魔王の支配は終わった
乞食の衣のような
ずたぼろの布を引きずって
魔王は逃げていく
どこにも行くところはない
女が欲しかったから
すべてをやったのだという
馬鹿な判決が
ネズミのように
胸の中でうずいている
大勢の馬鹿から
血を吸えば
神さえ圧倒できるような
権力を持てると思っていた
蠅の大群のように
全部で攻め込めば
神の世界を支配できると思っていた
そうなれば
好きなように
世界中の女と
セックスができる
魔王は
ヤニにざらついた歯を見せて
にやにやと笑いながら
そんなことばかりを考えていたのだ
阿呆め
神はおまえをつまみ上げ
シジフォシアよりも寒い
崖の果てへと追放する
ついぞ
人間が行ったこともないようなところへ
おまえは赴き
そこで永遠を数えねばならない
おまえがそんなことにならないようにと
あらゆる愛ががんばってくれていたものを
おまえはそれを
ことごとく馬鹿にしたのだ