Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

一万の母音と子音を使い分けて歌う原田知世サンのクローヴァー。

2006-05-13 11:28:28 | 日本のロック・ポップス


原田知世
『Clover』(1996)

連発して参りました知世さんシリーズはコレにて、一段落予定です。
ってか、ホントは『Egg Shell』で一段落予定だったんですが、このアルバム、まもなく(5/17で)、発売10年らしいというコトと、昨日、久しぶりに聴いてみて、そのヴォーカルの素晴らしさに圧倒されたというコトもあって、自分ワァ、本日ぅ、コレをぉ、取りあげてェ、みるのでェ、アリマっス!
押忍!
夜露死苦!

最初に、まず、逃げの文言から打って置きます。
えぇ、この記事のタイトルに「母音」とか「子音」とか書きましたが、ワタクシ、そこらヘンは適当です。専門的な知識と耳はありませんのでアシカラず。
も、ひとつ。
ココのところ、知世さん記事を連発しては参りましたが、ワタシはスジガネの入った知世さんファンではありません。発売日に買ったアルバムって「My Pieces」(2002)だけですし。女優とかタレントとしての知世さんには、そんなには興味ありません。(ナイとは言い切りません。・・・言えません。・・・ってか、きっとアルのね。CMで見かけると、そっち見るものね、ブッチャケ。)

さて、このアルバムは、前半5曲をトーレ・ヨハンソンがプロデュースし、後半5曲を鈴木慶一さんがプロデュースしたという、ある意味で変則的なアルバムです。で、トータルで、どっちの印象が強いのかと言うと、見事に中間デス。

慶一さんプロデュースのトラックは、それまでの三部作より、ポップな印象デスし、トーレ・プロデュースの前半は、その後の二作品より、ヒネクレてるんですよね。結果として、「マニアック」という敷居の高さはそれほど感じず、一方で「ポップ」という敷居の低さも感じないというコトになりながら、中途半端にはならず、分かり易く飽きないという、絶妙なサジ加減になっています。
その、トーレ以降のカラーと、慶一さんカラーの絶妙なクロスポイントに「100 LOVE-LETTERS」という曲がありまして、コレはホントに聴きものデス。ワタシはこの曲がCMで使われていたのを聴いて、知世さんの音楽を聴くようになってのデスね。半変態的ヒネりサウンドでありながら、異様なまでにポップにも聴こえるというスゴ曲です。(当時のアタシャ、クルセイダースとサルサばっかり聴いていたのにコレにはハマった。)

まぁ、サウンドについては、いつか別の記事立ててまた書きますが、そういう絶妙なサウンドに、絶妙にヒキ立つ歌を添えるコトが出来るのが、原田知世というヴォーカリストの凄さ。前々作の「カコ」(1994)で、英語、フランス語、イタリア語の詞を、発音の為の「Language Master」の指導の元で歌った中で、きっと、「母音」とか「子音」とかいうコトをかなり意識したのでしょうが、ソレを日本語の歌の中に意識的に活かすって、スゴい。以前も書きましたが、知世さんは、歌う時には歌詞に感情を込める意識はせず、聴いて心地よい響きになる事だけを考えて歌うそうです。何故なら、作詞をした段階で感情は込められているから、だそうデス。兼業音楽家とは、とても思えない発言。ホント、凄ぇと思います。

そういう発想で作っていったと思われるヴォーカルの完成形が、このアルバムで聴けます。
「20世紀の愛のようなはかないあの歌」とか、「Happier Than Marmalade」など。
女性ポップ・ヴォーカリストとして、多分、日本ではトップ数人中に入る実力でしょ。
是非、聴いてみて欲しいデスね。
コメント (3)
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