無知の涙

おじさんの独り言

東北のいま~石巻市~

2011年07月22日 | 2011年7月 東北

次は石巻市を目指します。

市内に入ると、商店街のほとんどはシャッターを降ろし、或いは木の板で入口を塞ぎ、人影もほとんどありませんでした。

これだけでも津波の被害の大きさが伺えます。

 

市内を進むにつれ、パトカーや警察官の姿を多く見かけるようになりました。そして突然、交差点のど真ん中に現れる警察官。

何事かと思ったら、信号が機能していない為、警察官が手信号で車を誘導しているのでした。

教習所で習った限りで、手信号を体験するのは初めてでしたので、ちょっと緊張しながら進んで行きます。

船が陸に打ち上げれていたり、外灯が根こそぎ倒されていたり、橋がボロボロになっていたり、なんど見ても津波の威力に恐ろしさを感じます。

 

そんな中に一際目を引く建物がありました。近づいてみると石ノ森漫画館でした。石ノ森氏は本当に東北を愛していたのだと感じました。

 

本当であれば夏休み前の子供たちで賑わっていたであろう、この施設。

 

残念なことに、津波の被害を受け、休館していました。

 

入口を閉ざす為に設置された木パネルには、訪れた人々のメッセージが書くスペースがないほど書き込まれていました。仮面ライダー1号役の藤岡さんのメッセージもありました。

世界中から頑張れと言われている東北。何を一体どこまで頑張れば良いのだろうか。それでもやはり「頑張ってください」としか言えないのだなぁ、と今回つくづく感じました。

 

 


エヴァンゲリオン展

2011年07月21日 | エヴァ系

震災の光景については、ちょっと一休み。

 

7月16日から登米市にある石ノ森章太郎ふるさと記念館にて、「エヴァンゲリオン展」が開催されるとブログで発表していたので、せっかく近くまで来たのだから寄ってみることに。

震災の影響を受けてましたが、安全対策をして開館していました。


石ノ森章太郎と言えば、あの仮面ライダーの産みの親ですね。他にもサイボーグ009とか数々の名作を生み出した昭和の巨匠。本当はあまり知りません。すいません。

入口では009がお出迎えしてくれます。

 

 

館内に入ると早速エヴァ初号機とロンギヌスの槍が出現。ウエスト細っ。

 

他にも仮面ライダーのフィギュアがあちこちに並んでいました。

こうして見ると、昭和ライダーもなかなかカッコイイな。

昭和ライダーと平成ライダーの顔が並んでいます。平成ライダーは全て分かるけど、昭和ライダーはよく分からない・・・。V3、ストロンガー、エックスくらいは知ってる。

 

いよいよエヴァンゲリオン展に入ります。

チケットは大人700円です。

 

ブースの中には第3新東京市の模型や、

テレビ版や旧劇場版のポスターや設定資料、

と言った、TV版から新劇場版までの様々な資料が展示されていました。絵コンテなんかは実際に手に取って見ることができました。

 

奥へ進んでいくと、こんなのも。

リリスのタペストリーにチタン製のロンギヌスの槍。けっこうお客さんが入っていたので、あまり遠くから撮影できず、全貌が写ってませんが・・・・。

苦肉の策でナナメから。

 

 

他にもいろいろありましたが、撮影禁止だったので撮れませんでした。

 

常設コーナーは石ノ森章太郎氏の歩んで来られた軌跡が分かるような感じで作られていて、他にも昭和ライダーの映像が楽しめるコーナーがあったり、漫画作品の全てが閲覧できるスペースがあったりと、盛りだくさんの内容でした。

子供と一緒に来てるお父さんの方が夢中になってる姿が微笑ましかったです。

 

震災支援として石ノ森章太郎の記念館にエヴァが設置されているのでしょうが、この夏は石ノ森ファンとエヴァファンで大いに盛り上がることでしょう。

 


東北のいま~陸前高田~

2011年07月20日 | 2011年7月 東北

一路、陸前高田市へ。

 

 

 

 

 

陸前高田市は太平洋に面しており、美しいリアス式海岸が見られる。ただ、311の際にはそのリアス式海岸が波の力を強める形になってしまい、大津波が襲った。市中心部は市庁舎もろとも壊滅し、市の全世帯中の7割以上が被害を受けたという。

 

震災当時。

 

