CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

便利堂創業130周年記念「至宝をうつす」見学記 in 京都文化博物館 on 2018-1-24

2018年01月26日 04時20分07秒 | 京都情報
2018年1月24日、数年に1回という寒気の中、表題のイベントを観覧するために
京都文化博物館に出かけていました。

最大の目的はコロタイプで製作された初公開の高松塚古墳壁画(原寸大に加工)を
観ることでした。展示は京都文化博物館本館4階の展示室。
高松塚古墳の壁画の展示を中心に憶えのためにメモしておきます。


上の写真は高松塚古墳壁画の西壁です。
出典:写真撮影禁止だったので展示ガイドのリーフレットよりコピー。
西壁には飛鳥美人として超有名になった女子群像(写真の右手)、真ん中に白虎
左手に男子群像、さらに白虎の上方に月像が配置されています。

その他に北壁、東壁、天井星座(部分)が原寸大に加工されて展示。

5×7インチのカラーフイルムをスキャンし、そのデータをつなぎ合わせて
原寸大まで拡大し、さらに部分撮影されていた壁画写真をレイヤーリングして
製作されたそうです。(作業は2017年)

高松塚古墳壁画発見・撮影45周年を記念してコロタイプ印刷を世界で唯一
継続させている便利堂が創業130周年ということもあり企画されました。



高松塚古墳壁画の全体のイメージとしては上の写真(私の銅版画作品)のような配置

但し西壁(左側)の白虎や東壁の青龍の配置は下方ではなく現物では女子像と男子像に
配置されています。


上の写真は西壁の女子群像を中心とした今回の展示の説明書き
出典:開催案内リーフレットの裏面

女子群像はこんなイメージです。


開催案内のリーフレットは下に添付しました。


展示では昭和47年(1972)3月22日と24日に現地で撮影された時の石室模型
さらに壁画及び撮影機材一式を模型で再現されていました。
この展示はリアルで非常に判り易かった。

また、関連資料の展示で昭和47年(1972)3月21日の夜9時頃、関西大学の
故網干善教先生(関西大学名誉教授)から便利堂の写真部に連絡が入ったこと
3月22日と24日に大八木威男(当時38歳)と上洞猛雄(当時28歳)が撮影をしたこと。
3月23日にポジを現像したことなど当時のノートメモと共に展示。

さらに大八木威男氏の当時の回想の言葉が記載されていました。
吉川弘文館の「歴史の花かご」に写真家の大八木威男が、「高松塚古墳撮影の思い出」
という文を書いておられるようです。

朝日新聞の昭和47年(1972)3月29日号の別刷りで飛鳥美人像が紹介されたことを
説明記載し、且つ朝日新聞の現物も展示されていました。

発掘当時に関西大学考古学教室の学生であった森岡秀人氏は当時を回顧して
下記サイトでその様子を語っておられます。(毎日新聞 2017-10-24)
 https://mainichi.jp/articles/20171024/ddn/013/040/036000c
森岡秀人氏の直接の指導教官であった故網干 善教先生(あぼし よしのり、1927年9月29日 -
2006年7月29日)と共に高松塚古墳発掘の総指揮をとられた故末永雅雄先生
(橿原考古学研究所の初代所長。関西大学名誉教授)の卓越した指導も大きかった。


また、関西大学博物館の下記サイトに発掘時の様子が記載されています。
 http://www.kansai-u.ac.jp/Museum/kohun/

便利堂の代表的な仕事の一つに法隆寺金堂の壁画があります。
6号壁画の部分を題材にした銅版画の作品を2015年度後期に製作していますので
写真紹介します。勢至観音菩薩(下記写真及びサイト)



 兵庫県立美術館でのエッチング(銅版画)教室 2015年度後期 第3作

関連するサイトとして岩波書店のサイトにリンクさせていただきました。
 https://www.iwanami.co.jp/news/n22906.html

今回の特別展の内容詳細を書かれたサイト
  http://takumisuzuki123.blog.fc2.com/blog-entry-113.html?sp


高松塚古墳&キトラ古墳に関する小生のブログ

 2017年5月12日(金)放送の歴史秘話ヒストリア「飛鳥美人 謎の暗号を解け~高松塚壁画のヒミツ~」を視聴して

 奈良散策記 その13 高松塚古墳(最終回)

 奈良散策記 その5 キトラ古墳 on 2011-5-16

  NHKBSプレミアム 飛鳥の大宇宙 ~キトラに眠るのは誰だ~を視聴して

 7月16日放送のNHK BSプレミアム 「キトラ 最古の天文図のミステリー」を視聴して
 
 キトラ古墳壁画体験館 四神の館 on 2016-10-6

 法楽山 専称寺と網干 善教先生

 
文化庁の高松塚古墳&キトラ古墳に関するサイト

 高松塚古墳・キトラ古墳

外部リンク

 高松塚壁画館

 Wikipedia

 神戸新聞(2017-5-13 夕刊)奈良・高松塚の国宝壁画を公開 飛鳥美人鮮やかに

 神戸新聞(2017-6-13朝刊)高松塚壁画カビ除去し青竜鮮明に 文化庁が写真公開

 明日香村-高松塚古墳情報

 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

 飛鳥資料館(国立奈良文化財研究所)

 便利堂コロタイプギャラリーでの展示詳細


この記事を終わるに当たって京都文化博物館の建物と基本情報を記載します。




上の2枚の写真は京都文化博物館の別館建物と重要文化財の銘板

この建物は辰野金吾(1854-1919)とその子弟である長野宇平治(1867-1937)が設計し、
明治39年(1906)に竣工した日本銀行京都支店の建物であったものです。
昭和44年(1969)に国の重要文化財に指定、昭和61年(1986)4月京都府に寄贈
され、昭和63年(1988)10月京都文化博物館別館として公開平。
平成17年(2005)リニューアル工事が実施され現在に到っています。

京都文化博物館の基本情報

住所:京都市中京区東片町623−1 TEL:075-222-0888
開館時間: 総合展示は10:00~19:30
      特別展示は10:00~18:00
定休日:月曜日 他に12/28~1/3
入場料:一般500円、大学生400円、高校生以下は無料、特別展は別途料金


公式サイト:http://www.bunpaku.or.jp/

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする