<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

日中関係 雪解けの兆し(山口公明党代表の訪中結果の重み)

2013-01-25 | 尖閣問題

またまたブログ更新が疎かに。。。
なぜって・・・、いつも同じ理由ですが、日本出張中だからです。
ホント、朝から晩までクタクタ。。。
ただ、もうひとつ、言い訳がましい理由を挙げさせてもらうと、日本のWiFi環境の悪さ。コレ、かなり酷いと思うんですけど。。。
日本で生活していると分からないと思いますが、この部分において日本は相当遅れています。
だって、中国ではどこでもWiFiの電波、拾えますから。
しかも、驚いたことに、ベトナムやカンボジアでも、ほとんどの安宿でWiFiが利用可能。
いまや全世界、スマホ社会ですからね。
有線LANなんて、ハッキリ言って、ビジネスユース以外、意味ないです。
ま、愚痴っても仕方ないんですけどね。

さて、今日は政治面で大きな動きがありましたので。

2013年1月25日、山口公明党代表と習近平中国共産党総書記の会談が実現した。
コレ、かなり重みのあるニュースです。
が、日本のメディアでの扱いはさほど大きくない。
このあたり、いつものことですが、日本の大手メディアの恣意的な報道姿勢が垣間見えるような・・・。
こうしたニュース、あまり一般ウケしませんからね。
悪化、悪化と叫んだほうが、なんとなく国民感情に訴えられる、ひいては視聴率や購読率に反映できると思うのかも・・・。だとしたら、何とも短絡的です。

メディアはさておき、本題へ。
習近平氏と言えば、もはや言及するまでもない中国の最高指導者。
日本人にとって言えば、総理大臣を更に数倍偉くしたような地位。
この人物が、与党とはいえ、国家指導者ではない日本の政治家のために会談を行うということの重みは、冷静に考えれば分かるというもの。
ここは、これまで前総書記や習近平総書記が、これまで誰と公式に会談してきた実績があるかを調べれば、容易に分かるというもの。


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もっとも、筆者はこのタイミングでの動きをある程度予測していた。
これは、本ブログ内の11月21日付/記事を参照して頂くと分かりやすい。
ご興味がありましたら、コチラへ。
↓  ↓  ↓
日中の政権交代がもたらす尖閣問題の行方【大胆予想】
http://blog.goo.ne.jp/chinawatcher/e/4cd591dfc284ba5cfcc522b1a7efb15e

改めて読み返すと、公明党代表というのは予想外でしたが、全体の流れは自分でも怖いくらい結構当たっていますね。
ま、かなり偶然ではありますが。。。

で、なぜあの段階で、このような予測を立てたのか。
それは、大きく言って、以下の3つ。

ひとつは、上記の記事でも言及したとおり、「政権交代」を言い訳化できるという状況。現在の状況は、前政権が作り出したものですからね。
どの世界でもそうだと思いますが、新しいリーダーが古いリーダーの実績を翻すというのは、よく見受けられること。
勿論、尖閣問題がすぐに解決するワケではないのは当たり前のこと。
そうなればなるほど、棚上げに近い状況への道筋が徐々に形成されていくというもの。

ふたつ目は、安部総理の過去の実績。
あまり覚えられていないかも知れませんが、「戦略的互恵関係」という言葉は、前回の総理時代に初めて登場したもの。
加えて、自民党政権は長きにわたるため、中国側との政治的パイプが太いというのも大きな要因と言える。


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そして、三つ目は、1月下旬という時期。
これは意外と大きい。
中国は今年、2月9日から春節(旧正月)を迎える。
日本の正月同様、準備などを含めると2月に入ると動きが取りづらい。
そして、旧正月が終わると、本格的な新政権への移行が待っている。
前回の記事でも書いたとおり、まさにこのタイミングに何らかのアクションを起こしておく必要があったと断言できるだろう。

中国側の政治的な行動を考える場合、「偶然」という要素はほぼ存在しない。
とりわけ、国家の最高指導者による言動には、隙というものはほとんど見受けられないものだ。
そう考えると、この尖閣問題の引き金となった「国有化」の発表が、日中首脳会談の翌日に行われたというのは、かなり大きなインパクトがあったとも考えれらる。
その後、日本の前政権がなかなか具体的な行動や対話を行わなかったことも、中国側の苛立ちを高めさせた原因なのかも知れない。

勿論、この後、そう簡単に進むかどうかは分からない。
しかし、中国の最高指導者が「日中関係の重要性」に自ら言及したという意味は日本のメディアが伝える以上に大きい。
筆者は、少なくとも経済交流や人的交流は、以前の状態に急速に戻っていく方向に転換していくものと確信しているが、結果は果たして・・・?

