<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

米中貿易戦争の行方は・・・?

2018-08-05 | 中国経済

また間隔が空きましたが、これからは姉妹サイト同様、週2~3回の更新を目指します。
では、早速、久しぶりに経済ネタで。
皆さんも注目されている「米中貿易戦争」の激化について。

ご承知のとおり、7月11日、米国政府は、2000億ドル相当の中国製品を対象に10%の追加関税を課することを発表。さらに今月2日、米国は関税を10%から25%に引き上げる方針を示した。

これに対して、中国も8月3日、米国が検討中の中国に対する制裁措置に対抗し、600億ドル相当の米製品に報復関税を課すと発表した。


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中国側の論調を人民網から推し量ると、「米国が中国との話し合いで築いたコンセンサスを破って、一方的に貿易摩擦を激化させている」、「米国の脅しと圧力では目的を達成できない」といった、いわゆる米国側に責任をなすりつける感じ。

この一連の報道、皆さんはどう感じますか?

筆者が中国駐在時に色々感じたことから類推するに、今回の中国は国際情勢を見据えながら対応しているなぁ・・・と。
元々、米国のトランプ大統領が進める「米国第一主義」に対しては、欧州をはじめ各国から懸念が噴出している。
以前の中国であれば、「目には目を、歯には歯を」という勢いで報復に打って出ていたはずだが、今回は大人の対応に終始。
まあ、まだ実行段階に入る前ということもありますが。。。

つまり、今の段階では、このほうは得策だとの判断なのでしょう。
こうしたやり取りの中でも、中国政府はありとあらゆるシミュレーションを行っていることでしょう。
それは、米国側も同じだと思いますが。。。


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米中両国にとって、経済の実態面では相互補完関係にあるということは、もはや疑いようのないところ。
これは両国首脳とも理解しているはず。

ただ、これだけ米国の貿易赤字が拡大し、その大部分が中国にあるというのは、中間選挙を控えるトランプ大統領にとって大きなアキレス腱になりかねないですからね。
ということは、今の動きは米国の中間選挙までの政治的茶番なのか??ってな見方もあり得ます。
実際、トランプ大統領は方針をコロコロ変えていますからねぇ。
でも、不思議なくらい、米国経済は順調だし、支持率もあんまり変わってない(元々低いですが・・・)。
個人的には「何だかなぁ・・・」って想いですが、そういう時代なんですかねぇ。

で、ここからは筆者の独断的な予想。
中国は今後、関税率にとどまらず、あらゆる政治的な選択肢を検討し、そして駆使してくるでしょう。
それが何かは分かりませんが、中国にとっても譲ることができないテーマなのは明白ですから。
同時に、中国にとっては国際社会でプレゼンスを高める重要なチャンスという見方もできますね。
なにせトランプ大統領は、各国首脳にとって悩みの種といった存在なので。。。

こうした情勢のなか、日本がどう振舞うべきなのか、非常に難しいテーマですね。
保護貿易には反対だけど、米国の機嫌を損ねるのは安全保障上、得策ではない。
日中関係は比較的、安定した状態にあるだけに、無用な衝突は出来るだけ避けたい、北朝鮮情勢もあるし。。。

不確定要素が多いだけに、今後も引き続きウォッチしていきたいと思います。


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中国 北朝鮮への制裁の本気度は・・・

2017-08-16 | 中国経済
ブログ再開後、最初の記事です。
あまり政治的なネタは扱わないようにしていますが、今回はタイトルのネタが旬なので取り上げてみようかと。
ワタシ、親中派でも嫌中派でもありませんので、その点は予めご了承のほど。

