SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

Thad Jones & Mel Lewis 「CONSUMMATION」

2008年11月23日 | Group

時代の匂いがプンプンする作品だ。
今さら私が紹介するまでもなく、サド&メル・ジャズオーケストラは、黒人のサド・ジョーンズ(tp)と白人のメル・ルイス(ds)が1965年に結成した全く新しいタイプのビッグバンドである。
彼らは1978年に解散してしまうが、未だに絶大な人気があり、サド&メルこそ最高峰のジャズバンドだといって憚らない人が多いのも事実である。
では彼らのどこにそんな魅力があるのだろう。
まず特筆されるのがソロパートに対する考え方である。
ピアノにしろトランペットにしろトロンボーンにしろ、ソロを奏でる時間が充分に確保されているという点である。この自由な雰囲気が、コンボを聴く楽しみ方に似ているのではないだろうか。つまりビッグバンド特有の堅苦しさが払拭されているのである。
それと言葉ではなかなか言い表せないが、100mを全力で走りきった時のような爽快感があり、このキレの良さがサド&メルのイメージを決定づけているようにも思える。
このアルバムでいえば、7曲目の「Fingers」でそれが最もよく出ているので聴いてほしい。
ただこのアルバムでは5曲目の「Us」や6曲目の「Ahunk Ahunk」の音がその時代の音であり、よく言えば懐かしい、悪くいえば60~70年代の中途半端な古くささが出ているのが印象的だ。

それとこのアルバム、ジャケットが効いている。
以前ご紹介したボビー・ハケットの「Live at the ROOSEVERT GRILL」と同様、LEO MEIERSDORFFがイラストレーターとして起用されている。ちょっとワンパターンなイラストではあるが、この身体のしなり具合、強調された指など、魅力的なジャズがこのジャケットからも聞こえてくる。
このイラストが好きな方は以下のサイトもご覧いただきたい。
http://meiersdorfforiginals.com/



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