本日訪れた兵庫県立美術館の常設展示室に東山魁夷画伯のリトグラフを発見!
しかも、昨日ご紹介した唐招提寺障壁画の『濤声』と『山雲』をモチーフににしたと思われる10点です。色味が多少違ったり、ラインも本物に比べて簡素化されていたり、そしてもちろん大きさも違いますが、障壁画の雰囲気は伝わると思いますので、ぜひご覧ください。
左上から右下へ流れる構図は『山雲』と同じですが、山の形がすこし違います。試行錯誤のあとがうかがえます。
少し青みが強いですね。
丁寧に描かれた波紋は、徹底したスケッチの産物なのでしょう。
10枚揃うと壮観です。個人蔵のものが寄託されたようですが、おかげでここに来ればいつでも見られます。ありがとうございます!
このほかにも、北欧のリトグラフが展示されていました。打って変わった可愛らしい図柄にご注目。ちなみにこちらは昭和39年の制作、唐招提寺障壁画より10年ほど前の作品です。
1964年『古き町にて』
パンフレットによれば、画家によるリトグラフ刊行の草分けである明治書房の守屋寿夫と刷り師の女屋勘左衛門がかかわっているそうです。
工房にいた方の証言によれば、原画をもとに工房が版をつくるのではなく、画家が転写紙に描いたものを用いて版をつくり色分けも画家の指示によったとか。まるで、おとぎ話のような雰囲気が漂っています。
細かいディテールが画伯らしい。
日本画からは想像できない愛らしさ。
異国の道具や意匠が珍しいのでしょうね。好奇心にあふれた少年のような茶目っ気が感じられて、意外です。
思いがけないところで、画伯の作品に出合えてとても嬉しかったです。画伯からの励ましかも
頑張って、できるだけ早く次の旅アップしますね!
追記:私が見に行ったときは展示されていたのですが、その後別の方のブログで、「展示されていなかった」という記述を見かけました。所蔵品の中で展示替えがあるのかもしれません。訪れる場合は、展示の有無を確認されることをお勧めします(2016年3月31日)
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