運転をしながら、311のあの悪夢が甦る。どうしてこんな事になってしまったのか。一体何が悪いのか。誰が悪いのか。何のせいでもない。運が悪かったのだろうか。なぜ東北だったのだろうか。海洋プレートの上に浮かぶ島。どこで巨大地震が起こっても不思議ではない。自然にとってはほんの少しの違いが、時に何万という人間の命を無慈悲に奪ってゆく。

自然から生まれ、生かされて、長い時間を掛けて造りあげたものを、全部その自然に奪われるように壊されて、消されてしまった。自意識を持つ人間が生涯考えるであろう、自分は何の為に生きているのか?という問いかけを嘲笑うかのように。何の為でもないし、何の意味もないよと。白けてしまうほどの現実。

 

辿り着いた僕の眼前に広がっていたのは、そんな光景でした。

本当に5階建てくらいの建物も波に飲まれている。

 

 車を停めて、呆然と歩く。

本当にかつて此処に人々が暮らしていたのだろうか、と思ってしまうほど、何もかも壊されていました。

この破壊され、うず高く詰まれた残骸こそ、人が暮らしていた何よりの証である。

 

足元に木の棒が打ちつけられていました。赤い印がある。ここに遺体が埋まっていたのだろうか。

突然に波に襲われ命を奪われる恐怖というものは、一体どういうものなのだろう。どれほど苦しいのだろうか。そして子供を失った親、親を失った子供の無念さは。今朝まで笑顔で生きていた人が、なんの前触れもなく永久に消えてしまう。とても多い数の人間が色々な理由で日々亡くなってゆくが、これはどういうのだろう。

寿命を嘆くこともできず、他者を憎むこともできず、決意された死を痛ましく思うこともできない、身近な人の死。天を呪っても仕方がない。本当に全知全能の主というものがいるとするなら呪って怨んでも良いのだろうが、残念ながら所詮我々は生きる条件が整ったが為に誕生した生き物にしか過ぎない。そんなものに祈ったり呪ったりしたところで何の解決にもならない。

だから生き残った人たちは、懸命に瓦礫を集め、運び、かつての日常を力強く取り戻そうとしているのだ。

そんな事を考えながら、地面に打ち込まれた木の棒を眺める。ふとその先を見ると、ポツンと向日葵が咲いていました。

 

「条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何ももてないんじゃないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ? 強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」

 村上春樹 風の歌を聴け より抜粋。

 

 

 


東北のいま

2011年07月19日 | 2011年7月 東北

3連休を利用して、東北へ行って来ました。

東京~宮城県大崎市~陸前高田~気仙沼~石巻~福島~東京というルート。

走行距離は1200kmちょい。かなり久々の長距離運転だったので、けっこう疲れました。前回の長距離運転は7年前で、この時も祖父の3回忌で東北へ行ったのですが、ヴィッツで行ったのでスゲー大変でした。

なんせ馬力が少ないのでエアコンをかけると、加速がだいぶキツいのです。高速で追い抜きをかけるのだが、ぜんぜん加速してくれずに、けっきょく追い越せずにスッと元の位置に戻るという恥ずかしい行為を繰り返しましたよ。

もう途中でエアコン切って、汗だくで運転してました。

そんな苦い思い出の長距離運転ですが、今回はカローラのなんとかという車種。車の名前って覚えられない。そんなに大きい車ではないけど、ヴィッツよりかは馬力があって楽でした。

個人的には2回ほどヒヤッとする場面がありましたが、なんとか無事故で帰ってこれました。高速運転中のタバコは危ない。

 

初日は宮城県の大崎市にある鳴子温泉街の旅館で1泊。

 この旅館はいわゆる湯治宿で、黒湯と呼ばれるラジウム温泉が名物。

「黒湯(くろゆ)」は暗緑に濁った鳴子温泉郷唯一の鉄天然ラジウム泉。日本屈指の名湯と呼ぶ人もあり、濃厚なお湯で湯上り後も温熱感が去りません、とのこと。

 女将らしき方からそれとなく言われてましたが、ガッツリ温まったらエライことになりました。エアコンなんてありませんので、夜中の2時くらいまで体が熱かった。これはかなり効き目があるのではないでしょうか。


その7年前に訪れた時も湯治宿を利用したのですが、そこは混浴風呂があって驚きました。さすがに入りませんでしたけど。


しばし周囲を散策。

 

リアルぼくのなつやすみ。東北は本当に美しい。4月くらいの薄っすらと山に雪が残っている風景も好きですが、夏も木々が本当に青々としていて素晴らしい眺めでした。


311当時はここもかなり揺れたのでしょうけど、震災の影響はほとんど見受けられませんでした。地盤や建物がしっかりしてるんだなぁ。