すでにご存じの方も多いかと思いますが、報道の内容を以下のとおり、おさらい。

中国 北朝鮮の石炭など全面禁輸 制裁実行をアピール

中国政府は、国連の安全保障理事会で北朝鮮に対する新たな制裁決議が採択されたことを受けて、石炭など対象となる物品の北朝鮮からの輸入を15日から全面的に禁止すると発表し、制裁を着実に実行する姿勢をアピールしている。
国連の安全保障理事会は、北朝鮮がICBM=大陸間弾道ミサイルだとする発射実験を2回行ったことをめぐり、今月5日、北朝鮮の主な収入源になっている石炭などの輸出を一切禁止するとする制裁決議を全会一致で採択した。
北朝鮮への制裁をめぐっては、中国の個人や企業が国連安保理などの制裁をすり抜ける形で北朝鮮を経済的に支え、それに対する中国政府の取締りが不十分だという声がアメリカ政府などから上がっていて、中国政府による制裁の着実な実行を各国が注視している。


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この発表、皆さんはどう感じますか?

正直なところ、「ん、以前も同じような発表があったような・・・」と感じた方も多いのでは。
そう、そこがポイントだと思うんですよね。
いかにもメンツを重んじる中国らしいやり方ではないかと。

たしかに、中国政府は「制裁を実行する」と宣言していますが、これを破った場合の措置には具体的に言及していないようです。
地理的な状況や民族的な背景を考えると分かりますが、果たして北朝鮮からのモノの流れを完全に阻止することが可能でしょうか?
筆者は、そうは思いませんね。
だって、すぐ隣が北朝鮮なんですよ。
しかも、その国境を監視する第三国も存在しないワケです。

最近では、中国と北朝鮮の関係が冷え込んでいるとの報道が頻繁にされていますが、そうは言っても中国が北朝鮮を見捨てることはあり得ないでしょう。そう、安全保障の面から考えれば明らかです。

加えて、中国の少数民族のひとつに朝鮮族があります。
彼らは朝鮮半島と中国大陸の間で逞しく生きてきた民族です。
今回も、こうした事態の裏側で、彼らが重要な役割を果たすものと、筆者は考えています。


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最後に、いまの北朝鮮情勢について、中国は本気で解決しようと思っているのかどうか・・・?
皆さんはどう思われますか?

ここも、あくまで筆者の私見ですが、本気度は低いと思いますね。
米国をはじめとする西側諸国は、中国・ロシアの働きかけに期待感を示していますが、それは野暮なことでしょう。
これは、現在の朝鮮半島情勢が形作られた歴史を考えれば、容易に分かることです。
中国・ロシアにとって、北朝鮮が崩壊するということは、西側諸国との緩衝地帯を失うことを意味するワケなので。
両国とも絶対に現在の枠組みを維持したいと思っているでしょうね。

韓国が朴政権のとき、中国は何とかして韓国を自国寄りに引き寄せようとしましたが、結局は失敗していますからね。

そう考えると、「中国→国連決議に基づく経済制裁の実行をアピール、米国←安易な行動に出ないよう自制を求める」という姿勢が、いかに無難かが分かると思います。

ただ、北朝鮮問題の最も難しいポイントは「誰も軍事行動を起こせない状態になっている」ことだと考えます。
米国は中東などでは空爆を実施したりしてきましたが、この地域で、そのような手法を用いた日には、たちまち戦争状態に陥りかねませんから・・・。かなり難儀しているでしょうね。

とはいえ、もはや中国ですら北朝鮮を止められない状況みたいですからね。
来週から始まる米韓合同演習を睨んで、引き続き目が離せない状況が続きそうです。。。


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2か月ぶりの更新 中国の不動産市場は・・・

2014-04-12 | 中国経済

おひさしぶりです。気が付けば2か月も経ってしまって・・・。
3回シリーズでお送りした「中国は日本人にとって住みにくい国になる?」は読者の皆さんのご支持を頂いていたようなんですが、その後またもや忙しさにかまけてブログ更新が疎かに。
なんで日本で生活していると、こんなに時間に追われるんでしょうね。。。
いつもながらですが、今後は頑張っていきたいと決意を新たに。

