ビック・ダルチニアン対Z・ゴーレス(2008/02/02)

IBFスーパーフライ級挑戦者決定戦

元フライ級王者のビック・ダルチニアン選手(Vic Darchinyan)とフィリピンのZゴーレス選手(Z Gorres)との間で争われた指名挑戦者決定12回戦は、ゴーレス選手の地元フィリピン、セブ島で行われましたが、12回3者3様のドローに終わっています。

好勝負を期待していた注目の一戦でしたが、結果は地元フィリピンのテレビ解説者も困惑を隠せない程の不可解なドローに終わっています。
荒々しい攻撃で迫るダルチニアン選手をゴーレス選手がシャープなストレートパンチで迎え撃つ、予想通りの展開となった試合は初回から波乱含みでした。
初回、ゴーレス選手がダウンを宣告された場面。これは明らかなスリップで、怒った観衆がリングに物を次々と投げ入れ、会場が不穏な空気に包まれます。
2回にはゴーレス選手が右フックで、今度は明白なノックダウンをダルチニアン選手から奪い返すなど、初回を不運なダウンで失ったものの、シャープでコンパクトなゴーレス選手の攻撃が有効に見えた試合序盤。
しかし、試合が進むごとにダルチニアン選手のパワーがゴーレス選手を圧倒していきました。
自らのパンチに何度もバランスを崩すなど荒すぎる攻撃ゆえに完全にペースを支配するところまではいかないものの、超大振りの左を単発ながらも当て続け徐々にゴーレス選手を弱らせていきました。
中盤以降パワーでのゴリ押しでポイントを押さえ続け、9回にはダウンを追加したダルチニアン選手の勝利は間違い無いと思ったのですが、、、
公式の採点結果は113-112ゴーレス選手、114-112ダルチニアン選手、113-113、のドローとなっていました。
ちなみにわたくしめのシロート採点は117-108でダルチニアン選手の勝利。

試合中何度も倒れたゴーレス選手をことごとくスリップとしたレフェリングも問題だと感じました。5回に2度、11回の明白なノックダウンをスリップとしたレフェリーの判断には、初回のミスジャッジが少なからず影響していたのではないかと感じてなりません。
11回のダウンとそれまでの蓄積されたダメージ、さらには疲労で12回には立っているのがやっとの状態のゴーレス選手(この回も転びまくり)にとっては幸運なドローでした。

ゴーレス選手には良いモノを感じさせるのですが、なんかもう一皮剥けきれないというかプラスアルファが欲しい、何かが足りないといつも感じてしまいます。
同じ事を感じさせるレイ・バウティスタ選手を思い出し、バウティスタ選手の将来もこんな風になってしまうかも、などとふと思ってしまいました。

ダルチニアン選手は29勝(23KO)1敗1分。ゴーレス選手は27勝(15KO)2敗2分。

Gorres, Darchinyan draw!
Darchinyan fight declared a draw
Darchinyan-Gorres Ends in Controversial Draw
Wild Darchinyan-Gorres Eliminator Ends In Draw In Cebu City
Darchinyan camp to protest!
試合動画(YouTube)
gorres vs darchinyan

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