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Apple(iPhone5、iPad)の気になる先行き(排他性追及の果て)

2013-01-21 | 中国ビジネス

2012年まで破竹の快進撃を続けていたApple社の雲行きが怪しい。
iPhone、iPadの爆発的なヒットによって、全世界にその名を轟かせ、株価も急上昇した同社だが、2013年はどうやら厳しい年になりそうだ。

2012年9月、iPhone5は日本で発売開始となった。
かなりの期待感をもって市場投入された同機だったが、思いのほか売上げ状況は芳しくないようだ。

これは、筆者が駐在する中国でも同じ。
中国では、長引いたiPad登録商標訴訟の影響もあってか、日本と比べて3ヶ月ほど遅れての発売開始となった。
これまで発売初日には長蛇の列が出来たものだが、iPhone5の発売開始は盛り上がりに欠け、発売開始から1ヶ月が経過した現在も在庫切れという話は伝わってこない。

もうひとつの主力製品であるiPadでも事情は似ている。
iPad2あたりまでは独壇場といった状況を醸し出していた同社だが、iPad3あたりから雲行きが怪しくなる。
ましてや、iPad Mini の展開に至っては、革新性を追及する同社の姿勢と根本的に異なるように感じてならないのは筆者だけではないだろう。

いま、巷ではスマートフォン(以下、スマホ)が溢れかえっている。
スマホ時代の扉を開けたのは、間違いなくApple社だが、これまでの歴史と同様、大ヒット商品だけに他社の追随スピードも速い。
しかも、同分野は長年覇権を争ってきたGoogle、Microsoftとの競合も避けられない。
Appleが成長を維持していくには、消費者に強烈なインパクトを与える「革新性」を追及し続け、また提案し続けていく必要があると言える。


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では、同社の最大の強み、また他社と異なる点は、どこにあるのだろうか?
筆者は一言で言って、その「排他性の追及」にあると思っている。
前述のGoogle、Microsoftと比べると、これは明白なこと。
Googleは自社開発したOS、Androidを携帯機器メーカーに無償提供するかわりに、数多くの携帯電話メーカーを取り込むことに成功している。要は、同社はAndroidというツールを活用して商売のすそ野を拡げ、さまざまな形で利益を得ようというビジネスモデル。これは、同社が主力としているネット検索ビジネスに通ずるところが大きいだろう。
一方、Microsoftはご承知のとおり、Windowsを活用してPC市場を牛耳ってきた会社。
Linuxなどに期待が集まった時期もあったが、民生品の分野でWindowsに匹敵するような商材は未だ出現していない。それほどまでにWindowsの先行利得は大きく、PCで資料作成と言えばWindowsは必要不可欠のものとなっている。少なくともこの数年でこの流れを変えるのは相当に難しいと言わざるを得ない。

この両社、全く異なるビジネス展開ではあるが、プラットフォームを提供し、他社から必要不可欠となる存在となることで、自社のサービス展開を協会していくという点では、非常に共通した面を持っていると言える。
つまり、「共用化の追求」と定義づけることができ、この点でApple社と正反対の戦略だということが理解できる。

ただ、どちらも世界に冠たる企業なのだから、どちらが間違いということ等ありはずがない。
しかし、ここはビジネスの社会だけに、その時代ごとに「最強の勝者」というものが生まれることになる。それが、ここ数年の携帯市場及びタブレット端末市場においてはApple社だったということなのだ。


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筆者も中国に駐在しているという立場上、iPhoneは必要不可欠なツール。
言語対応も完ぺきだし、使いやすさという点でも群を抜いているという印象は強い。
肌感覚なので数字上の裏付けはないが、駐在員全体では半数を大きく超える割合を占めているのではないか・・・と感じている。

