ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

Mike O’Neill、Jimi Wallet。

2011年08月01日 | blog


結論から言うと、ジミ・ウォレットの価値は使い勝手ではない。財布というもの、「お金」というものの持つ意味、しがらみからの開放だ。

「お金」に込められたものは深く広いが、その鍋をぐるぐるとかき混ぜてすくい上げると、「怖い」と感じられる。ざっくり言うと、お金は怖い。

だから財布というものは、「畏れるものを祀る」という役割があるのだろう。そのため財布はいくつもの決まりごとがある。所作があり、禁忌がある。

このプラスチックで半透明のケースは、そこから人を開放してくれる。
プラスチックであること、半透明であることは、いずれも「畏れるものを祀る」ことの対極である。

だからこれを使っていると、じつに気持ちが軽い。お金の呪縛から、少しだけ自由になれる。

デザイナーのマイク・オニール氏は日本語の「地味」にちなんでJIMIと名付けたそうだ。彼がどこまで日本語に堪能かはわからないが(そんなに詳しくないとおもう、なんとなく)、財布というものの持つ、情念とでもいうべきエネルギーを中和するという意味で「地味」と言ったのだとしたら、そうとう言語感覚に優れた人物だろう。


で、サイフとしての使い勝手はどうかって?
ま、見てのとおりですわ。わははは。