<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

米中首脳会談を控えて、日本の立場を再考する

2013-06-08 | 中国経済

2013年6月8日(日本時間)、米国で米中首脳会談が開催される。
2012年は米国で大統領選があり、中国でも政権交代が行われたこともあって、今回の両首脳の会談はひと際注目を集めるものとなっている。
既に世界第二の経済大国となった中国の勢いは、多少鈍ってはいるものの、他国と比べるとまだまだ底堅いものがあり、このまま推移すれば2015年にも購買力平価で世界一位になるとの予測も出ている。
大げさに言うと、「旧大国と新大国の対話」とも言えるだろう。

実際のところ、両大国の利害は様々なシーンでことごとく対立してきたと言っていい。最近、中国が海洋覇権を強めようとしている問題、中国のサイバー攻撃、北朝鮮問題、貿易摩擦等々、枚挙に暇がないところ。


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とりわけ、日本としては「尖閣問題」の解決に向けた動きを期待したいところだが、残念ながら望みは薄そうだ。
米国は、「尖閣諸島は日米安保の対象となる」との立場を明らかにする一方で、「領土問題は対象国間で解決すべき問題」との姿勢も示しており、現在のいわゆる「7にらみ合い」の状況を積極的に打開するとは考えにくいからだ。

中国にとっても、「尖閣問題は日本との問題に過ぎない」との立場を明確にすれば、よほど強硬な手段に訴えない限り、米国側からの反発を受けることはないと思われる。これは、ここまで中国による領海侵犯が続いていることを考えれば、容易に想像できるところだ。
よって、米国は中国による海洋覇権の拡大に懸念を表明することはあっても、一段と踏み込んだ発言をすることはないと筆者は考えている。


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日本人はあまり意識していないが、そもそも「米国が日本を世界第二の経済大国として積極的に評価していたのか」については大いに疑問が残る。
なぜなら、米国は経済的に厳しい局面を迎えるたびに、日本に市場開放や通商摩擦問題の解消といった政治的な動きを強めてきた歴史があり、第二次大戦後の日本の経済成長を支えたのは米国なのだから、米国の言いなりになるのは当然のことといった姿勢が垣間見えるからである。

中国からみれば、日本は地理的に考えても大国たり得ない。
大中華思想を掲げる同国の指導者からすれば、今まで日本が中国を上回っていたこと自体が例外的なことで、もっと差がついていくことが当たり前と考えているように見えるのは、筆者だけではないだろう。

筆者も日本に戻って2か月余り。
この間、目にする報道は内向きなものばかりで、世界情勢に基づく客観的な内容のものは極めて少ない。とても残念なことであり、同時に国益に反していると思わざるを得ない。

中国という国が、溢れかえるほどの資金を背景に、世界各地に進出を図っているのは周知の事実であるにもかかわらず、日本は相変わらず国内の事情にばかり目を向け、海外のことは半ば他人事のように感じている向きが強い。

今回、両国首脳は2日間で6~7時間もの時間を共有すると言われている。
同盟国でもない両国が、このように密接に付き合うことは極めて異例のこと。
日本の地盤沈下が進むと言われる中、両大国の接近によって自国の利益が阻害されることのないよう、日本国政府にはしっかりとした対応をお願いしたいところだ。


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