うさぎが住んでます。
宵山の時に、屏風祭を覗いてきました。
前祭の展示は終了しましたが、後祭に合わせて再度公開されるそうです。
(内容の詳細は直接お問い合わせください。)
今回おじゃましたのは杉本家住宅、長江家住宅、それから紫織庵です。
山鉾・伯牙山のお飾り所がある杉本家住宅は呉服商奈良屋の杉本氏の住宅で、市内に残る最大規模の町家です。
ちなみに伯牙山のご神体は伯牙(はくが)という中国の琴の名人。琴の理解者でもある友人を亡くした悲しみから、琴の弦を断ったという故事にちなんで、お飾り所には琴が飾られていました。
大盛況です。
携帯+フラッシュ禁止なので画面が薄暗いのはご容赦を。
確かに相当大きいです。が、ながっぽそい造りはまさに京町家。
風を通して涼をとるための工夫があちこちになされています。
細い葦のようなもので作られています。
風が通りかつ目隠しになるように、格子は内から外へ広がるハの字形をしていて、幅や太さも微妙に変えてあるそうです。
屏風も素晴らしい。
見学している間も風が通り、クーラーの人工的な冷たさではなく、微かに熱を帯びた柔らかさはどこか懐かしくもあり、とても気もち良く、ああ、夏だなあって思います。
後年、ガスが引き入れられたというハイカラなかまど。
建物を出たら氷でおもてなし。
この後は新町通の長江家住宅へ。こちらも元呉服商です。
残念ながらこの日は、携帯・スマホでも撮影はNG。
(以前、撮ったものがありますので興味がある方はそちらをご覧ください。)
この日は、商売していた頃の雰囲気の再現ということで、屏風の他にもキセルや囲碁セット、重箱やぐいのみなどが展示されていました。
その昔、祇園祭の時期はお客さんが店先にやって来て、屏風を見ながらキセルをのんだり、囲碁を打ったりと和やかに時を過ごしていたそうです。
町家は光が入りづらい構造のため、作業場の明りとり用に作られた天窓を利用して屏風が飾られ、縁起物である「とびうお」の置物だったり、昭和初期の祇園祭の風景を撮影したものを上映したりと、当時の雰囲気が伝わって来て面白かったです。
ただ、古き良き情景は、京都ですら現在進行形で失われていっていることがわかり、少しショックでした。
最後に訪れたのは紫織庵。こちらは長じゅばんの商いをしていたところだそうで、いまでも大正友禅のゆかたなどを販売しています。
展示品は撮影NGでしたが、外観などを少し撮ってきました。
先日、京都のゆかたの紹介でこちらがテレビに映っていましたね。
ゆかたに型友禅というのは京都でも珍しいそうです。その優美さに合わせて、展示されていた屏風も豪華で雅なものでした。
なんでも屏風はこの時期だけ帰って来ているもので、とても貴重な展示なんだとか。珍しかったのは竹内栖鳳デザインの欄間。大きなうねりの中に人間の点景が可愛らしかったです。
長じゅばんの老舗らしく、大正時代の変わりじゅばんとして野球やミッキーマウス! などの柄がありました。見えないオシャレは京都でも流行っていたんですね。
今回巡った町家は大きくて手入れ行き届いているし、後世に伝えねばという責任と意欲を感じるとともに、その道が決して平たんではないことも知りました。せめてこうして訪れることで、ホントにささやかですが、その一助になればと思います。
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