一斉攻撃に出る大グレン団。
迎え打つチミルフ軍。
全面対決である。
わずかに大グレン団が優勢に立つ。
カミナとタイマンを張るビィラル。
その戦いの最中にヴィラルはグレンの頭部が無い事に気付く。
「キサマ!頭はどうしたァァ!」
「今だァ!シモーーン!」叫ぶカミナ。
カミナの掛け声と共に、崖から飛び出るシモン。
一直線にダイガンザンの頭部を目指す。
「ラガァァン! インパクトォォ!」
ラガンのドリルが見事にダイガンザンの頭部に突き刺さる。
後はシモンが意識を集中して、そのコントロールを奪うだけであった。
「頂くぜぇ、あのデカブツ!」
勝ち誇るカミナ。
作戦は成功------ したかに見えたが、
シモンがダイガンザンを支配しきれない。
「どぉしたっ!シモン!何やってる!」
手間取るシモンに豪を煮やすカミナ。
「分かってる!分かってるんだけどっ!」 焦りまくるシモン。
その様子をリーロンとロシウがモニター越しに見ている。
「合体が上手くいってないみたいねぇ…
相手の制御システムに同調しきれてないわ」
「何か気掛かりがあるのでしょうか?」心配するロシウ。
「シモンさんの精神状態と関係するんでしょ?
ラガンのパワーは」
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-------------------それよりも数時間前--------------
決戦前夜の事である。
シモンは眠れずにいた。
そこに突然ヨーコが現れる。
出会ってからどれくらいの時間が流れたのか。
シモンのヨーコに対する想い。
「ヨーコ、オレさ・・・」
その想いを口に出そうとするシモン。
だが、その言葉は突然噴火した火山によって、
遮られてしまう。
その場を去るヨーコ。
ヨーコが去った後も眠れずにいたシモンは、
見てはいけないものを見てしまう。
抱き合うカミナとヨーコ。
重なり合う唇。
シモンはその場を走り去り、
ラガンに乗り込む。
「関係ない…関係ない…関係ない・・・
関係ない…関係ない…
俺には関係ないじゃないかっ! 」
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シモンの精神状態は千々に乱れていた。
「なんで…なんでこんなコトで集中できないんだっ!!クソォォッ!」
こうも時間が掛かってしまえば、もはや奇襲に意味はない。
ヴィラルは戦力の全てをラガンに向ける。
「オマエらガンメンを食い止めろ!シモンはオレがなんとかする!」
カミナはそう仲間たちに言うと、
猛ダッシュでシモンの元に向かう。
グレンの跳躍では、ダイガンザンの頭部までは届かない。
グレンを乗り捨ててカミナは飛ぶ。
「ココを開けろォ!シモーーン!!」
「歯ァ食いしばれぇっ!!」
カミナの---漢の鉄拳がシモンの頬にメリ込む。
転がり倒れるシモンに、カミナは晴れやかな顔で言う。 「目ぇ覚めたか?」
「オマエが迷ったら、オレが必ず殴りに来る。
だから安心しろ。オマエの傍にはオレがいる」
「オマエを信じろ!オレを信じるオマエを信じろ! 」
「分かった!」シモンの瞳に輝きが戻る。
みるみるダイガンザンのシステムをラガンが支配してゆく。
さきほど乗り捨てたグレンの操縦席に戻るカミナ。
「へっ!やりゃぁデキるじゃねぇか」
その時―――
一筋の光がグレンを貫く。
「ウアぁあァあァァ!!」
チミルフである。
「ワシのダイガンザン、そう簡単に渡しはせんぞォォッ!」
猛撃するチミルフがカミナにトドメを刺す。
つづく