さて、今回は久しぶりに「中国の不動産市場」について。
といっても、正確には「上海の不動産」が中心なんですけどね。

これまでバブル懸念が再三指摘されてきたにもかかわらず、全般的な不動産価格は一時的な落ち込みを除くと、ほぼ一直線に上昇してきたと言っていい。
上海、北京、広州といった一級都市は、ヒト、カネ、モノが一斉に集まってくるため、都心部から放射線状に需要が衰えることはないんですよね。
まして、土地が国家のもので自由に仕入れることができない中国にあっては、不動産は文字どおり「インフレに強い金の成る木」。


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大都市の不動産価格は既に手が付けられないほど上昇しており、日本のバブル景気当時さながらの状況にある。普通に大学を卒業して職に就いたニューファミリー層にとって、通勤1時間圏内のマイホームを手に入れることは、もはや高嶺の花。しかも、その状況は年々厳しくなってきていると言わざるを得ない。

もっとも、それでも2011年ごろまでは肌感覚の景気もよく、給与も順調に上がっていたので、そこまで不満が噴出することはなかった。2012年以降、給与の上昇より物価の上昇のほうが顕著になってきたにもかかわらず、住宅価格が上昇は収まるところを知らず、人民の不満は鬱積していく一方である。

そんな中、上海の不動産市場にも大きな変化が見受けられる。
3月の新築住宅の成約面積が前年同期比で4割も減少したのだ。このトレンドが今後も続くかどうかは定かではないが、最近指摘されている理財商品のデフォルト懸念なども背景にあると言えよう。

成約面積が減少する一方、1平方メートルあたりの成約価格は約12.5%上昇し、前月比もわずかながら上昇するなど、価格面での過熱感は収まっていないようだ。
この主因は高級住宅の成約件数が急増していることにあるようで、1平方メートルあたり5万元(約80万円)の住宅の成約戸数は前年比5倍を記録しているというから、完全にトレンドと逆行している。

こうした現象を総括すると、不動産市場全体は冷え切っているが、一部の富裕層だけが更なる売却益の獲得を目指して、値崩れの確率が比較的低いと思われる高級住宅を買い漁っているのでは・・・とも思える。

現に、第1四半期の新築住宅の成約面積は3割減となっている。
中国経済において大きなウェートを占めてきた不動産市場がここまで変調をきたしているのに、マクロ経済の数値は比較的堅調なまま。そんなことってあるのかいな・・・と感じずにいられないのは私だけだろうか。。。


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ちなみに、中国政府はあれだけ「不動産市場の適正化を目指す」と言っておきながら、早くも政策の軌道修正を図ろうとしている。
シャドーバンキング問題が最も深刻な浙江省温州市では、不動産価格の下落も深刻なため、地方政府はこれまで強化してきた不動産融資規制の緩和を模索し始めている。

中央政府においても、景気下支えのため「預金準備率の引き下げ」観測が浮上している。
こうした動きは近い将来の金利引き下げに繋がる可能性が高く、そうなると現政権発足以来続けてきた抑制的な経済運営は大きな転換点を迎えることになるだろう。

でも、こんなこと続けていて、ホントに持続可能なんですかねぇ。。。
筆者自身、日本に戻って1年が経過したこともあって、自分も随分保守的、嫌中的な見方をするようになってきたのかも・・・と思ったりしたが、それを割り引いても現在の中国経済はとても危ういと思わざるを得ない。

加えて、世界各国はリーマンショック以降、財政健全化を無視した経済運営を続けたことで、表面的には株高傾向が続いているが、これもどう見ても持続可能とは言い難いように思われる。日本なんて1千兆円を超える債務を抱えているんですよ、一体誰が返すんでしょうか・・・。消費税を3%上げたくらいで解決できる問題じゃないんです。

中国も問題だらけだけど、日本も同じくらい、いやそれ以上に問題だらけ。
アベノミクスによる株高もそろそろ終焉を迎えそうで、日本経済及び日本政局は正念場を迎えそうだ。マジで何とかしないと。。。


