武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

大学院と理学療法、研究者魂と臨床家魂

2011年01月24日 | 日記
先日、数年前に臨床実習で指導していた理学療法士の後輩とサシで飲んで来ました。
何やら相談したいことがあるとのこと。

会ってみて話を聞いてみると「大学院に行きたい」とのことでした。
話を聞くまで深刻な悩み事なのかと思っていたのもあり、向上的な悩みなのでホッと胸を撫で下ろしながら話を聞いていました。

よくよく話を聞いてみると、熱い思いはあるけれど大学院に行って研究したい内容は具体的に決まっていませんでした。


私のプロフィールにもあるように私は修士までですが大学院を出ています。
入学したのはもう15年も前のことです。

私の入った研究室は、とても厳しいとこでした。研究室に寝泊まりするのはざら。とても今の理学療法士が行く、仕事の片手間で(ネット上で論文添削などができて気軽に)通えるような生易しい研究室ではありませんでした。

大学院(というか大学)はそもそも研究機関です。つまり、勉強を教えてもらえる場所ではありません。だから研究法を教えてもらう場所でもありません(ほんの少しは教えてもらえます)。
研究したい内容が具体的に決まっていて、その研究に関してどの程度解明されているか、研究するために必要な設備は整っているか、その道で突出した研究者がいるかなどを見極めて初めて本当の入学資格となるのです。

そして、研究をすることは生易しいことではなく研究で生計を立てるにはその道だけに骨を埋める覚悟がなくてはとてもやっていけません。

昨今の理学療法士による研究を見てみるとどうでしょう?片手間でやっていたり、上司などに言われて否応なしに出したものだったりと、とてもクリエイティブとはいえないものが多いのではないでしょうか?

そんな中で、私の理学療法士養成校の恩師で研究に熱い方がいました。その方は理学療法の枠を飛び越え、生理学の世界に没頭し今ではデンマークに研究で呼ばれ家族も含めた滞在費を出してもらえるまでになりました。

研究とは生ぬるいものではないのです。その先生はとても熱く行動力があり研究者魂がある方で私はとても尊敬しています。

これから大学院にいきたい人。高学歴のワーキングプアには決してならないようにして下さいね(大学院卒で常勤になれない人が増加していて社会問題になっているのですよ)。行くなら後悔しないようにしっかりとした研究者魂を持って挑んで下さい。

こんな感じのアドバイスを後輩にしました。
彼はだいぶスッキリしました、と答えてくれました。

私は研究畑を経験し、それから臨床の道を取りました。
だから臨床魂・武道魂を大切にしたいと日々思っています。


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