドによるものだ、とアピールしていたシントロン選手。カウントが10に到達するとほぼ同時に立ち上がり(10の時には立ち上がりきってはいない)カウントアウトされた後もヘッドバッドだとアピールし続けます。するとなんとこのアピールが受け入れられてしまい続く8ラウンド目が行われる事になってしまいました。

8回以降続行された試合はほぼマルチネス選手のペース。10ラウンドにシントロン選手の左フック右ストレートを何セットか食ってヒヤリとさせる場面があったものの、11回には鋭い左ストレートでシントロン選手を追い詰めます。最後は弱気な面も見せながらなんとか判定に持ち込んだ様子のシントロン選手。最終ラウンドにマルチネス選手がそれまで再三注意を受けていた後頭部への打撃で減点を受けましたが、マルチネス選手の勝利で間違いないと見えた勝負だったのですが・・・

公式のスコアは1人が116-110でマルチネス選手の勝利を支持していたものの、残る2人が113-113とするマジョリティドロー。結果論ですが最終回の減点が結果を大きく変えていました。
シロート採点では116-110マルチネスと見ていたのですが、どちらに振るか非常に微妙なラウンドが続いた試合前半戦をシントロン選手に振ればこの採点もありなのかも、とある程度納得。ただ7回の幻のノックアウト+11回12回のシントロン選手の弱気全開っぷりから印象としてはマルチネス選手の圧勝でした。

1度カウント10をコールして終わったはずの試合が、その後裁定を翻して再開という今回のようなケースは多分初めてみたと思います。さらにHBOが何度も流していたスロー映像を見ると、ダウンシーンではマルチネス選手の頭はかすりもしていなくて、この7ラウンド終了間際の一連のシーンは揉めそう。
さらに試合結果を大きく変えてしまった最終ラウンドの減点シーン。この点に関してレフェリーを攻める事はできないのかなとも思えるのですが、減点対象となったマルチネス選手のラビットパンチを導いた一因はシントロン選手が頭を下げる事でもありました。
5ラウンド目にシントロン選手がカットした場面でも、実際はパンチによるカットだったのですがレフェリーのジャッジは偶然のバッティング。この試合の前に行われていたアングロ対リベラでも、実際はヘッドバッドでのカットだったのに裁定はパンチによるカット、さらには7回の問題のシーン。ボクシングにも場合によってはビデオ判定を導入してはどうなのか?と考えさせられました。

マルチネス選手は44勝(24KO)1敗2分。シントロン選手は30勝(27KO)2敗1分。

ボクシング セルヒオ・マルチネス vs カーミット・シントロン



Campbell chops down Funeka!(Fightnews)
Campbell Wins Fight After Losing Titles on Scales/Martinez(Seconds Out)
Sergio Martinez to Push For Vernon Forrest Next(Boxing Scene)
Campbell/Funeka/Cintron Post Fight Quotes(Seconds Out)
“Massacre” Post-Fight Quotes!(Fightnews)
レフェリーのフランク・サントーレ氏「(7回の場面)ラウンド終了のゴングが聞こえてなかったのでちょっと混乱した。シントロンはカウント9で立ち上がっており試合は終了していなかった」との解釈のようです。
シントロン「俺が明らかな勝者だ!7ラウンドのはヘッドバッドだよ!」VTRを見ると、どの口が言うんだってな感じですが・・・w
Sharkie's Machine: Martinez Robbed After Convincingly Beating Cintron(EastsideBoxing)
写真
Photos: The St. Valentine’s Day Massacre in Florida
CAMPBELL DECISIONS FUNEKA; ANGULO STOPS RIVERA; MARTINEZ, CINTRON DRAW(HBO)

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10 コメント

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Unknown (サモアン)
2009-02-16 15:46:59
勝利の雄たけびを上げてコーナーに上った後に試合続行と言うのは自分も初めて見ました(笑)

