<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

中国地方都市にとって、上海は「理想」、広東省は「鏡」か・・・?

2011-12-09 | 中国社会学
中国の経済成長に伴って、2級、3級都市の開発ラッシュが続いている。

先日、湖南省、湖北省を回ってきた方も言っていたが、主要な地方都市はミニ上海化が顕著。
高速道路網や地下鉄を急ピッチで整備し、派手な公的施設を次々に建設する等々。。。
こうした開発に伴って、負の側面、いわゆる環境汚染も深刻化しており、場所によっては上海よりヒドイのでは・・・と思わされる大気汚染も多く見受けられるようになってきた。
12月5日、深刻な霧の影響で北京発着の航空便が200便以上欠航したが、これも大気汚染の影響が大きいのは言うまでもない。

とはいえ、やはり中国の指導者にとって、いまの上海の発展ぶり、都市としての風格は「憧れ」、「夢」といったものにまで昇華するのだろう。
とりわけ「経済」という面に光を当てるなら、これほどまでに存在感を発揮している都市は中国内に見当たらない。

一方で、改革開放路線の先陣を切ってきた広東省のほうは、このところ苦境に立たされている。
「世界の工場」として発展してきた旧型のモデルから脱却できず、人件費の高騰や価格競争力の低下などに悩まされているからだ。
特に欧州危機などを背景とする輸出環境の悪化は深刻で、広東省政府は来年1月に予定していた最低賃金の引き上げを見送ることを決定している。
省政府の決定を受けて、広州市なども同じように見送ると見られている。
(もっとも、当面の間、様子を見るということなので、誤解のないように)

例年、まず最初に広東省の最低賃金改定が話題を集め、その後、他都市の改定額がどの程度になるのかが注目されるわけだが、今年はいつもと異なるパターンとなりそうだ。

広東省の現状は、中国全土に散らばる地方都市の将来を映す「鏡」のように思えてならない。
外見だけを比較すると、上海が「明」で広東省が「暗」のように見えるが、実際のところは表裏一体と思ったほうがいいだろう。
ある程度の発展を成し遂げた地方都市にとっては、似たような問題・課題が必ず発生するのだから。。。

地方政府首脳は、こうして経済が発展しているときほど、将来のことを熟慮して、多少ブレーキになるような政策であっても、発展策と並行して対策を打つべきだと強く考える。
こうした視点は、60年代に深刻な公害を経験した日本から積極的に発信していくべきだろう。

今日は単なる愚痴みたいになってしまいました。。。


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