馬鹿は
誰かが自分のために
何かをしてくれると
思っているから
馬鹿をやるのだ
どんなに馬鹿をやっても
結局は
あれが助けてくれると
思っているのだ
あれというのは
いつも絶対に助けてくれる
愛のことだ
どんなに馬鹿なことをやっても
堪えて許してくれる
愛のことだ
あれが馬鹿だから
何でも許してくれると思っているのだ
愛は馬鹿だから
馬鹿をいつでも
いつまでも許してくれると
思っているのだ
だが
甘くはない
馬鹿は
いつでも許してくれるあの愛が
限界を超えると
霧のように消えてしまうものだとは
知らなかったからだ
限界があるということを
知らなかったから
馬鹿は何でもしたのだ
そして超えてはならない限界を超えた時
一切の愛に見捨てられるのだということを
馬鹿は未だにわかっていないのだ