しかし、今後に目を転じると、果たして今までのように上手くいくだろうか・・・と思えてならない。
Android陣営も相当使い勝手が良くなっているようだし、何よりiPhone包囲網のようなものが形成されつつある。日を追うごとに、Apple社が優位に立っていた使いやすさという点は失われつつあるように思えてならない。

ここに加えて、Microsoftもスマホ市場、タブレット市場に本腰を入れてきたように感じる。同社の広告等を見ていると、明らかにMicrosoft8発売を機に攻勢に転じようという姿勢が明らか。
それほどまでに、PC市場でのタブレット化の流れが進んでいるということなのかも知れないが、いずれにせよ先々を考えると、これまでのビジネスモデルを大きく転換せざるを得ないと同社が感じているに違いない。

ここまでは供給側の視点で見てきたが、消費者側の立場でみると、こうした傾向はどのように受け入れられるのだろうか?
筆者が思うに、Apple社がここまで広く受け入れられた最大の理由は、他社が手掛けていなかった視点にあると感じている。つまり、携帯やタブレット端末でここまでのことが出来るとは想像もしていなかったワケで、その価値観を常に進化させながら提供し続けてきたことに大きな意味があったのだ。

しかし、スマホもタブレット端末も普及期を迎えつつある。
いずれ携帯のほとんどがスマホ化し、タブレット端末の性能向上によってモバイルPCの需要が減少していくのは自然の流れというもの。
そうなったとき、いまApple社が基本戦略としている「排他性の追求」というものが大きな足かせとなるように思えてならない。

例えば、iPad。
筆者も1台有しているが、iPhoneほど必要不可欠なツールではないと感じている。
その最大の理由は、ビジネスユース性の低さ。
やはり、Microsoftとの互換性のなさは、ビジネスという観点では大きなマイナスなのだ。
ビジネスマンにとって、文書作成のほうが利用価値が大きいのは明らか。その意味では、Microsoft社が提供できなかった部分を先食いする形でiPadが普及したと考えるのが自然ではないだろうか。

仮にiPad並みにアプリのダウンロードがしやすく、画像などの面でもそこまで見劣りしないMicrosoftと互換性のあるタブレット端末が発売されたならば、筆者は間違いなくそれを買い求めるだろう。
いや、Microsoft8の発売によって、その素地は形成されつつあると感じている。

Apple社のこれまでの製品開発力には敬意を表さざるを得ないが、中国でも指摘される「アフターフォローの悪さ、傲慢さ」なども考えると、ここで情勢変化を十分に察知したうえで対応しないと、数年前まで勢いのよかったNOKIAのように一気にシェアを落とすなんてこともあるかも知れないと筆者は感じている。
果たして結果やいかに・・・。

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【上海定番グルメ】GREEN&SAFE(有機野菜料理店)

2013-01-11 | グルメ

今日はちょっと忙しくて時間がないので、グルメ情報をご提供。
もっとも、定番グルメではないかも知れませんが。。。

今日取り上げるのは・・・



衡山路×東平路の近くにある「GREEN&SAFE」です。
この路口には、蒋介石夫妻がかつて住んだと言われる「Sassha’s」というバーがあり、向かいには瀟洒な雑貨店が軒を連ねています。





こういった街並みに溶け込むように、お店は昨年オープン。
このお店、フランス租界の面影を残す衡山路地区にあるだけあって、外観もオシャレな感じ。



有機野菜のお店ということで、店頭では実際に有機野菜がたくさん売られています。



しかも、19時を過ぎると40%オフになるようです。



と、ここまでの画像は昼のものですが、実際に食べに行ったのは夜なので、ここからは夜の画像に切り替わることに。


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お店は2階建てとなっており、1階は物販及び軽食、2階はレストランという構成。
まずは1階の様子から。







物販コーナーでは、新鮮なフルーツ、ドイツから技術導入したという本格派パン、欧州から輸入したジャムなどの加工品等々、品揃えは豊富ですね。
今回はレストラン利用だったので、ゆっくり見ませんでしたが、市場調査も兼ねて再度訪れたいと思っています。