この日はマヨルガドタキャンあり、キャンベル計量オーバー&フネカ脆過ぎで勝てた試合を落とすのあり、疑惑の続行&珍判定ありと迷勝負続きでしたね。

興行主は頭を抱えたのではないでしょうか。


今回はシントロンのパンチが火を噴きませんでしたね。テクニシャン相手にはちょっと苦しいか・・・
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Unknown (管理人)
2009-02-16 19:39:42
>サモアンさん
マルチネス選手は2回勝利を盗まれた気分でしょうね。シントロン選手はVTR見れば一目瞭然のウソを試合後も通し続けてたり、試合終了直後の腰振りダンスパフォーマンスなんかで、ちょっとその姿勢にがっかりしてしまいました。
メインの試合は二転三転する展開だったので私は楽しめました。
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Unknown (名無し)
2009-02-16 20:54:11
これは珍事w

アングロのバッティングといいこのダウンといい、インターバルの間にビデオで判定してレフェリーの誤審を正すようなシステムを導入しないとシントロンのようなゴネ得がまかりとおっちゃいますね。
しかしパンチなのに頑なにバッティングを主張したシントロン・・・マルチネスの拳が頭蓋骨並みに硬いということでしょうかwww
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Unknown (ロッキー)
2009-02-16 21:12:55
WBO暫定ではなくてWBC暫定ではないのですか?
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Unknown (ロッキー)
2009-02-16 21:13:38
×WBO暫定
○WBC暫定
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Unknown (管理人)
2009-02-16 22:46:37
>名無しさん
ビデオ判定の導入と言っても、実際やってみて生じる問題もあるでしょうしそう簡単にはいかないようにも思えます。
ですが、今回の興業で2度あったカットの判断のミスを後から是正するとかなら試合進行に影響もなさそうですし、試してみて欲しいですね。
今回は大丈夫でしたが、カットがパンチによるものなのか頭によるものなのか、ってのは試合結果を左右するものですから。

>ロッキーさん
その通りですね。修正しておきます。
しかし、Aがサントスはいいとして
Cフォレスト、C暫定マルチネス、Oジンジルク、O暫定ウイリアムス
Fの王者だったフィリップスはなんでかO暫定戦に出て敗北。とかで、わけわからん事になっていますねwこんがらがる
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Unknown (ロッキー)
2009-02-16 23:21:45
最近は王者が乱立していて、さらに昔よりも階級が遥かに多いから誰が1番強いのかわかりませんね。

特に、今のスーパーフライとスーパーウェルターなんかやりたい放題ですな・・・。
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Unknown (管理人)
2009-02-17 01:26:36
>ロッキーさん
世界王者の数が増える一方、そのクラスで1番強いと思われる選手が無冠だったりするケースもありますからねぇ。
ハットンやマルケス(彼らがそのクラスで一番かどうかについて異論はあるでしょうが)のようなケースがそうですし、今P4Pナンバー1とされているパッキャオもそうです。(ライト級王座をまだ持っているみたいですが、恐らくもうライト級で戦う事はないかと)
ホプキンスもミドル級王座を失って以来ずっと無冠ですし、既に世界王座というものは世界最強を示すために絶対必要なものではなくなっているのかもしれません。
危惧すべき現象だと思います。
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Unknown (チャビ)
2009-04-14 03:50:06
はじめまして、こんにちは!
それにしても、すごい情報量ですね~
これから度々お邪魔します。

今日WOWOWでこの試合を観たんですが、なんか色々とがっかりしましたね…
レフェリーやコミッショナーの裁定も、シントロンの態度も、ジャッジの採点も。

最終回の減点は厳しいかなぁと思いましたね。
シントロンが頭を下げたところに勢い余って当たっただけですし。
ただ、あの減点があったとしても、同点二人は信じられませんでしたよ。
中盤から終盤にかけては、ほとんどマルチネスが取っていたと思ったんですが…

それはそうと、マルチネス選手は初めて観ましたが、いい選手ですね。
失礼しました~
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Unknown (管理人)
2009-04-14 18:51:31
>チャビさん
はじめまして。こちらこそ、よろしくです。
これは珍しいケースでしたよねぇ。
採点結果もマルチネスにとっては不運としか言いようの無いものでした。
最終ラウンドの減点については、それまでにレフェリーが注意→警告を経てのものだったので仕方なかったのかな、と私は思いました。
それでも厳しいとは感じましたけど。

マルチネスはかなり能力高いと思います。アルゼンチン人っぽくない洗練されたスタイルで、はじめて見た時は驚きました。
HBOがその力を見込んでいるようですから、今後もマルチネス選手がらみの魅力的なカードが提供されていく事でしょう。期待したいです。
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