ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

インハウスデザイナーの醍醐味。

2009年06月28日 | blog
インハウスデザイナーの醍醐味のひとつは、同僚の「すげえデザイナー」のデザインのプロセスを、目の当たりにできる。ということがあります。アイデアスケッチ、ラフ、レンダリング、モック、そして製品。これはもう、毎回しびれるというか、鳥肌ものの面白さです。すくなくとも世に出るまでは、そういったプロセスはまさに門外不出の気密情報ですから、一般の人が目にすることはない。プロセスのなかには、さまざまな制約や問題や事件があって、それらを乗り越えて、デザインは進んでゆく。すげえデザイナーは、いろいろあっても、すげえデザインを貫徹します。その立ち居振る舞いも、すばらしい。

私がこんなことを書けるのは、ふたつ理由があります。

ひとつは、ハードウエアのデザインを、私自身がもうやっていないこと。GUIデザイナーとか言いながら、GUIデザインについてあまり書いていませんが、やっぱり現役の領域については書きにくい。ハードウエアのデザインは、かつては関わっていて、いまは距離を置いているので、なおさら素直に感動できます。

もうひとつは、いまの会社では、まっとうな良いデザインが、採用されるべくして採用されて、実現することが多いからです。かつては、いいデザインが、くだらない事情や私見でみすみす潰されていくことが多くて、そういうことを何度も見ていたから、いいデザインが産まれても、あとが辛かった。

そういえば、このブログを書きはじめた原動力の怒りのようなものは、そういうだめな体質に対しての怒りだったなー。忘れてたけど。

まあだから、プロダクトデザインを志す者よ!
そういうすげえ人のデザインを、ライブで見るだけでも、インハウスデザイナーは面白いぜ!
(デザイン事務所でもいいですけどね。でもインハウスだと、種類の違うすげー人が、いっぱいいるからさ)