春の朝

顔を洗う水が温く感じた。

長い冬ほど春は暖かい。

そんな言葉を信じたくなった。




今日もスマホにいろんな情報が飛んでくる。

戦争・映え自慢・風景。

寝覚めた私は、昨日と変わらぬ延長戦を今日も戦うつもりでいる。




親である大国は子供である小国を愛し導いているつもりでいる。

自分の喜びに酔い、辺りかまわず自分の歌を機嫌よく歌っているだけであるのに。

「人生を成功に満ち幸せなものにするためには、家族・友人・恋人を切り捨てる必要に出くわす事がある」

という言葉を放った人の顔が浮かんだ。




隣人を愛せとおっしゃったキリストさんは、何を思っていらっしゃるのだろう。

愛するなとおっしゃったお釈迦さんは、何を感じていらっしゃるのだろう。

人間のやることに、どうして正しさというメイクを施したがるのだろう。



雨の予報が出ている。

「いい春の雨だなぁ」なんて呟いてみよう。

うまくできるだろうか。

うまくできなくても、きっと春がうまく導いてくれるさ。

ちょっぴり目がかゆいけれど。