<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

日本と中国を改めて比較

2013-08-22 | 日記

日本に戻ってきて、早いもので5か月近く。
時々戻ってきていたので、あまり大きな変化はないとは言え、やはりホームグラウンドが変わったというのは大きい。いや、それ以上に生活のリズムの変化、とりわけ日本社会特有の仕事の進め方に否応なく組み込まれるのはストレスフルなこと。
まあ、元来その環境で暮らしていたワケだから、一種の割り切りさえあればどうってことないんですが。。。

で、今回は改めて、日本と中国での生活の違いを比較してみようか・・・と思い立ったわけです、はい。

上海での駐在生活、今となっては戻って来ませんが、振り返ってみると恵まれた環境だったなぁ・・・と。
いわゆる「離れ小島」状態なので、直接的に指示を受ける上司なんて居ませんからね。しかも、上海で仕事していると、色んな人と出会い、前向きに議論し、時にスピード感をもって新しい仕事に取り組むってことが多かったですからね。
悪く言うワケではありませんが、何かと後ろ向きな上司が多く、縦割り社会の弊害を抱える日本では経験できなかったこと、多々あったように思いますね。

ただ、ここは表裏一体という面もあり、ウラから見ると「本国側の理解をなかなか得られない」、「千キロ以上離れたところで陰口を叩かれる」といった憂き目に遭うこともしばしば。
こちらがいくら純粋な気持ちで取り組んでいると言ったところで、所詮は「多勢に無勢」。思ったほどの協力が得られず、仕事がとん挫したなんていう経験、駐在員経験者には少なからずあるのでは。。。

こうしたメリット・デメリットが交錯する両国での仕事ではあるが、筆者は帰国した今なお「中国経済」というキーワードは今後、重要度を増していくものと確信している。この点は、語り出すと長くなるので、追って詳しく言及することに。


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翻って、日本での仕事について。
3年半も上記のような「組織に属さない状況」を経験すると、拒否反応を通り越して拒絶反応を起こしてしまう帰国者も少なくないようだが、筆者の場合、幸か不幸か、そういった状況に陥ることはなかった。
いや、正確に言えば、新しく配属されたところが意外過ぎて、そんな環境になかったというのが正直なところ。
まあ、今となっては、だいぶ慣れましたけど。。。

ただ、日本に戻って、かなり心境に変化が現れてきたのも事実。
帰国前、筆者もご多分に漏れず、日本社会への復帰に漠然とした不安感、拒否心理を抱えていたが、日本で仕事を遂行するにつれ、「やっぱり日本人だから、日本を核に物事を考えないとダメだ」という想いが強くなってきた。
考えてみれば、当たり前のことなんですけどね。
でも、上海で生活していると、こうした根本的なことが抜け落ちてくるんですよ、不思議なことに。
これはひとえに上海という大都市がもつ「魔力」のようなものでしょうね。
日本人社会も大きいですし、それ以上に巨大な中国市場が目の前に拡がっているワケですから。

もっとも、こうした感覚は一種の幻影である場合が少なくないことも事実。
安易に「中国よりも日本のほうが上だから、ビジネスで失敗することはないはず」と考えて中国市場に乗り込むと苦労すること間違いなしだからだ。
そして、失敗に占める自己責任の割合が多い場合に限って、「中国はロクでもない社会」と吹聴して回る日本人が少なくないという現実も、筆者は目の当たりにしてきた。
あまり知られてないことだが、日本人が海外でビジネスを興す場合、騙される相手は圧倒的に日本人が多いらしい。皮肉なことではありますが。。。

こうした点を考慮すると、やっぱりまずは日本社会でピンを目指すことが成功の近道ではないか・・・と思ったりするワケです。


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せっかくなので、最後に生活面での比較をしてみたい。
まず、食べ物に関しては、文句なく「日本」の圧勝。
何と言っても「安全・安心」のレベルが違います!
価格を比較すると、確かに中国のほうが安いものも多いのだが、「信用に足りる食材」となると、結局のところ価格帯は日本と同等、もしくは日本よりも高額になってしまうことが多い。
中国の食材は、本当にピンキリですから。。。

加えて、日本料理にとって、調味料は味を決定づける重要な要素。
せっかく一生懸命料理しても、調味料が粗末なものだと、味が台無しになってしまいますもんね。
で、日本の醤油や味噌を現地で調達しようとすると、選択肢は少ないし、値段は2~3倍するし・・・という憂き目に遭ってしまう。

その点、日本での買い物は「世界一、便利」と言ってもいいくらい充実していると筆者は思う。
どこの国を見渡しても、これほど身近にたくさんのスーパーが立地していて、しかも毎日のように特売をやっている国なんて、筆者は行ったことありませんから。
しかも、売られているモノが新鮮じゃないと、消費者は離れていってしまうほど競争が激しい。
消費者さえ賢ければ、「安くて良いモノ」が手に入れられる環境が用意されているのだ。

加えて、最近ではネットショッピングが便利さを増している。
ボトル飲料のまとめ買いなど、重くてかさばるもの等は、特にネット買いが便利だが、最近では価格面でのメリットも強くなってきている。
しかも、配送の遅れはよほどのことがない限り、発生しない。
中国では、配送などのサービス面での向上は、もう少し先になりそうですからね。
こうした金にならない部分は投資が進まないのです。。。

