見ていられなくなっちゃった

百日紅の白い花が揺れていた。

大きくなりすぎているこの木も、そろそろ手入れしないと住居に覆いかぶさってくる。

どこを切ってどこをどこを残そうかという思いを走らせながら見ていたのをやめた。



ネットニュースが燃えている。

叩いても誰も文句言う人はないだろうと、育てたり発見したりしたネタに火がつけられる。

いい仕事ってなんだろうなぁ、という思いを走らせながらページを進めていた手を止めた。



関西の我が田舎ではもう彼岸花が咲いていた。

「やけに早いなぁ」と感じていると、これが今の主流なのかと、異常を正当化する気持ちがのっかってくる。

お世話になってきたお店を異端視する正義の先には何が待っているんだろう、と花を見ていられなくなった。



足のかゆみに気が付いて足を見ると、血が出ていた。

虫にかまれた痕跡を、無意識にかきむしったようだった。

「気付いてしまうと、妙にかゆみばかりが気になるもんだ。」と絆創膏を貼った。