くろにゃんこの読書日記

マイナーな読書好きのブログ。
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追記 おとぎ草子

2007年06月04日 | 神話と伝承
お伽草子の関連本として、前記事の最後で触れようと思っていたけれど、予想以上に文字数がかさんでしまったので、新たに記事を書くことにしました。
お伽草子にある一寸法師を読んでみると、現在知られているような話しとは違うことに驚かされますが、現在のようなむかしばなしになったのは、もっと後年のことです。
では、お伽草子として成立する以前は、いったいどのように語られていたのでしょうか。
興味がわいてきたのいいけれど、どういうところから手をつけたらいいのか、皆目見当がつかず、とりあえず目についたところで手に取ってみたのがこの一冊。

 「お伽草子」謎解き紀行―伝説に隠されていた、古代史のメッセージ

この本は、雑誌「主婦の友」で、平成元年の一月号から一年間連載された「伝説とグルメの旅」という企画を担当したライターが書き下ろしたもので、草子の故郷とされる伝説の地を探求することで、一気に古代史までさかのぼって、草子に隠された歴史的事実を探り出すというもので、ロマンあふれる一冊となっています。
著者は古代史の専門家ではなく、略歴からすると政官界をメインにするとありますので、
まったくの畑違いですが、古代史に関してはかなりな知識があり、
愛好家であることに間違いはありません。
本書のなかでもありましたが、素人の強みは束縛されずに
自由な発想や飛躍が出来るということ。
楽しい読み物ではありますが、詳しい検証があるわけでもないので、まあ、話半分くらいな気持ちであたるのがよいでしょう。
ここで探求される古代史は、ヤマト王権の時代であり、本書の著者はヤマト王権は渡来人によって形成されたとしています。
つまり、現天皇家も渡来人の一血統であるということ。
渡来人というのは、歴史で習ったことがありますね。
縄文時代終わりから弥生時代にかけて、幾度かに分けて移住の波があったようです。
あれ、これってケルト神話とよく似ていますね。
ケルト神話にある「ブランの航海」は、日本のむかしばなし浦島太郎とそっくりですが、
浦島太郎によく似た話は、南東アジアやオセアニアなどにも見られるようで、
海洋民族独特の伝承であるようです。
意外なケルト神話との類似性が発見されて、面白かったです。

オマケとして、最近娘が貸してくれたコミックを。

 桃組プラス戦記 (1)

主人公は桃太郎の生まれ変わりで、犬、猿、雉の生まれ変わり(人間ですが)とともに、これまた鬼の生まれ変わりと対決するというお話。
でもって、何故だかいろいろなおとぎ話の生まれ変わりが一つの学園内にたくさんいて、例えば、桃太郎のおじいさんはたくまいヤローどもを従える農業科の女子学生に、おばあさんは、天才的な裁縫の腕を持つ家政科の男子学生に転生しています。
ハイ、ギャグです。
「あっはっはっは~!」
と読んでバカ笑いしている私。
「どこどこ~?」
と娘。
「はっ、鼻血がぁ~、鼻血が薔薇のように~~!」
そして、しばらく後、
「あっはっはっは~!」
「今度はどこ?」
「ひっ、姫がぁ~、たくましい~!」
一寸法師の姫が、とてもマッチョなのです。
その姫をこよなく崇拝する一寸。
それにしても、アスカコミックですか。
懐かしいですね。




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