無知の涙

おじさんの独り言

イース8

2017年09月25日 | ゲーム

というわけで、PS4版のイース8を購入。

実は去年の夏にVITA版で購入してクリアしてるにも関わらず、今回PS4版も買ってしまった。それくらい面白いこのイース8。

まず物語の舞台となるのが、魔の島と呼ばれ、人々から密かに恐れられているセイレン島。この島に近づく船は洩れなく謎の怪物に沈没させられてしまう。主人公である冒険家アドルも次の目的地に向かう途中の航路でこの怪物に遭遇してしまい、船を沈められてしまう。そしてこのセイレン島に漂着する。そこからスタート。

偶然近くに漂着した数人の人たちと力を合わせてこの状況を打破しないとならないが、やる事はたくさんある。

・右も左も分からない島を把握する為に行けるところは全て行って地図を作る。
・探索しながら他の乗員が漂着していないか探す。
・脱出するまでの衣食住を確保する為に獣を狩ったり、魚を釣ったり、木の実を取ったりと、素材を集める。
・最終的には脱出船を作るだけの素材も集める。
・船を作っても例の怪物を倒さないと再び沈められるだけなので、怪物の情報を集める。

獣程度であれば冒険家アドルの前には脅威にはならないが、なんとこの島には恐竜と思しき生物が跋扈している。手持ちの武器では太刀打ちできないため、これらに遭遇したら一目散に逃げなければならない。

そんな中で手さぐりで島を少しずつ探索してゆくドキドキ感はたまらない。次どうなるんだろう、この先は何があるんだろう、とヤメ時を見失う。

VITAでも十分に島の自然や景色のグラフィックが素晴らしかったが、PS4は更に綺麗。こんな絶望的な状況なのにどこか爽快な気分を維持しつつプレイができるのは、島の景色がどこを切り取っても綺麗で見惚れてしまうからだと思います。

合わせてBGMも素晴らしい。製作がファルコムなのでBGMが良いという事は予想に難くないけれど、とびきり今作は気合入ってる。このBGMもプレイヤーに爽快感を与えてくれる大事な要素になってる。良すぎて重苦しいところはとことん重苦しいけど。

アクションRPGなのだが、アクションも基本はボタン連打で良いので、アクション苦手な自分でもなんとかなるくらいの難易度。ノーマルですが。でも徐々に敵が強くなるにつれて、ただボタンを連打しいるわけにもいかなくなってくる。ボタン連打しているだけでは敵の攻撃を喰らってしまうので、敵の攻撃を回避しないとならない。敵の攻撃タイミングを見計らい、ジャストで回避と防御が成功すると数秒の無敵状態になれるという仕様。

言うは易し行うは難しで、理屈は分かっていても最初はどうにも上手くいかない。判定が厳しすぎるし、敵の攻撃モーションを把握しないとならない。中ボス戦は1対1なので慣れてくれば相手のパターンを読んで、後の先を狙っていけばなんとかなるが、多対1はどうにもならない。言ってもタイミングなのだから、防御と回避を適当に連打してればどっかでタイミング合うだろうというのは甘い考え。適当に押してたら絶対に合わない。短いジャスト判定にはそういう仕掛けがあるのだ。

なんとか苦労してある程度ジャスト回避とジャスト防御が出来るようになると、また戦闘の爽快感がケタ違いになる。決まった時の音が心地よい。連発して全く攻撃を喰らわずに強敵を倒したりすると、あれ?俺、無敵じゃん!と調子に乗ってしまい、また全くタイミングが合わなくなったり。

仲間になるキャラもそれぞれ良い。戦闘パーティーにカッコいいデカいオッチャンがいるRPGは名作、と勝手に法則を作っていますが、今回もその法則通り。人物のモデリングはとやかく言われていますが、個人的には十分かと。

 以下、ネタバレ注意。

 

 

 

そうして島の探索に夢中になっているうちに、だんだんと島の全容が明らかになり、かつてこの島で繁栄していた文明があったことを知らされる。

平行して進む過去(ダーナ)と現代(アドル)の世界が1つに交わる時、淘汰を呼ぶ涙の日(ラクリモサ)の到来を告げる。

まさかそんな創造主による淘汰みたいなデカい話になるなんて思っていなかったので、終盤はかなり驚きの連続。ラクリモサというくらいだから、何かしら審判の時みたいな要素があるのかなとは思っていたけど。というか、ヴェルディのレクイエムの歌詞を見ていなければ「ラクリモサ」なんて言われてもなんのこっちゃ?としか思わなかったのだろうが。

普通は突然そんな大風呂敷を広げられてもアホか・・となるとこだけど、さすがファルコム。過去そこで繁栄した文明と現代を絶妙にクロスさせて、自然と受け入れられるように持って行く。目の前に大風呂敷を広げて待つのではなく、気が付いたらもう大風呂敷に包まれている寸法。そんな一歩間違えれば無理やり感が否めない展開もきちんとダーナというキャラで理由付けをしている。

1つの支配種による長い反映は世界に歪みと淀みをもたらしてしまうので、ある期間を経たら種の更新の為に淘汰を行う。その淘汰で生き残れた種族が新たな時代の支配種となる、という話はかなり危機的な現代を生きる者として、ううむと唸ってしまう。この地球もこれまで破壊した自然環境への代償として被っている異常気象と、人の力ではどうこうする事のできない星自体の周期的な活動とで、いよいよ人類が生きてゆくのが困難な状況になりつつあるように思う。

まぁそんな話はどうでもいいけど、この作品の大きなカギを握るのがダーナ。プロローグでアドルが彼女に対して畏敬の念を禁じ得ないのである、と自分の冒険譚に書き示しているが、なかなか人物に対してこの表現を用いる事は稀有なことと思われるが、物語が終盤に差し掛かるにつれて、その意味を理解する。

本当に良質の映画を見ているかのような作品です。ゲーム自体のボリュームも申し分ない。VITA版ではトータル60時間くらいかかった。PS4はいろいろ追加要素もあるみたいだし、どれくらい掛かるか楽しみです。