日本だけで生活していると、ついつい小さなミスにばかり目が向きがちになるが、海外に居ると、些細なことを気にしていては神経がいくらあっても足りないという状況に陥ることになる。
どちらがグローバルスタンダードなのか、改めて考えておく必要がありますね。
もっとも、こうした面が日本の優位点でもあるワケなので、日本の成長戦略を考える上でも、まずは新興市場の現状や特色をあらゆる角度から分析し、的確な戦略のもと、市場奪取の策を展開していくという姿勢が日本企業に求められているように思えてならない。


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8月15日、閣僚の靖国参拝後を勝手に予想(久々の更新)

2013-08-15 | 中国社会学

またもやブログ更新が滞ってしまいました。。。お待たせして申し訳ないです。
日本での生活、何やかんやとホントにあっと言う間に時間が過ぎていきます。
個人的には、中国語も中国関係の知識も、どんどん劣化しているような。。。
いかん、いかん、弱気にならず、いつも通りの独断と偏見で中国論を展開せねば!

ということで、今回は巷を賑わせている「シャドーバンキング」関係の話題。
にするつもりでしたが、モタモタしてるうちに終戦記念日を迎えてしまったので、経済ネタは次回に後回し。
今回は「閣僚の靖国参拝後の展開」を勝手に予想してしまおうか・・・と。

まず、今回の靖国神社参拝、予想に反して閣僚3人の参拝とおとなしめの内容に落ち着くことに。
例年見受けられる超党派の国会議員の皆さんによる参拝は102人だったようですね。
あまり目立った報道がされていないのは、何かの圧力でもあるのでしょうかねぇ。数としては、それなりに多い数字だと思うんですが。。。

首相については、「自民党総裁」名での玉串料奉納ということに。
「内閣総理大臣」名での奉納を見送ったところに周辺国(まあ中国と韓国のことですが)への配慮が窺えます。

ただ、報道でも取り上げられているとおり、首相が加害責任に触れなかったのは「ひとつの意思」の表れ、穿った見方をすれば「せめてもの抵抗」ではなかったか・・・と。


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で、中国側の反応は・・・?と言えば、現在のところ目立った過激な反発は見受けられませんね。
人民日報や新華社のウェブサイトをみると、いつもどおりの日本批判を展開しているものの、今回の靖国参拝については、中国報道官による「日本が言動を慎み、実際の行動で被害国の人民と国際社会からの信頼を得るよう促す」との談話を掲載しているだけで、中国国内での抗議活動なども報道されていない。
環球時報あたりになると、いつも左寄りの記事を書くので、結構過激な論調なのかも知れませんが・・・。

しかし、人民日報の見出しが「安倍内閣総務大臣が参拝」となっていたのには、そこそこ笑えました。一瞬、総理大臣が参拝したのかって思っちゃいますもんね。

この点、韓国側の反応のほうが激しいかも知れませんね。国会議員が靖国神社前で抗議行動をしたりしていますので。

日中間では「首相、官房長官、外務大臣は参拝しない」という紳士協定があるとされており、その意味では今回はその原則に従っており、文句をつけられる筋合いはないということになる。

そう考えると、事前に中国外交部から発せられた「いかなる国会議員の参拝も容認できない」といった趣旨の発言は、日本側を強くけん制する意味合いが強かったということになる。
まあ、こうした発言はいつものことなんですけどね。。。

翻って、中国報道官の発言内容を仔細に見てみることに。
「日本が言動を慎み、実際の行動で被害国の人民と国際社会からの信頼を得るよう促す」
うーん、なかなかよく考えた表現です。
まず、前半の「日本が言動を慎み」という部分には、首相ほかの参拝を強くけん制する意味があるのは明らか。
拡大解釈すると、「責任ある立場にある人物全て」ということになりますが、これは良くも悪くもバッファーみたいなものか・・・と。
そして、後半はさらに注意が必要。
「実際の行動で被害国の人民と国際社会からの信頼を得るよう促す」というのは、一見すると上から目線で高飛車な感じ。
ただ、見方を変えると、こうした行動をとるよう、中国側からも働きかけを行う、つまり対話をする用意があるとも受け止められる。


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ご承知のとおり、中国は共産党一党支配の国。
日本とは比べものにならないくらい官僚主義的国家。
したがって、公式文書や公式の場での発言というのは、大変意味が重いのです。

つまり、ここで激しく非難しなかったということは、外交的には懸念材料となっていた同日を問題なく通過したということを意味する。
このあたりは、比較的外交に長けた自民党政権の本領発揮というところでしょうか。

今後を勝手に予測すると、10月初旬に日中首脳会談、もしくは首脳同士の対話が実現できるかどうかが一つの試金石。
時期的には、中国側は国慶節の長期休暇に入っているので、国民の注目をいつもほど集めなくて済むという面もある。
日中双方とも、「尖閣問題」の取扱いは国民感情も絡んで難しい舵取りを迫られるものの、経済成長という面では相互に不安材料を抱えており、そろそろ手打ちをしていいのでは・・・という雰囲気は醸成されつつあるように感じる。

今後、何が起こるかは流動的ではあるが、少なくとも両国政府の対応をみる限り、関係改善に向けた環境を整備しようという動きは強まっているようだ。

ただ、この10月初旬に実現できないと、10月中旬に「秋の例大祭」が控えていますからね。
つまるところ、政治の行方は誰にも分からないということでしょう。。。


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