簡単な調理をするコーナーがあるようで、軽食感覚のメニューを1階で食すことができるようになっている。





もっとも、やはりこちらを利用する人は多くないようでしたが。。。

で、2階に上がってみると、そこはカジュアルなビストロという雰囲気。







もはや、一般の日本人が抱いている中国のイメージ、ここにはありませんね。
でも、お客さんは外国人ばかりかと言うと、意外にそうでもない。
半分以上は現地の人たちだったと思いますね。
いやはや、食文化の変化も相当なスピードで進んでいるようです。。。


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メニューは、小さいプレートと大きいプレートの料理があって、価格はそれぞれ3種類ずつ。
今回は3人での利用だったので、小プレートの料理を3つと自家製パンの盛合わせ、これに生ビールをオーダー。
ちなみに、生ビールは「買一送一」で1杯サービスでした(ラッキー)。

最初に運ばれて来たのは、有機野菜サラダ。



オーダーしたときに、店員から「ホントに小さいよ」と念押しされましたが・・・、
結構なボリュームでした。
日本人3人では十分な量かと。。。(中国でよく騙されるパターンの典型)
お味のほうは、勿論Good! 野菜のお店ですからね。

次に、魚を中華風に揚げた料理。



ちょっとクセのある味付けでしたが、筆者は嫌いじゃない味でしたね。
西中折衷といったところか・・・と。

もうひとつが、鶏料理。



こちらはクセがなく、西洋風バンバンジーみたいな感じで美味しかったです。
ちなみに、こちらのお店の名物料理は「コーヒーチキン」だったようなので、次回チャレンジしたいと思っているところ。

自家製パンの盛合わせはこんな感じ。



結構、本格派ですよね。 チーズもセットで付いてきます。
文字どおり、ドイツ風のパンで、完食しちゃうほど美味でした。

街中でも「有機野菜」や「有機イチゴ」といった表示を見かけますが、何を信用したらいいのか分からないのが中国の難しいところ。
その点、こうしたお店は店頭で販売するとともに調理をしているので、信用度が上がりますよね。
実際、野菜は食べてみれば分かりますし。。。

単身赴任などで、なかなか野菜を摂るのが難しいという皆さん、たまにはフランス租界まで足を運んで、健康的に野菜をバリバリ貪るっていうのは、いかがでしょうか・・・?

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中国不動産市場の行方は・・・(2013年1月)

2013-01-10 | 中国経済

今回、久しぶりに不動産ネタ。
日本でも「中国の不動産バブル」が話題となっていましたが、最近はあまり見受けないように思う。筆者だけかな・・・?
まあ、ちょっと聞き飽きた感もあるし、最近はかなり強い抑制策を打ち出していますからね。

で、実際のところはどうか・・・と言うと、
2012年後半からジワリジワリと回復傾向を示しているらしい。

中国指数研究院が発表したデータによると、全国100都市の住宅平均価格が1平方mあたり9,715元となり、前月比としては7ヶ月連続の上昇、前年同月比でも9ヶ月ぶりに小幅上昇を記録した。

昨年10月の国慶節に不動産フェアを偵察に行ったときも、結構な賑わいでしたからね。でも、その当時はまだ回復を鮮明に印象付けるほどではなかったんですが・・・、中国はホントに変化が早いです@@@

実際、上海では賃貸物件の値上がりも続いている。
筆者が住んでいるマンションは、地元民ばかりで日本人があまり住んでいないので結構安い物件だが、地下鉄の駅から近いという利点と第二期のマンション郡が発売開始になったこともあって、賃料もドンドン騰がっているとのこと。
だいたい昨年比で10パーセントぐらいアップしているようです。
物件は古くなる一方なのに、賃料は騰がっていくばかりっていうのは、日本では考えられないですよねぇ。。。
日本もこうした市況になれば、不動産を購入しようとする若い世代が増えて、経済が活性化するんでしょうが、将来不安のほうが強すぎて、不動産を購入しようとする若年層は減る一方ですもんね。
住宅って、設備の塊みたいなモンだから、経済波及効果大きいんですよねぇ。
いやはや、何とかしたいもんです。


