武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

あなたは左脳派?右脳派?

2010年10月05日 | 文献抄読
key word:催眠 クラズナー催眠 エリクソン催眠 左脳・右脳 

いま、

クラズナー博士のあなたにもできるヒプノセラピー著者A・M・クラズナー
訳者小林加奈子
発行所株式会社ヴォイス

を来月また受けるエリクソン催眠ワークショップに備えて読み進めてます。クラズナー博士はエリクソンに並ぶヒプノセラピストだそうです。エリクソンが名選手に当たるならクラズナーは名監督にあたるらしく後継者育成やカリキュラム作成という点ではクラズナーに軍配があがるとか。

さて、その本の中にある簡単な質問を一部編集・抜粋してみたので皆さんやってみて下さい。


質問1
目を閉じてあなたの好きな歌を十秒から十五秒間頭のなかで歌ってみよう。そのとき、あなたは
a歌詞を意識する。
bメロディを意識する。


質問2
オーディオ機器を買うとき、あなたは
aその機器の仕様、データ、統計的な数字などあらゆる情報を集め、細かな仕様内容を理解するために必要な専門用語を調べ、分析してから選ぶ。
b予算の範囲内にある機器を試聴して、音色や外見を考慮して選ぶ。

質問3
計画をスタートしようとするとき、または問題解決に取り組もうとするとき、あなたが暗礁に乗り上げてしまうとすれば、それは
a問題が多くて身動きがとれない、またはどこから手をつけていいのかわからないから。
bたくさんのことを一度にやろうとしてエネルギーが分散し、能力が発揮できないから。

質問4
このアイデアでいこう、と決めるとき、あなたは
a資料をよく読んであらゆる側面を段階ごとに分析する。
bそれが成功している場面が思い浮かぶ、それに感動する、ピンとくるものを感じる。

質問5
あなたが人物を判断する基準は
aその人の話す内容
bその人の目線、ボディランゲージ、外見

(以下はクラズナー氏の分析)
aが多い人は左脳派で、分析的・言語的で、一歩ずつ確実なアプローチをするタイプ。細部に引っかかって行きづまる傾向があるかもしれない。
また少ないなら右脳派。全体像や絵を求める。情報を視覚的・空間的・感情的・芸術的な感覚で処理するタイプ。堅苦しい組織やスケジュールを好まず、そのような状況にいると窮屈に感じる。どちらかというと一匹オオカミ。自分の気分にとても左右される。直観で意思決定する傾向がある。

左脳は論理的、分析的、合理的である。現実指向で言語にかかわる活動を制御する。左脳を使うのは、順を追って小さなステップを重ねながらひとつの結論へと近づいていく論理的で系統的な作業をしているときだ。「ここにAとBとCがある。AがBより大きければ、そしてBがCより大きければ、AはCよりも大きい」というように弁護士、経理士、科学者は左脳的な特性が求められる職業だ。だいたいにおいて、それらの人びとは「左脳人間」と考えられる。

右脳は非合理的で直観的だ。想像力、空間の感覚、音楽、芸術、記号体系はここにふくまれる。多様な情報を一度に処理したり接続したりできるので、ひらめきや直観を生む。右脳は並行処理をしている。右脳を使うのは、イメージを見たりできごとを思い出したりしているときだ。物体と空間の関係、音楽と記号体系を把握するときも右脳を使う。右脳は比喩を理解し、夢見たりアイデアを生み出して組み合わせる。複雑で説明しにくいようなことがあると、私たちは説明の補足として身ぶり手ぶりでも伝えようとする。それは「絵」を描こうとする右脳の作用である。芸術家、音楽家、作家、詩人は右脳的な特性が求められる職業だ。そのような人びとはおもに「右脳人間」といえるだろう。

---以上引用終わり---

皆さんはどちらでしたか?ちなみに私は数年前まで完全に左脳派でした。今は半々かやや右脳よりになってます。

この本は一般向けなので、神経生理学的な説明としては幼稚です。ですが肝心なのは人は皆同じではないという視坐です。
多分、このblogを読んでくれている方は大半がセラピストだと思います。そしてセラピストの大半が左脳派ではないでしょうか?今でこそ誰でも入れるようになったリハビリ養成校ですが、入学するにはそれなりに左脳的な知識や能力が必要です。そして養成校で教えているカリキュラムも左脳的な内容です。それに、そもそも日本の義務教育の大半が左脳的な知識の詰め込みなのです。
右脳的な能力を開いてみるとこの世の中は大半が左脳的な思考に支配されていることに気付くことができます。大分歪んでます。


再び、クラズナー氏の本から引用してみましょう。
---以下引用---
教育システムの大部分は、芸術的な才能や直観的な思考をのばすよりも、言語的、合理的、時系列的な左脳を開拓するために設計されている。脳の右半分はほとんど無視されているようなものだ。人類が意識の複雑さと潜在的な可能性に気づくまでに何世紀もかかった。研究がすすむにつれて、私たちにはもっていながらまだ使っていない能力が多く残されていることがわかってきた。催眠を通してこの未使用の部分にふれれば、人類の可能性をもっとひろげられるのだ。
---以上引用終わり---

もしあなたがコテコテの左脳派の思考(大学院生時代の私)だとすると世の中の半分(私の体験からすると実際には半分以上なんですが)が見えていないことになります。また言語を駆使し、理論的に記録してきた歴史・学問も実は事実の半分すら伝えていないことになります。

決して理論的で知識のある人間が優れているのではありません。

様々な患者さんと接するセラピストはIQ(知能指数)ではなくEQ(こころの指数)を高めることを目指すべきだと私は考えます。


木刀素振りは右脳開発にも役立ちますよ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