SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

FABRIZIO BOSSO QUINTET 「ROME AFTER MIDNIGHT」

2007年04月24日 | Trumpet/Cornett

私にとっていいアルバムの条件は、〈演奏〉〈選曲〉〈録音〉〈メンバー〉〈ジャケット〉がいいことである。
これは最近手に入れたアルバムだが、全ての条件において高レベルな作品だと思う。
まずジャケットから行こう。ダブルトーンは珍しくないし、演奏風景だって特別大騒ぎするほどのものでもない。では何が気に入っているかということだが、それは写真の角度である。約30°くらい右に回転させた位置で水平にトリミングしてあるのだ。これがいい。たったこれだけの処理で躍動感が出ているし内容をうまく伝えている。これがプロの仕事なのだと思う。しかも体裁がブックレット入りのデジパックときた、これはますます嬉しい。
次に演奏である。
これが実にフレッシュなのだ。リー・モーガンを彷彿とさせるハイスピードな演奏も、クリフォード・ブラウンを連想させるメロディアスな演奏も完璧にこなしている。全体に生き生きとした躍動感でいっぱいの演奏なのである。
このところのイタリアジャズシーンには勢いがあるが、このファブリッツィオ・ボッソはその象徴のような存在である。
次に選曲はどうかということだが、これも悪くない。珍しく癖のあるウェス・モンゴメリーの「Road Song」を取り上げている辺り、或いはサキコロにおけるロリンズの名演と張り合うかのような「You Don't Know What Love Is」を配置するなど挑戦的な選曲が多く、これまた躍動感につながっているのである。
この他、録音も充分に満足できる水準だ。

ついでながら「ROME AFTER MIDNIGHT」というアルバムタイトルも気に入っている。
これのどこがどういう風にいいかって? う~ん、これは感覚の問題だ。


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