ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

ある日曜日-2-

2007-12-19 | 暮 Life
「そうなんですか・・・今年の9月で終了でしたか・・」

他の珈琲豆屋にちょっと浮気をしたのが
いけなかったか。。

300gお好きな珈琲と交換できるはずの
満杯スタンプカードはただの紙切れとなる。

とりあえず焙煎にも時間がかかるので
夕方また取りに来ることを伝えて店を後にした。

結局出せなかったワンピースの袋をかかえ
珈琲豆は手に入らず、

もたもたしていたら
美容院の予約時間はギリギリになってしまった。

駆け込んだ受付でカードを探していると
カバンの底に白い封筒が見える。

「まさか!?」

急いで封筒を引き出すとその封筒はまぎれもなく
さっき郵便局で出した絵本に挟んだ(はずの)
クリスマスカードだった。

ううううう。なんてついてない。。。

この流れで行くと美容院も嫌な予感だ。

そんな事ない。そんな事はない。
流れをかえたい。流れを変えてくれ。

そんな心の叫びもやはり虚しい叫びで終わる。

「ボリュームは極力抑えてくれ」という希望は
完全無視したサイババの様な仕上がりだった。

美容院を出ると、ぐっと冷え込んで
もう空は夕刻へと色を変えている。

半泣きのサイババ頭で珈琲豆を引き取りに行くと

「これサービスです」とにこやかな店長が
差し出してくれたのは終わったはずの珈琲豆プレゼント。

ありがとう。ありがとう。
サイババ嬉しい。

幸せな珈琲豆の香りに包まれて
今度は入れ忘れたクリスマスカードを出すために
ダメ元で郵便局へ荷物がまだ残っていないかを確かめに走る。

「お昼にこちらで荷物を出したのですがまだ残っていますか?」

「お昼ごろですか~。もう残っていないと思いますよ」

「この伝票なんですけど、残ってないですかね?」

「見せてもらえますか?うーん。あったかな?
ちょっと待ってもらえますか?」

店員さんが裏へ消えていく。

ありますように。残ってますように。
サイババ(頭)パワーだよ。なんのパワーだよ?

「お客さん!ありましたよ!これですよね?」

店員さんが戻ってきた手にしっかり握られていたのは
確かにお昼に出したあの荷物。

「そうです!!それです!!」

もしワタシがラテンな外国人であったならば、
サンキューベリーマチコと抱きしめているだろう。

更に親切な店員さんは
テープ止めをはずしてカードを入れて
再度テープ止めまでしてくれた。

「ホントにありがとうございました。」

「荷物、間に合って良かったですね。」

「はい。。良かったです」

サイババ(頭)涙が出そうです。

人の親切に涙が出そうです。

さっき見上げた冬空は淋しいと思ったが
今はこんなにも綺麗に映る。

するとカバンの中でブルッと携帯が震えた。
一番嬉しい人からのメール。

ワンピースも無事クリーニングに出して
予定作業は全部終了。

出来すぎの最後に
サイババ頭でもかまわないと一瞬思えた日曜日。

なんて。そんなのは一瞬。
こんなボリュームありえないですから。