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こうした社会背景もあって、一時は下火になっていたものの、都市部を中心に住宅の購入を急ごうとする若年層が増えているようだ。
これは、将来の値上がりを期待するという向きもあるが、若年層にとってはもっと切実な問題で、これ以上高騰すると将来住宅購入が不可能になるという想いが強いのだ。
しかし、実態経済に目を向けると、こうした不動産価格の上昇、高止まりとは裏腹に、若年層の所得は同じペースでは上昇していない。
中国全体としては高成長を維持しているように見えるが、生活者の感覚からすると、いまは1、2年前と比較すると明らかに「景気が悪い」という状況のように思える。

先日、旅行業界の方と話をする機会を得たが、春節の旅行商品の販売状況も芳しくなく、前年であればほぼ全ての旅行商品が完売状態だったのに、今年は70パーセントほどの成約率に止まっているという。
勿論、訪日観光で中国の富裕層がブランド品をドカ買いしていた当時が異常だったという見方もできるが、そればかりでもなさそうだ。

話を不動産に戻すと、中国政府は不動産市場に対して断固たる抑制姿勢を示し、過去最大級と言っていいほどの不動産購入抑制策を展開したにもかかわらず、現在ではその効果も消えつつあると言っていい。
中国でよく言われる「上に政策あれば、下に対策あり」というヤツで、中国人民は時の経過とともに政策への免疫力を強めていったのである。

こうした傾向は土地取引の現場で顕著となっており、上海をはじめとする10以上の都市で次々に土地取引額の最高額が更新されるという現象が起きている。
不動産開発、土地がないと何も始まりませんし、よい土地ほど価値が失われる可能性が少ないですからね。コレ、全世界共通の常識かと。。。

もっとも、中国における都市開発には政府、金融機関が強く関与しており、都市化を積極的に推進しようとする主体が地方政府であることを考えると、この傾向は当分収まりそうもない。
地方政府にとって、財政面から言うと地価の高騰は歓迎すべきものなのだから。


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このような状況に対して、中央政府が神経を尖らせているのは言うまでもない。
政府はコトあるごとに「不動産抑制策の堅持」の意思を表明しているし、必要があれば新たな抑制策も検討する可能性があるとも言及している。

しかし、実体経済からみると、こうした姿勢をどこまで貫くことができるのか、甚だ怪しいと言わざるを得ない。
中国最大の貿易相手国である欧州の経済は、相変わらず経済危機に直面したままで、輸出は減少傾向が続いている。
尖閣諸島問題で日中関係も冷え込んだままで、実質的に最大の対中投資国だった日本からの投資は期待できないまま。開発区の担当者たちは「土地の売り先が見つからなくてヒマな状態」が続いている。
その意味では、同問題の影響を受けているのは日本だけではないのだ。

日本も安倍政権に代わり、金融緩和姿勢が鮮明になった。
欧州も現在の金融危機を乗り切るには金融緩和を継続するしかなく、米国も同じような状況が続く。
そうなると、投資先を渇望する大量の資金が市場に出回ることになり、こうした資金の矛先は「値上がりの確率が高い物件」へと向かうことになる。
つまり、日本の不動産ではなく、中国をはじめとするアジア諸国の不動産へと向かうワケです。ミャンマーが投資ブームに沸いているのが良い例ですね。

中国はリーマンショック後、巨額の公共投資で経済を立て直し、その後は金融引き締め策を強力に推進することで、経済のバランスを維持してきた(見かけ上は)。
ただ、少し無理をし過ぎたこともあって、実態との乖離が進み、今までのような政策実行は困難になってきたと言わざるを得ない。

経済成長とともに確実に進むインフレ。
このインフレに強いのは、結局のところ不動産と株式をはじめとする金融商品。
株は水物だけに、不動産の人気が衰えることはなさそうで、中国政府による舵取りは日を追うごとに難しさを増している。
世界経済の行方とあわせ、中国政府の政策動向にこれからも注意が必要だ。