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2月3日のNYダウ、4日の日経平均の大幅安を受けて

2014-02-05 | 中国経済

本日、NYダウと日経平均が大幅安となったので、今日はシリーズ編をお休みして世界経済の先行きをテーマに。
またしても、完全な思いつきではありますが。

昨日、「為替」をテーマに記事を書いたら、いきなり「円高・株安」の方向に向かっていますね。まあ、金融市場は難しいもんです。
ただ、言い訳をするワケではないが、こうした展開はある程度想定していた。
だって、NYダウにしても史上最高値を続々と更新、日経平均も民主党政権時と比べると倍近くまで急騰していますからね。そろそろ下げが始まってもおかしくない状況にあったワケです。

それ以上に、あまり注目されていないが、欧州の主要株価指数は普通じゃないペースで上昇を続けていた。ドイツ、フランスなんかがまさしく典型ですね。
両国の株価指数は少しばかり早めに下落傾向を見せていましたから、振り返るとこれも一つの兆候だったと言えます。欧州の株価指数が下がっているのは、ここまでハイペースで上がってきたのと同時に、欧州経済の先行き不透明感が漂ってきたことも背景にありそうだ。
とりわけ、トルコリラの急落などはその象徴。トルコ政府は大幅な利上げを実施して沈静化を図ろうとしているが、経済成長が鈍化するのでは・・・との懸念を完全に払拭するには至っていない。
もっとも、ギリシャ危機、欧州経済危機と言われた政府債務問題は本質的に解消されていない。仮に世界経済が低迷するような事態になれば、こうした問題が再燃しかねないワケで、今後しばらくは神経質な展開が続くことが予想される。


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トルコ以外の新興国においても、通貨安・株安という状況に陥っている国が少なくないが、これは米国の金融緩和縮小政策の開始がきっかけとなった可能性が指摘されている。米国は量的緩和の縮小を緩やかに慎重に進めていくことになるだろうが、今のところ他国の通貨のことまで考えるような姿勢は見せていない。
米国ほどの経済大国といえども、第一に考えるのは自国の経済のことなのだ。
米国にしてみれば、リーマンショックから立ち直るため、かなり大胆に量的緩和策を行ってきたワケで、経済が上向いてきたこの機会に元の水準に戻しておかないと、いつまで経っても正常な金融政策(金利の上げ下げ等)を実施できないドコかの国(日本のことです・・・)のようになるワケにはいかないのだ。

そこで、いよいよ日本と中国の状況に目を転じてみたい。

日本はこの一年、アベノミクスで盛り上がってきましたよね。
以前も記事に書いたとおり、この経済政策自体は時機を得たものだったと言えます。まあ厳密に言うと、民主党政権時代に金融政策は無策に近い状態だったので、日本経済という観点からは遅きに失した感もあり、その反動高の要素も多分にあると思うのですが。。。
このアベノミクスのうち、第一、第二の矢である大胆な金融緩和、財政政策が一定の効果を発揮したことになるが、問題は第三の矢である「成長戦略」。
これについては、いささか小粒と言わざるを得ない。
既に市場の関心は、この成長戦略の成否にシフトしているのだが、成長戦略という耳障りのよい言葉だけが独り歩きし、「肝心の中身は一体何なの?」という状況がずっと続いているように思えてならない。
実際、新聞報道で挙がっている特区の概要を見ても、日本経済の浮揚に大きなインパクトを与えるようなものではなさそうだ。

こうなってくると、日本経済の先行きはすこぶる怪しい。
金融緩和に関しては、日銀が国債などの資産買入れを増やせば増やすほど中央銀行としての独立性を失っていくことに繋がるし、景気対策を目的とした財政出動は歯止めがかからない財政赤字を雪だるま式に増やしていくばかりで、とても持続可能な対策とは言い難い。
まして、日本は少子高齢化が急速に進んでいる。今年4月には遂に消費税が8%に増税されるが、筆者は巷で言われている以上に駆け込み需要、増税後の買い控えが起こると予想している。日本人の消費行動は緻密ですからね、短期的にだけど。個人消費のカギを握るのは、何と言っても家庭の奥様方。
後世に巨大な借金というツケを回さずに済むよう、そろそろ現実的な対策を真剣に検討すべきだろう。

