めいそうちゅう

昨夜未明から降り始めた雨は、
明るくなってからも降り続いていた。

途中で起きることもなくぐっすりと眠っていた。
起床時間を知らせるアラームにしばらく気付かなかったほどに。

アラームを止めて、ひと伸びしてみると、
ここはどこなんやろ？
みたいな静かでとぼけた感覚の中にいた。
二度寝を味わう日ではないこともわかっていた。

朝のスケジュールを進めて行くと、
あっと言う間に洪水のように流れ込み渦を巻き出した。
仕事の段取りやら、
連絡とるべき内容やら、
それぞれのその先の展開予測やら。

ぼんやりしているようで、
脳の一部分だけが激しく動いているみたいだった。

いつもの時間に家を出た。
その筈なのに、駅へ着く手前で電車がホームに入ってくるのが見えた。
時間を確認すると、ダイヤの乱れであることがわかった。

雨は同じリズムで降っていた。
ボーっと突っ立っていた。
靴の中には、雨水がしみ込んでいた。