Pa'Lante!(パランテ!)

ジャズじゃ、ロックじゃ、サルサじゃ、ソウルじゃ、ファンクじゃ、歌謡曲じゃ、ジャージャー。

原田知世サンの『カコ』は並のカヴァー集ではナイ。

2006-05-07 21:38:28 | 日本のロック・ポップス


原田知世
「カコ」(1994)

鈴木慶一プロデュース第二弾。
60年代ポップスを中心にしたカヴァー集。

曲目をあえて邦題で幾つか並べると・・・

「この世の果てまで」
「砂に消えた涙」
「ウィンチェスターの鐘」
「青春の光と影」
 などなど。

ちなみに、このアルバムのジャケやライナーや帯のドコを探しても邦題は掲載されていない・・・。何故か?
恐らく「皆さんが知っているあの曲」とは違うモノになっているから「皆さんが知っている邦題」は載せなかったという事でしょう。そういう事で、コレは並のカヴァー集ではな~い!

サウンドの基本は、鈴木慶一サンによる打ち込み。
当然、かなりネジったサウンドです。
(ただし、完全に一回転ネジリしているので、意外と分かり易いサウンドになっていると思います、ワタシ的にゃ。)

具体的には・・・。
夢のような音色のシンセ。
機械音のようなノイズ。
アコースティック・サウンド(ギターはDr.Kこと徳武弘文サンです)。
そして、声。

しかし、深いエコーが掛かったとしても、ドコか醒めた感覚。
言うならば、宙に浮かんで、かつ、明晰に過去を俯瞰している感じ。
決して癒し系ではナイです。甘口でもナイです。この音楽。
ちょっと凄い。

それから、ジャケット写真。
コドモの頃の知世さんかと思うでしょうがサニアラズ。
これは、写真家・植田正治氏の作品で、写っている少女はその娘さん(カコ)だそうです。どうやら、アルバムのタイトルはコレと、「過去」を引っ掛けてつけたようです。(と、どっかに書いてありました・・・
(ちなみに、調べたらカコさんの生まれは1938年なので、この写真に取り込まれている時間は恐らく1940年代のモノ。このアルバムは、写真の中の時間と、現在を繋げるタイムマシン系音楽でもあるという感じがしますね。)

そんで、ひとつ驚くコトがあります。
裏ジャケのクレジットを見ると、「Language Master」ってのが載ってるんですね。
このアルバムは、英語、イタリア語、フランス語で歌われているのんで、発音を徹底したってコトなんだと思いますが、わざわざクレジットするってのは、かなり重視したというコトでしょうね。
そして、どうもこの発音を徹底する中で、声の響きを意識的に使い分ける、という技を知世さんは体得したようで、次作以降のボーカルは明らかにスタイルが変わりマス。(このアタリから、この方は、高度な技術を駆使するスゲぇ技巧派ボーカリストになって行く訳でして、聴くワレワレも覚悟しましょう。)

コレはハッキリ言って名盤です。
原田知世の代表曲の一つともなった「T'EN VA PAS」も収録されています。
四の五の言っても、聴きまショウね。
コメント (5)
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劇的な再会と永遠の別れ。ただし即席の巻。

2006-05-07 18:30:13 | その他
ンま~ったくオンガクの話ではナイのですが・・・。
こんなモノが近所のスーパーに売られていました。

十数年振りに見た・・・。
別にウマイものでもないが、思わず買ってしまった・・・。
「激めん」だけに劇的な再会であると言えよう。
(ン?ゲキの字は別の字か。)

そう言えば、コンナものも売っていた・・・。

思わず買ってしまった・・・。

B級ドコロではないC級グルメ。(「グルメ」と付ける事自体、間違っているな・・・)

まぁ、もう一生コレを食べるコトはナイでしょう。
激めんよ、サラヴァ!
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桑田佳祐『夷撫悶汰レイト・ショー』。

2006-05-07 15:07:53 | Jazz / Cross Over
そう言えば4年前のGWにDVDプレイヤーを購入したんですが、そん時、ナニカ観る物をって思って、最初に買ったDVDソフトがコレなんです。

桑田佳祐
『夷撫悶汰レイト・ショー』(1997)

えぇ、ヒトコトで言うと「桑田佳祐、ジャズを歌う」です。
そういうオモムキのショーを1996年に行なっていたワケです。
スタンダードばかり30曲程歌ってます。(ってか、普段ジャズじゃないヒトがやるんだから、スタンダード以外やりようがナイけど・・・)

夷撫悶汰は「いぶもんた」と読みます。
イヴ・モンタンのモジリですね。
ナジョして、ジャズを演るショーの名前にイヴ・モンタン?
と、言う気もシマスが、まぁ、気にしない。
本人も当然分かっててコノようなタイトルにしている筈。

バック・ミュージシャンは、ジャズをメインフィールドに活動している名手を中心に揃えています。(例:ポン太、島健、小倉博和、村田陽一、近藤和彦・・・敬称略)

Jポップしか聴かないヒトが急増したのは、多分90年代に入ってからだと思うんですが、そういう意味で、1996年に桑田サンがこういうコトをやったのって、凄い意味があると思ったりしますね~。
Jポップのど真ん中に居る桑田佳祐という人の音楽は、ジャズを含めた幅広いポップ・ミュージックを吸収する事で出来上がっている、って、本人が言っているようなモンですよね。だから、色んな音楽をお聴きなさいって、言ってもいるような。

多分、このショーを観に来ていたヒトの多くはサザンのファンでしょう。
そん中に、ジャズを聴く人がドレだけ混じっているかは分かりませんが、大多数はジャズなんて、滅多に聴かないヒト達のハズ。
だから、ここに来た人の何%かでも、ジャズってイイーネッ!ってなって、何かCDを買ってみたりしてオンガクの裾野が広がっていればイイと思うし、多分広がったでしょう。

桑田佳祐というヒトは音楽の伝道師でもあるンですね、きっと。
スンげぇ作品ではありませんが、エライ楽しいDVDでっせ。
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