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日本人の想像を超えた世界戦略を描く中国企業の野望

2013-01-06 | 中国ビジネス

本日は日曜日にもかかわらず、珍しく経済ネタで。

昨年9月以降、日中関係が悪化したとは言え、日本企業及び日本産業界にとっては「巨大な中国マーケットをいかに攻略するか」が大きなテーマのひとつ。
このあたりは、自動車産業の動向などを見れば一目瞭然ですね。

では、中国企業はどのような戦略を描いているのか・・・?
日本ではあまり報道されていませんよね。

実際のところ、中国企業にとって自国市場はいわゆるホームグラウンドなのだから、何も特別なことを考える必要はない。
人智社会という特性を生かして、人脈をフル活用した事業展開なども可能。
そして、ある程度の成長を果たした企業がこぞって展開しようとしていること、それこそまさに「国際化」という言葉に集約される海外展開なのだ。

日本でも、こうした中国企業の動きは確実に加速している。
有名なところでは、レノボによるThinkPadブランド買収やハイアールのSANYOブランド買収などが挙げられるが、巷に溢れているWiFiルーターの「HUAWEI」というブランド、皆さんも見たことがあるのではないでしょうか?
これ、れっきとした中国企業です。
そのほかにも「ZTE」という通信機器メーカー(国有企業です)も世界展開を急ピッチで進めている。

このように書くと、「大手の国有企業が政府のバックアップを受けて海外進出を果たしているだけじゃないか」と思う向きも多いかも知れないが、実際はそんなレベルではない。
ここから、いくつか例を挙げていきたい。


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まずは、不動産大手の「緑地集団」から。
同集団は、中国で展開する高級ビジネスホテル「ザ・キューブホテル」をスペインの大手ホテルグループと連携して欧州で展開すると発表した。
本年第一四半期には、海外初となるホテルをドイツ・フランクフルトにて開業する予定という。
この会社、何が凄いかって先日、ホテル管理会社を設立したばかり。
まだ自社に運営ノウハウとか蓄積されてないと思うんですよね。
このあたりは、日本企業と根本的に思考パターンが違います。
中国企業、走りながら考えますので。。。

次に、電池・自動車メーカーのBYD。
同社は、自動車市場での苦戦が伝えられているが、そんな状況も何のその。
2012年12月、ブルガリアのエネルギー会社と現地に合弁会社を設立し、電気バスを生産するという計画を発表したのだ。
これによって、同社は初めて海外工場を設立することになるワケだが、最初の電気バスは今年2月にラインオフするというから、まあこちらのスピード感もハンパではない。
今後、毎月40~60台のペースで生産するそうだ。
現地エネルギー会社と折半出資なので、このくらいの量は捌けるという見込みがあるんでしょうね。。。


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そして、最後は超大手の買収話。
海洋油田開発で中国最大手の中国海洋石油は、カナダの石油大手であるネクセンを買収ということで、カナダ政府の認可を受けたとのこと。
ちなみに、この買収額は151億ドル、ネクセンが抱える43億ドルの債務も引き受けるとのことで、総額194億ドルにも上る巨額の海外企業買収は当然ながら過去最大規模のもの。
いやはや、こちらはスピード感ではなく、スケール感で圧倒されます。。。

もっとも、今回はエネルギー企業の売却という特殊性から、カナダ国内で反対の声が多く上がったのも事実。
買収審査も長引いたようですし。
ただ、背に腹は代えられないほど財務内容が悪化していたんでしょうね。
43億ドルも債務を抱えているということなので。。。

ただ、ネクセンは米国市場に上場しているため、米国での批准も必要とのことで、買収完了は2012年末になる見通し。
これまでの米国系などの巻き返しが見られるのか・・・、ちょっと注目ですね。

以上、ほんの一例だけを紹介してきましたが、中国企業のスピード感、スケール感が伝わったでしょうか?
日本企業にとって、中国市場は大きいというイメージですが、中国企業にとっては自国市場が基準となるため、海外市場=全世界という考え方になるんですよね。
そう考えると、日本社会はもっと同じような感覚をもつ若者を育成していく必要がありますね。
ただ、いまの若者は外に出たがらないと言われていますので・・・、筆者も日本国民の一人として、それを最も心配している次第です。

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