[病原体] クラミジアト・ラコマティス(Chlamydia trachomatis)
[疫学] クラミジア・トラコマティスによる性器クラミジア感染症は、わが国の性感染症(STD)の中で最も患者数が多い。
[母子感染の経路] 産道感染
[母体への影響] 妊娠中の性器クラミジア感染は、絨毛膜羊膜炎(CAM)を惹起し、流早産の原因となることもある(頻度はまれ)。
[新生児クラミジア感染症]
(1)新生児 結膜炎
・母子感染例の25~50%に発症
・生後5~10日に発症
(2) 新生児肺炎
・母子感染例の10~20%に発症
・生後1~3カ月に発症
・発熱せず、咳が主症状
・結膜炎を伴うことが多い
[妊娠中の性器クラミジア感染の診断、治療は?]
(産婦人科診療ガイドライン・産科編2011)
1. 母子感染を予防するために子宮頚管のクラミジア検査を行う。(B)
2. 子宮頸管のクラミジア検査法は、同部位の分泌物や擦過検体を用い、核酸増幅法、核酸検出法、EIA法、分離同定法などを行う。(B)
3. 治療には、アジスロマイシン(1000mgx1/日)、もしくはクラリスロマイシン(200mgx2/日、7日間)を用いる。(B)
アジスロマイシン:マクロライド系抗生物質(ジスロマック)
クラリスロマイシン:マクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッド)