<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

2か月ぶりの更新 中国の不動産市場は・・・

2014-04-12 | 中国経済

おひさしぶりです。気が付けば2か月も経ってしまって・・・。
3回シリーズでお送りした「中国は日本人にとって住みにくい国になる?」は読者の皆さんのご支持を頂いていたようなんですが、その後またもや忙しさにかまけてブログ更新が疎かに。
なんで日本で生活していると、こんなに時間に追われるんでしょうね。。。
いつもながらですが、今後は頑張っていきたいと決意を新たに。

さて、今回は久しぶりに「中国の不動産市場」について。
といっても、正確には「上海の不動産」が中心なんですけどね。

これまでバブル懸念が再三指摘されてきたにもかかわらず、全般的な不動産価格は一時的な落ち込みを除くと、ほぼ一直線に上昇してきたと言っていい。
上海、北京、広州といった一級都市は、ヒト、カネ、モノが一斉に集まってくるため、都心部から放射線状に需要が衰えることはないんですよね。
まして、土地が国家のもので自由に仕入れることができない中国にあっては、不動産は文字どおり「インフレに強い金の成る木」。


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大都市の不動産価格は既に手が付けられないほど上昇しており、日本のバブル景気当時さながらの状況にある。普通に大学を卒業して職に就いたニューファミリー層にとって、通勤1時間圏内のマイホームを手に入れることは、もはや高嶺の花。しかも、その状況は年々厳しくなってきていると言わざるを得ない。

もっとも、それでも2011年ごろまでは肌感覚の景気もよく、給与も順調に上がっていたので、そこまで不満が噴出することはなかった。2012年以降、給与の上昇より物価の上昇のほうが顕著になってきたにもかかわらず、住宅価格が上昇は収まるところを知らず、人民の不満は鬱積していく一方である。

そんな中、上海の不動産市場にも大きな変化が見受けられる。
3月の新築住宅の成約面積が前年同期比で4割も減少したのだ。このトレンドが今後も続くかどうかは定かではないが、最近指摘されている理財商品のデフォルト懸念なども背景にあると言えよう。

成約面積が減少する一方、1平方メートルあたりの成約価格は約12.5%上昇し、前月比もわずかながら上昇するなど、価格面での過熱感は収まっていないようだ。
この主因は高級住宅の成約件数が急増していることにあるようで、1平方メートルあたり5万元(約80万円)の住宅の成約戸数は前年比5倍を記録しているというから、完全にトレンドと逆行している。

こうした現象を総括すると、不動産市場全体は冷え切っているが、一部の富裕層だけが更なる売却益の獲得を目指して、値崩れの確率が比較的低いと思われる高級住宅を買い漁っているのでは・・・とも思える。

現に、第1四半期の新築住宅の成約面積は3割減となっている。
中国経済において大きなウェートを占めてきた不動産市場がここまで変調をきたしているのに、マクロ経済の数値は比較的堅調なまま。そんなことってあるのかいな・・・と感じずにいられないのは私だけだろうか。。。


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ちなみに、中国政府はあれだけ「不動産市場の適正化を目指す」と言っておきながら、早くも政策の軌道修正を図ろうとしている。
シャドーバンキング問題が最も深刻な浙江省温州市では、不動産価格の下落も深刻なため、地方政府はこれまで強化してきた不動産融資規制の緩和を模索し始めている。

中央政府においても、景気下支えのため「預金準備率の引き下げ」観測が浮上している。
こうした動きは近い将来の金利引き下げに繋がる可能性が高く、そうなると現政権発足以来続けてきた抑制的な経済運営は大きな転換点を迎えることになるだろう。

でも、こんなこと続けていて、ホントに持続可能なんですかねぇ。。。
筆者自身、日本に戻って1年が経過したこともあって、自分も随分保守的、嫌中的な見方をするようになってきたのかも・・・と思ったりしたが、それを割り引いても現在の中国経済はとても危ういと思わざるを得ない。

加えて、世界各国はリーマンショック以降、財政健全化を無視した経済運営を続けたことで、表面的には株高傾向が続いているが、これもどう見ても持続可能とは言い難いように思われる。日本なんて1千兆円を超える債務を抱えているんですよ、一体誰が返すんでしょうか・・・。消費税を3%上げたくらいで解決できる問題じゃないんです。

中国も問題だらけだけど、日本も同じくらい、いやそれ以上に問題だらけ。
アベノミクスによる株高もそろそろ終焉を迎えそうで、日本経済及び日本政局は正念場を迎えそうだ。マジで何とかしないと。。。


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