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Z・ゴーレス対ルイス・メレンデス(2009/11/13)

2010-01-07 21:51:29 | ボクシング
スーパーフライ級10回戦

昨年11月に行われた試合です。
フィリピンのZ・ゴーレス選手(Z Gorres)がコロンビアのルイス・メレンデス選手(Luis Melendez)と対戦した一戦は米ネバダ州ラスベガスで行われ、ゴーレス選手が大差の10回判定で勝利したものの試合終了後のリング上で昏倒し開頭手術を受けるという悲劇的な結末となってしまった一戦です。

試合終了残り30秒の時点でメレンデス選手の左ストレートの直撃を受けて痛烈なダウンを喫したゴーレス選手。レフェリーのカウント中に膝が崩れ落ちそうな様子を見せるなど深刻なダメージは明らかでしたが、その前後に試合後の悲劇を連想させるようなダメージングブローを浴びていたようには見えず、ほぼ1発で深刻な事態を招いた(ように見えた)今回の試合のような事故は私の知る限り初めてでした。

中盤以降メレンデス選手の左を避け損なう場面が少々あったのは事実ですが、これは試合後の状況を知った上で注意深くゴーレス選手の様子を観察し、それでようやく気になった程度のもの。ポイントはもちろん、試合のペースも圧倒的にゴーレス選手が支配し続けていたワンサイドと言っていい試合展開。この試合内容でどうすれば事故を防げたのでしょうか・・・
この試合でのゴーレス選手の動きは本当に素晴らしいものでした。非常にバランスの良い下半身が刻む滑らかで無駄のないステップワーク。力が抜けてスムーズに放たれ、かつ伸びとパワーを感じさせる左右のブロー。3回にメレンデス選手からノックダウンを奪った素晴らしい左ストレートや鋭く正確にヒットする右のジャブ。上下へ自在に打ち分ける右フック、右アッパー、これらを組み合わせた美しいコンビネーションなどのゴーレス選手の攻防すべての動きは本当に見事なものでした。

術後の回復は驚異的なようでそれが大きな救いですが、素晴らしい才能を持つ選手のキャリアがこのような形で終わってしまった事は残念でなりません。

ゴーレス選手は31勝(17KO)2敗2分。メレンデス選手は26勝(21KO)4敗1分。

Z Gorres is in a Coma After Melendez Win in Las Vegas(Rick Reeno/Boxingscene)
Z Gorres Shows Heart, Making a Remarkable Recovery(Ronnie Nathanielsz/Boxingscene)
写真
TOP RANK AT THE MANDALAY BAY RESORT AND CASINO IN LAS VEGAS, NEVADA 11/13/09(PHOTOS BY RAY KASPROWICZ/BoxinginLasVegas.com)

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11 コメント

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そんなこともあるのですね (まっからむ)
2010-01-07 23:25:14
ワンサイドで勝った選手が脳手術を受けるとは…
先天的に、脳に空洞があって、強度の打撃を受けては行けない体質だったのでしょうか。
回復されて何よりです。
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Unknown (Unknown)
2010-01-07 23:48:47
海外のボクシング事情に詳しい管理人さんに質問なんですが、
ゴーレス選手引退するって聞いたんだすけど本当ですか?

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Unknown (管理人)
2010-01-08 19:49:07
>まっからむさん
ゴーレス選手のボクシングは本当に素晴らしいものでした。
試合終了間際の一発はかなりダメージのあるものでしたが、試合終了後判定を聞き遂げ、フィリピン国旗をまとって観客の声援に応える、と事故が起こる予兆はまったく感じられませんでした。

>Unknownさん
脳外科手術を受けたわけですから、残念ですがボクシングはもう無理でしょう。
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Unknown (Unknown)
2010-01-08 21:41:49
>管理人さん
そうなんですか、残念ですけど仕方がありませんね。

ご回答ありがとうございます


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Unknown (カチガラス)
2010-01-09 00:41:58
 明けましておめでとうございます。今年も管理人さんの慧眼を楽しませていただきます。

 興行を目的としたプロスポーツなのに、徹底した健康管理と洗練された競技性。こういう性質がありながらボクシングは運という要素の介入があまりにも大きい。
 これを天運というのでしょうか。
 ゴーレス選手の悲劇はあまりにも残酷。運を含めてボクサーとしての資質だったという言い方は好きではないのですが、一方でうなずかざるを得ないのかもしれません。
 ラッキーパンチという言葉が嫌いなのですが、その人、選手につきまとう運命の善し悪しも強さのひとつなのかと思ってしまいます。
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Unknown (管理人)
2010-01-10 17:35:24
>カチガラスさん
頭を殴って殴って、戦闘不能状態に陥らせれば勝ち
という競技の性格上事故は絶対に無くならないのでしょう。
事故を望んでいるファンがいるはずもありませんが、ボクシングの持つ残酷な一面こそが最大の魅力の一つであるのは明白で、望むものの延長線上に事故があるってのが悩ましいです。
これは永遠に解決できない課題なんでしょうが…
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Unknown (genzou)
2010-01-11 20:17:41
ワンサイドゲームで試合終了直前にダウン→
後昏倒というのは故崔堯森選手を思い出して本当にぞっとしました。
キャリア半ばでグローブをつるさざるを得なかったのは本当に残念ですが、手も動かせるようになり、家族の生年月日が答えられるなど奇跡的な回復をみせている事に少しホッとしました。
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Unknown (ジーン)
2010-01-12 00:43:08
ゴーレス選手の兄も試合中の事故で亡くなってると伺ったのですが、どういった選手だったのでしょうか?
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Unknown (管理人)
2010-01-12 01:05:37
>genzouさん
崔選手の事故があった試合は見ていないので内容は知りませんでした。
試合中だけではなく、試合の準備段階において何らかの原因があるのかもしれませんね。全くの推測ですが。

>ジーンさん
ゴーレス選手の兄の事を調べたら、ジュン・ゴーレス選手が兄だったんですね。
以前帝拳と関係があって(今でいうリナレスみたいな感じ?)結構期待されていたホープだったはずです。
ジュン・ゴーレス選手は2005年に試合中の事故ではなく、フィリピン国内での喧嘩(?)で刺殺されています。
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補足 (管理人)
2010-01-12 01:06:17
ジュン・ゴーレス選手
http://boxrec.com/list_bouts.php?human_id=076808&cat=boxer
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