SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

COUNT BASIE & His Orchestra 「Basie in London」

2008年04月18日 | Group

圧倒される迫力だ。
ジャケットに写っているカウント・ベイシーの豪快な笑顔を見れば中身だって一目瞭然。
パワフル度、スイング度、リラックス度、ハッピー度、いずれも満点である。
私はビッグバンドの大ファンというわけではないが、この作品くらいは知っている。名盤中の名盤だ。

曲は数多く収録されている。
全曲どれもいいが、特に「NAILS」や「CORNER POCKET」「BLEE BLOP BLUES」あたりの出来がすばらしい。
カウント・ベイシーのピアノとフレデイ・グリーンのギター、工デイ・ジョーンズのベース、ソニー・ペインのドラムスがリズム製造マシンだ。そこにサド・ジョーンズを初めとするホーン部隊が時にはソロ、時にはアンサンブルで次から次へと絡んでくる。まるで音のシャワーを浴びているようだ。
観客との関係も実に良好で、臨場感も充分味わえる。こんなコンサートを見られた人は幸せだ。一生の思い出になっただろう。
観客はタイトル通りにロンドンの人かと思えばそうではない。
実はこのコンサートはスウェーデンのヨーテボリ(Göteborg)で行われたものだ。ではなぜ「in London」などというタイトルがつけられたのかはわからない。きっと何か曰くがあるんだろうと思う。ベイシーファンの方で知っている方は教えてほしい。

ベイシーはピアノを実に可愛らしく弾く。
彼がシングルトーンでピアノをぽつりぽつりと引き出すと、辺りは聞き耳を立てる。全員が集中して彼のリズムやメロディを掴もうとするのだ。そしてある瞬間から色々な楽器がなだれ込んでくる。このいわゆる「間」がベイシー楽団最大の魅力ではないかと思っている。
とにかくリズムに合わせて身体が自然と動き出す。
部屋の空気が揺れ動く。
この爽快感はカウント・ベイシーならではのものだ。
ご近所からうるさい!とクレームが来そうな勢いでもある。





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