無知の涙

おじさんの独り言

軽井沢、再び(最終回)

2008年02月08日 | 軽井沢メモリー

やっぱり来るんじゃなかった!!30分も雪の中に足を突っ込んでいると、もう痛くてどうしようもなくなってきます。

しかもこの日は晴天でしたので、枝とかにカサバってる雪が少しづつ溶け出しています。

あーぶなーい!

ウッカリしてると、ドサドサと雪が落ちてきてドリフの大爆笑状態。別に楽しい思い出など期待していませんでしたが、やはり所長がらみで来ると過酷な運命が待っています。

そんな中でも所長は元気いっぱい

こうも人間の感覚というものは、個体差があるものなのだろうかやはり団塊の世代魂というのは、僕などでは手の届かない何かを秘めてる感じがします。

そして肝心の枝調査。刈る枝にも一定の基準があるらしく、その場にいた僕以外の人たちは真剣な表情で、木を眺め、枝を眺めて、ここはこう切ろうとか、この木は伐採してしまおう、などと打ち合わせをしています。

正直、ワカンネ。

あの木と、この木の区別がつかず、あの枝とこの枝の違いが分からない僕には、彼等の言っていることがよく分かりません。

偏在的傾向にある物事というのは、分からない人には全く分からないものです。

それでも必死に図面に位置を記録し、写真を撮ります木なんて見た目は同じなので、番号を振ります。足も感覚が無くなってしまったので、先ほどのような苦しさはありません。そうして広い庭を2時間ほど歩き回って終了

再び小屋に戻り、ようやく足を暖められますそして休む間もなく打ち合わせ。今度は「庭にどんな花を植えようか」の打ち合わせ。夏くらいにその別荘の持ち主が来るので、それまでに綺麗な花を咲かせましょ大作戦

普段パチンコばかりしてる僕には無縁の話オッサン5人でお花トークに文字通り花を咲かせてるのも、けっこうスゴイ光景。まぁ3人は本職ですが。そうして1時間ほど経った頃には、だいたいの方針も決まりました。

時間は12:00。

「じゃ、帰るか」と所長。

早い!!助かりました。

管理人さんに駅まで送ってもらい、券売機で切符を購入。僕は窓口。

しかし発車まで30分ほどあります。

「じゃ、メシでも食うか」と所長。

待ってました!!

「どこで食べるか?」とキョロキョロしてる所長。

僕はハッとしました。すぐそこに立ち食いソバ屋があるのです。

マズい!このままだと確実に立ち食いソバ屋行きです。

僕は何気なく立ち食いソバ方面に立ち塞がり、所長の視線をシャットアウトします。

「あ、駅でたトコに店がありますよ」と僕。

「そんな時間ないだろ」

あるよ!

「30分ありますよ」

立ち食いソバ屋なかったっけ?

はいはい、ありますよ。

ホラ!すぐそこに!!

「あーそこにあります」と僕。もういいや

軽井沢に来てまで立ち食いソバ屋

僕は天ぷらソバ、所長は天ぷらソバに卵入れ。合わせて950円なり。

ここで異変が。

立ち食いソバ屋は基本的に前払いです。が、所長が財布を出そうとしません

え!?本気?

見つめ合う二人。

僕けっこう妥協して、ここに居ますけど。スタートラインから見たら100m.くらい下がってますけど。そのうえ僕が所長の天ぷらソバ代(卵入り)も払うの?

ないわ。ないわ!!!

こういう場面は僕も大嫌いなので、普通だったら僕が払っちゃいますが、今回は引けねぇ。軽井沢駅の立ち食いソバ屋で、変な攻防が始まりした。

二人とも財布を出すとこまでは進展しましたが、中身が出てこない。

「あ、おまえいっぱい持ってるなぁ!」先制攻撃は所長。

こともあろうか、部下の財布を覗き込んで、そんなこと言ってます。

もう反則スレスレっていうか、反則だろ!「いやいや、そんなの関係ないです。トータルでは所長の方が持ってますよ」と僕も返す刀で反撃。

すげー小さい戦い

困ってるのは、店のオバちゃんまさか立ち食いソバ2杯で、こんな醜い戦いが始まるとは思っていなかったのでしょう。

え!1000円くらい早く払ってよ!的な視線を投げかけてます。第三勢力です。

 

そうして渋々1000円を出す所長。本気なのか・・・。波乱に満ちた昼食タイムを終え、いよいよホームへ。

「じゃあ前に方に行こうか」と所長。「え?なんで前なんですか?僕は後ろですよ」なんか噛み合わない。

そうです。所長は自由席なのです。

「なんだ!おまえ指定席か!」と驚愕する所長

「ええ、まあ。」と勝ち誇る僕。

最後に勝った感じでした。

(おわり)

 


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