ペンシルハウス物語~東京日和~

-gozar de tokyo-きまま そのまま なすがまま 

受けとめ力

2007-03-05 | 暮 Life
すっかり春じゃないかと
思える暖かさの週末。

実家で大掃除に励む。

さすがに夏服を出すにはまだ早い
こんな時期になぜ大掃除を?

急遽実家の自分の部屋だった所を
明け渡さなければならなくなったのがその理由。

確かに、いつ帰ってきても
普通に生活出来る位に洋服も化粧品も
荷物は揃っているし

3年以上立っても未だに”お姉の部屋健在!”
という感じは否めない。


たまたま実家に帰った同じ日に
二番目の妹が帰っていた。

彼女はかなり前から実家を出て
暮らしている。


ここ最近、妹は仕事も含めて落ち着かず
一緒に暮らしていた同居人ともギクシャクし

傍目にもかなり追い詰められてるなと
思って見ていた。

その矢先、先月唐突にまったく土地勘のない
とんでもない田舎へ引っ越すと宣言し

本当に引越しして行った。

私にだけ、全て手続きが終わった後の事後報告。

そりゃそうだ
言えば120%止められ、怒られるのは目に見えている。

私の気配を敏感に察知したか
当人はすっかり姿を現さない。

怒りの矛先は、
それを許した両親に向かってしまった。

常識的に考えれば
一度実家に戻り、この先の事を考えるのが普通だろう

どう考えても
順序はおかしいし、理由もよくわからないし

しつこく理由を問いただしても
「家族の側にいると甘えてしまうからだって」という

なんだそれは?という理由しか出てこない。

家に戻ればいいだけなのに
なぜそんなにかたくなになってるのか?

熱くなる私とは正反対のテンションで

妹から届くメールは
「5時になると町内放送で♪エーデルワイス~♪が流れます」

「犬が沢山飼われていて
夕方になると”散歩に連れてけワォーン”と鳴いています」

なんだその散文調は?

しかし、妄想族はいつだってエンジン全開。

エーデルワイスの曲に合わせて
遠吠えする犬達を妄想。

多分相当孤独だったのだろう。

実家で鉢合わせした日

「戻ってきて、お姉の部屋を使ってもいい?」
と妹は言った。

だから最初からそう言えばいいんだ!と

また熱くなっている私に

妹はぼそっと

「私の部屋って、家を出たら
すぐなくなっちゃったんだよね。。」

そういえばいつも妹は
そんな事を言っていた気がする。

立派な大人が、何を今更
そんな事を言ってるんだと思ったが、

妹にとっては

”帰っても居場所がない”

”戻りたいけど、戻りたい”が素直に言えない。

とんでもない回り道をして
自分で痛い思いをしなければ言えない。

そんな不器用な妹の

言葉と裏腹な本当の気持ちを表したサインを

見逃さずに受けとめて
あげられて良かったと思う。

きっかけを逃して、
こじれてしまう事はものすごく悲しいから。


という事で週末の大掃除となったのだが

妹のほっとしている表情に、
まあこれで良かったかと

春の陽射しもやわらかく
花粉症も軽く感じる午後。これは気のせいか・・・。

あー目が痒いし、鼻水も止まらん!