渓流で逢いましょう 
フライフィッシングつれづれ日記
 



僕はようやくふもとに降りてきた
途中から林道に上がれたのだがそれでも何時間も歩いた

実家では遭難騒ぎになっていて消防や警察まで出動する始末
両親にはしこたま怒られたが正直うれしかった
極度の疲労のために一日入院
でも次の日にはすっかり元気になっていた

街に帰ったら友達にも謝ろう
僕は勘違いをしていたようだ
竿のことを話しても誰も信じてはくれないだろうけど、
でも高飛車になっていたことは素直に謝ろう



でもその前に、あの骨董店に向かった

店主はにこやかに迎えてくれたが、事の由を話すと

『そうですか、やはりあの竿はお譲りするべきではアリマセンでしたね
 絶対に釣れるということは
 裏を返せば釣れるまで絶対に釣りを止めないということでもあるのです
 川以外で竿を振るのは止めてくださいと言いましたが、魚のいないところでは、、 と言うべきでしたね・・』

不思議と苦情を言うつもりにもなれなかった
それよりも竿の魔力に翻弄された自分恥ずかしかった

結局竿はお店に引き取ってもらうことにした  
買い取ってくれるというのだが、買った値段よりもずいぶんと安い買値だ
そのあたりは流石に商売だなあ、、と思った(笑

竿は綺麗にウエスで磨かれるとまた奥の壁の元の位置に置かれた
薄暗い照明に照らされて竿は再びあやしく鈍く輝いている

やっぱり綺麗だな。。いや、もう二度と手にはするまい・・


竿の脇には 額に飾られた綺麗な毛鉤が並んでいる
とくにこの ロイヤルコーチマン なんともいえない雰囲気のある毛鉤だなあ・・

美しい毛鉤ですね、特にこのコーチマンなんて・・
僕がそう言うと店主は僕の背中越しにこう言った

『さすがにお目が高い、実はそのコーチマン、絶対に釣れる毛鉤なんですよ
 お求めになりますか?』

僕は振り向いて思わず苦笑いをした・・・

店主はにこやかに微笑んでいた・・・



妄想毛鉤劇場  『絶対に釣れる竿』  おわり







後記
先日姉が僕にこんな話をしました

『雨乞いってあるでしょ、あれって絶対に雨が降るんだって どうしてかわかる?』

僕は きっと雨乞いをするくらいだからよほど雨が降ってないんでしょ?
   だからそろそろ降るころだったんじゃない??

すると姉はこう言いました

『惜しい、、 答えは 降るまで絶対に雨乞いを止めないから・・(笑 』

なるほど
あきらめないで貫けばいつか成る日も来るという意味らしい
そんな話を聞いた後に 釣れるまで絶対に釣りを止めなければそれは絶対に釣れるってこと・・
そんなことが頭に浮かんで『絶対に釣れる竿』の発想につながりました
主人公はそのおかげで大変なめにあっちゃいましたけけど(^^;

いつものコトながら書きなぐりの駄文ですが
大勢の方が見てくださったようで申し訳ないやらありがたいやら

またそのうちに何か思いついたら書かせてくださいマセ

NaO











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