そんなこんなで結果的には、日本円は外的要因に大きく左右されると考えたほうがよさそうだ。
今回の円高・株安も世界的な金融市場の動揺による影響が極めて大きく、この数週間で円高or円安のどちらに振れるかも金融市場の沈静化が図られるかにかかっているだろう。


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次に、中国経済について考察を進めたい。
日本に住んでいると、中国経済の実質的な状況というのを肌感覚で感じることが難しいが、いまも中国で生活している方々の話を総合すると、「中国国内の景気は統計指標が示すほど良くない」というのが共通認識のようだ。
まあ、中国では統計数値もコントロールされているという根強い噂がありますからね。もしコレが事実だとしたら、過去何年にも亘って操作が行われている可能性が高いワケで、ホントの数字は中国政府しか知らないってことになるかも。。。
もっとも、うまく凸凹を修正しながら全体としては調和がとれるように調整してるんでしょうけど。

余談はさておき、いまの中国は様々な問題を抱えつつも、巨大な国土と労働力、成長する消費力を背景に突進を続けているといった印象か・・・と。まあ、例えがいいかは分かりませんが、相撲の力士のようなイメージですね。
悪く言うと、相撲取りと同様、足下が弱く、持久力に不安がある。汚職などの故障も抱えているといったイメージか。
不動産バブルや環境問題、役人の腐敗や貧富の差の拡大など、ある意味では国全体が「難題のデパート」とも言えなくもない。
でも、この国は当分の間、成長率こそ緩やかに鈍化するものの、成長を維持するだろう。なぜって、そういう国だからだ(答えになってない?)。中国はご承知のとおり共産党一党独裁の国。よって、計画を達成できないというのは、それ自体が「悪」であり、許されないことなのだ。だから、役人が総力戦でもって、血眼で計画達成を目指して突っ走る。元々は役人だった国有企業の幹部も同様。こと中国国内にあっては、WTOルールや世界経済の一般常識など通用しないことはザラにある。その他、諸々・・・だから、よほどの理由がない限り、経済成長を成し遂げていくだろう。

もっとも、そんな中国であっても勿論、どうしようもない事態が発生する可能性は否定できない。不動産バブルの崩壊、経済格差に対する民衆の不満の爆発、大規模災害など・・・。ただ、国土が想像を絶するほど広いですからねぇ。国全体のムーブメントを起こすというのは至難の業に違いない。

中国は折しも春節(旧正月)の真っ只中。
香港の株式市場は一足早く休場明けとなったが、米国をはじめとする各国の株式市場と同様、大幅安の展開となった。
中国本土市場が再開するのが2月7日。
この日まで各国の市場が弱含みで推移するとなると、最悪のケースでは中国本土市場が1週間分の下落を1日で消化(つまり大暴落)、その結果が更に他国の下落を招くという負の連鎖が始まる可能性もゼロではない。
米国の経済指標改善が呼び水となって、一両日中に市場が落ち着きを取り戻すことを今はただ祈るばかりだ。


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高騰し続ける中国の不動産市場、その行く末は・・・

2013-11-27 | 中国経済

これまた久しぶりとなる連日の更新。
ちょっと頑張ってみようか・・・と。

本日のテーマは「中国の不動産市場」。
日本では「いつバブルが弾けるのか?」と散々言われ続けていますが、弾けるどころか、どんどん膨張している感じですね。恐ろしいもんです。

国家統計局がこのほど発表した全国主要70 都市の10 月の不動産価格は、前年同期比で浙江省温州市を除く69 都市で上昇。このうち上昇幅が10%を超えた都市は21 都市にも上ったというから、まあ日本では考えられないですね。。。

人間、裕福になってくると、消費に充てる金額自体が上がっていくこともあって、インフレに強い不動産に資金が集まっていくのは自然の摂理。
つまり、中国の不動産価格が落ち着くのは、経済成長がもう少し鈍化しない限り望めないということかも知れない。
もっとも、日本のバブル同様、適当なところで落ち着くという結論を迎えられるほど甘くない結論が待っていそうな気配が・・・。

そんな不動産祭りが続く中国ではあるものの、全国一律の状況とはいかないようだ。最近発表された住宅指標を見ても、1級都市や2級都市は住宅在庫を減少させているが、3級都市では逆に二桁増という状況に陥っているのは実に興味深い。
簡単に言うと、既に地方都市では不動産がだぶついてきているのだ。

こうした状況に呼応するように、不動産価格にも都市間格差が表れてきている。
10月の新築住宅価格の上昇率を比較すると、大都市ほど高く、地方都市ほど低くなっていることが分かる。
3級都市に至っては、既に実勢価格が下落に転じているところもあり、それでも買い手が付かないという事態も発生しているようだ。


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これまで中国の不動産市場を語る場合、国全体を見て「バブルかどうか?」を論じることが多かったが、今後はこうした観点を改める必要があるだろう。
一部報道によると、全国で買い手のついていない在庫住宅が現時点で6,800 万戸あり、特に3~4級都市と呼ばれる地方都市の多くで供給過剰が深刻化しているとのこと。とりわけ、こうした余剰物件は中西部の中小都市に集中しているようなので、やはり所得水準の高低が需給バランスに影響していることは間違い無さそうだ。

ご承知のとおり、中国は広大な土地を有しているうえ、貧富の差も激しい。
最近の大都市部での不動産高騰を支えているのは、一部富裕層の旺盛な買い需要と言われており、まさに「金は持っている人のほうに流れていく」の典型的な姿と言えるだろう。

こうした需給バランスが崩れた状態であるにもかかわらず、なおも各地で不動産開発が進むのは何故なのか・・・?
ここには中国特有の事情が関係してくると筆者は見ている。

その代表的な背景と思われるのが、次の2点。
ひとつ目は、お決まりの不動産開発の手法によるもの。
中国の場合、土地は全て公有地であり、不動産開発に当たっては通常、70年という単位の土地使用権を購入することになる。
つまり、政府がOKを出さない限り、開発に着手できないワケで、ここに需給とは無関係の「役人の出世」という要素が顔を覗かせてくる。
とりあえず、目の前にキレイな街が出来上がって、すぐに文句を言う市民はあまりいませんからね。。。
こうした権限をもった高級官僚には、都市開発で設けようとする連中がドンドン集まってくるワケです、ハイ。


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次に、上記にも関連してくるが、多くの場合、こうした都市開発で元請けのような役割を果たすのが、日本におけるゼネコンにあたる大手国有企業、もしくは地方政府系企業。
つまり、ここでも政府の意向が強力に働いているということに。
しかも、現政権になって、汚職・賄賂の類に対する締め付けがかなり厳しくなってきたので、合理的に甘い汁を吸おうと考えた場合、不動産開発というステージが最も適しているということは容易に推測できる。
もっとも、あくまで推測に過ぎないが。。。

で、結論として、中国の不動産バブルは起こるのか?
筆者の見立てでは、当面はないと見ていいだろう。
理由は単純明快。
ここまで述べてきたとおり、乱発している不動産開発の根源は政府にあるんだから、結局は政府の責任で問題解決に当たらざるを得ないのである。
加えて、政府は不動産融資を厳しく規制する方針を打ち出すなど、表向きは抑制の市政を見せているが、内需拡大が思うように進まない国内経済の状況を考えると、不動産市況の低迷は何としても避けたいところ。
故に、金を借りることなく次々に資金を不動産に投入できる層を対象とした規制が強化されていないのである。
つまるところ、現政権もこれまで同様、本気で不動産市場を落ち着かせようという想いはないのだろう。この「落ち着かせる」という意味は、即「市場を下落させる」ということに繋がるのだから。。。

しかし、最も怖いのは、世界経済の動向。
もうこれだけは、中国政府のコントロール下にないワケで。。。
ある意味、外界から隔絶された感のある中国不動産市場だが、資金自体は世界的な金融緩和でジャブジャブ供給されている投機マネーが多数含まれる。
米国でもくすぶっている金融緩和の縮小が「中国不動産バブルの終わりの始まり」になる可能性は十分あると思われる。


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