SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THE OSCAR PETTIFORD ORCHESTRA 「DEEP PASSION」

2008年01月22日 | Group

オスカー・ペティフォードと聞いただけで何だか背筋がピンと伸びる。
彼くらいのビッグネームになると自然と敬意を払わずにはいられないような気になるから不思議なものだ。それこそ貫禄勝ちである。
そんな彼が当時の人気者を集めてオーケストラをつくり一大傑作を残した。それがこの作品だ。
参加している豪華なメンバーは以下の通り。
オスカー・ペティフォード(b,cello,ldr)、ジジ・グライス(as,arr)、アーニー・ロイヤル(tp)、アート・ファーマー(tp)、ケニー・ドーハム(tp)、レイ・コープランド(tp)、ジミー・クリーヴランド(tb)、アル・グレイ(tb)、ジュリアス・ワトキンス(frh)、ラッキー・トンプソン(ts)、ジェローム・リチャードソン(ts,fl)、ベニー・ゴルソン(ts)、サヒブ・シハブ(bs)、トミー・フラナガン(p)、ベティ・グラマン(hrp)、ディック・カッツ(p)、オジー・ジョンソン(ds)、etc
たぶんペティフォード親分、鶴の一声で招集されたのだろう。そうでなければこれだけのメンバーが一堂に揃うことは難しかったはずである。

曲は必ずしもビッグバンド特有のものではない。むしろスモールコンボで取り上げられる機会の多い曲ばかりである。
要するにビッグバンド形式でありながらかなりファンキーな感じで聴けるということであり、そうした意味においてもビッグバンド初心者の私にはもってこいのアルバムだっだ。
とにかくどの曲もアレンジが効いている。アレンジャーはジジ・グライスであったり、ラッキー・トンプソンであったり、ベニー・ゴルソンであったりするが、エリントン楽団やベイシー楽団などのようなコテコテのビッグバンドとはひと味違った爽快感がある。全編に渡ってペティフォードの躍動感溢れるベースが利いているせいでもあろう。

このオーケストラの決定的な特徴はペティフォードの弾くチェロやベティ・グラマンのハープ、といったジャズに馴染みの少ない楽器を上手く導入していることだ。「I REMEMBER CLIFFORD」や「LAURA」などの優雅さは他に類を見ない。
とにかく大音量で聴いてほしい。身も心も生き生きしてくる自分に会えるはずだ。



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