話題1009


話 題 1009



盗難の飛鳥仏が36年ぶり戻る
 共同通信(9/24付Web)によれば、奈良県明日香村の向原寺(豊浦寺)で1974年に盗まれた金銅観音菩薩立像が36年ぶりに見つかりました。仏像は高さ約37センチで江戸時代に寺の近くにある池から飛鳥時代後期の頭部だけが見つかり、首から下の部分が作られたと伝えられています。以前、寺で仏像の写真を接写していた大阪大大学院生三田覚之さんが8月に京都市内のオークション会社のカタログに仏像が最低落札価格35万円で掲載されているのを見つけて寺に連絡。寺が出品者から買い戻しました。

竜安寺旧蔵のふすま絵115年ぶりに帰還へ
 産経新聞(9/18付Web)によれば、京都市の竜安寺がかつて所蔵していたふすま絵6面が115年ぶりに同寺に返還されることが分かりました。ふすま絵は狩野永徳の次男、孝信の作と伝えられ、クリスティーズによるとニューヨークで開催された同社オークションに出品され、約743万円で落札、匿名の落札者が竜安寺への寄贈を発表しました。

醍醐寺所蔵の経典に多数の角筆点
 産経新聞(9/18付Web)によれば、京都市・醍醐寺所蔵の重要文化財「宋版一切経」に、中国南宋時代(12世紀)のものとみられる角筆点が多数書き入れられていることが確認されました。広島大・小林芳規名誉教授の調査によると、紙面を直接へこませて書き入れた文字や符号が名詞や動詞を明確に表す文法機能点だとわかったが、今回と同様の角筆点は他に見つかっていないといいます。

[訃報]鷲塚泰光さん 奈良国立博物館前館長
 鷲塚泰光(わしづか・ひろみつ)さん。9月16日、下いん頭がんで死去、72歳。文化庁美術工芸課長、東京国立博物館学芸部長などを歴任し、2000年から05年まで奈良国立博物館長。専門は日本美術史(彫刻史)。〔読売新聞9/17付〕

お布施めぐり全日本仏教会がシンポ
 毎日新聞(9/17付Web)によれば、全日本仏教会が10月13日、初めての公開シンポジウム「葬儀は誰の為に行うのか? お布施をめぐる問題を考える」を東京・秋葉原で開きました。仏教会が問題にしたのは、イオンが今年5月に追加した寺院紹介サービス。玄侑宗久さんが「布施とは本来、システム化やデータ化は拒否するもの」とイオンを批判。中島隆信教授は「『明朗会計』を求めるのは仕方がない」と分析。碑文谷創さんは「寺の会計を公開すれば、布施をする側との信頼は高まる」との考えを述べました。

良寛本人も見た伝記写本を発見
 読売新聞(9/14付Web)によれば、良寛の伝記で、良寛自身が唯一、生存中に目を通したとされる「良寛禅師伝」の写本とみられる書物を冨沢信明・新潟大名誉教授が発見しました。禅師伝は506字から成る漢文で、大関文仲が書いたとされることは知られていましたが、原本は見つかっていませんでした。僧になった経緯が詳しく、大関は伝記を出版するつもりだったようですが、良寛が断っています。

[訃報]坪井俊映さん 浄土門主
 坪井俊映(つぼい・しゅんえい)さん。9月6日、心不全で死去、95歳。浄土門主、知恩院門跡。佛教大文学部長などを歴任。〔朝日新聞9/6付〕

平泉の影響示す仏像を鎌倉で発見
 産経新聞(9/4付Web)によれば、神奈川県横須賀市の大善寺が所蔵する「伝毘沙門天立像」が平泉の仏教文化の影響を示す仏像であることがわかりました。調査した同県立金沢文庫によると、源頼朝が平泉の文化を目標に都を開いたことは文献上知られていましたが、裏付けとなる実物が確認されたのは初めてだといいます。

丸の内に「高野山カフェ」開設
 朝日新聞(9/2付Web)によれば、JR東京駅前の新丸の内ビルに9月1日から12日まで「高野山カフェ」ができます。金剛峯寺の僧侶と写経などをしながら精進料理を味わうもので、参拝者が近年伸び悩んでいるため沿線の南海電鉄と組んで3年前から都内でカフェを開いてPR。今回初めて丸の内に進出します。

インドネシアの裁判所がブッダバーに閉鎖命令
 ロイター通信(9/1付Web)によれば、インドネシアの中ジャカルタ地裁が9月1日、世界各国でチェーン展開する「ブッダバー」の国内店舗に対し、店名が仏教徒に精神的苦痛を与えたなどとして閉鎖を命じました。地元紙の報道によると、原告は反ブッダバー・フォーラムという団体で、店の名前や店内に置かれた仏像などが不敬罪に当たると主張していました。同店側は控訴する意向を表明しています。

イノシシが三井寺の国宝客殿の障子壊す
 読売新聞(9/1付Web)によれば、大津市園城寺町の三井寺(園城寺)境内にある光浄院客殿の腰高障子4枚がイノシシに壊されたとみられる、と滋賀県教委が発表しました。国宝の客殿内にある狩野派による障壁画は無事でした。修復費は約50万円。当面は縁側に高さ0.5mの木製柵を設置するといいます。
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