無知の涙

おじさんの独り言

猫を棄てる

2020年06月08日 | 小説

村上春樹氏の新刊を読みました。

 
思えば彼の新刊を手にするのは海辺のカフカ以来だろうか。
 
ハルキストなんていう言葉を耳にするようになってから、店頭に並んでいる彼の新刊を手に取る事に少し抵抗を感じるようになってしまった。
 
いったい今回はどういう風の吹きまわしかと言うと、単純に興味がある内容だったので。
 
そう言ってしまうとハルキスト云々の件が完全に言いがかりだというのがバレバレだが。
 
自分が読んでいたごく狭い範囲に限っていえば、あまり幼少期の育った環境や境遇について多くを書き記さない印象があり、取り分け血縁関係については意識的に避けているようにさえ思え、一体どのような環境で育ってきたのか昔から興味があった。
 
この著書を通してその理由が少し分かったような気がした。
 
ねじまき鳥で垣間見えた戦争の匂い、アンダーグラウンドという作品に着手した背景、それらは彼の持つそうした幼少期の体験によって生まれたのだろうと想像する。
 
内容はとても濃いが簡潔にまとめられていて、1時間かからずに読めるかと思います。
 
 


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