今後の実際の分娩件数は、『分娩予約件数+緊急母体搬送受け入れ件数+帰省分娩受け入れ件数』ですから、分娩予約件数が従来の実際の分娩件数の2倍程度ということは、今後の実際の分娩件数は従来の2倍では済まないということです。
当科のスタッフをさらに大幅に増員してセンター化を目指すか?、科をたたんでスタッフごと近隣のいくつかの広域医療圏の病院群と合併して非常に大きなセンターをどこかに作ることを目指すか?、何かさらなる有効な方策を考えざるをえない状況に早晩なってゆくのは必至と我々もみな考えてます。
とりあえず、この春での科の消滅を何とかくい止められましたが、来年の今頃にまだ科が存続しているかどうか?は全く確信が持てません。同僚の先生も、「先のことを考えると、不安で夜寝られなくなる...」とよくぼやいてます。
お母さんが望む「よいお産」をめざして
平成十八年三月末までに、飯田下伊那地域で三つの医療施設が出産の取扱いを止めました。それにより当院の分娩件数は、昨年までの月平均四十件が約二倍となり、四月以降の分娩予約件数は月平均八十件前後となっています。
当院では分娩件数の増加に伴う院内の体制・対応を検討してきましたが、二月に産婦人科医が一名増え、現在四名体制となっています。
施設面では、一月の初めから病棟の改修工事を行い、分娩室を一室増やしました。また、外来では医師が診察する場所と助産師が計測する場所を分けるために間仕切り工事をしました。これにより、妊婦健診などを受けられる皆さんへのプライバシーについて配慮できるようになりました。
このほかに、妊婦さんとゆっくりお話ができる機会をつくるために「助産師外来」を始めました。対象者は三十七週以降の妊婦さんで、妊婦健診と赤ちゃんの心音やお母さんのお腹のはり具合などを診させてもらっています。特に、「どんなお産をしたいか」などの希望をお聞きして、分娩時には出来るだけお母さんの希望がかなえられるようにしています。最近では、「横を向いたまま」や「四つんばい」のお産や、へその緒がついたままで赤ちゃんを抱っこする「カンガルーケア」も行っています。
また、お母さんと赤ちゃんがずっと一緒にいられるようにと考え、完全母児同室としてお部屋での授乳も始めました。
私たちはこうした取り組みを続けながら、お母さんや、ご家族が望む「よいお産」を一緒に考え支援させていただきますので、いつでもお気軽にご相談ください。
【産婦人科】
編集・発行/飯田市立病院広報編集委員会
三つ目の先生の病院の外来では、たまたま空いていた外来待合で撮っていたのかと思いました。他の患者さんが移らないような、異様に人が少ない雰囲気で、びっくりしました、初めは。
次に出てきたS病院は、県内の他の地域の病院で、最近、医師不足のために分娩取り扱いを中止した病院です。
3つめに出てきた病院が我々の施設です。S病院で産めなくなってしまった患者さんが不安な気持ちを抱きながら遠路はるばる受診した地域中核病院という設定で、最後の最後に少しだけ登場してました。
早とちりで すみません。しかし 大変なところは大変すぎるのは間違いありませんね。
取材に来たNHKの担当の人には、取材の日は、私も丸1日お付き合いして、現在の産婦人科の置かれた状況については熱弁して、かなり理解していただけたとは思っています。『今後もこの問題は引き続き追いかけてゆきたい。』とおっしゃってました。今後も全国の産婦人科医療の状況をしっかりと報道し続けてほしいと思います。
それにしても管理人先生はブログの方も、お忙しい中、よく更新されているので、すごい と思いました。
この数年間にどうなるのか、恐ろしいことです。
今後、福島地裁が仮に無罪と判決を出したとしても、地検は最高裁まで争い、最終的な判決が出るまで数年はかかります。その間に、おそらく長くても1~2年以内に医局関連病院の集約化はどんどん進行します。
我々スタッフの認識も、先生と全く同じです。
公立病院ですので、給与は卒後年次によって科に関係なくほとんど一緒でしょうから、産婦人科医師のモチベーションがいずれ低下すると思います。苦しい思いをして働くだけ損、と考えざるを得ない状況にいずれなってきます。