鰻の寝床的な・・・。
先日ご紹介した『国際京都写真祭』の別会場へ足を運んでみました。場所は烏丸通り近くの京都市指定有形文化財・長江家住宅です。
入り口入ってすぐのところに水屋があるのがまさに町家ですね。窯や井戸が完備されていて、ごはんを炊く羽釜もみえます。
こちらで展示されていたのは高野山を撮った写真集で賞を取った若い女性写真家のものでしたが、作品の著作権の問題と、それからおそらくは何かの拍子に建物に傷がついてはという配慮から、室内の撮影は携帯のみOKで一眼レフは禁止。
私が使っているのは一眼レフですがコンパクトなミラーレス。これはどうですか? と尋ねたら、
「うーん、微妙やね~」
とお悩みでしたが、結局、作品は撮らないで部屋の感じがわかるものを数枚撮影ということで許可をいただきました。
右側の白い紙が作品。絵巻物のように、写真が連続して並べられていて、時間の流れを感じさせる展示になっています。
キュレーターはフランス人の方だとか。なんだかロマンチックなのはそのせいでしょうか。
作品はご自身の出産経験に触発された、家族や身辺を撮ったもの。モノクロの写真は雰囲気があってキレイでしたが、あまりにパーソナルな体験が上手く咀嚼できず、ちょっと入っていけませんでした。
勢い興味は建物の方に^^;
可愛らしいお風呂。
二階からの眺め。屋根瓦を見下ろすなんてことも最近は少なくなりました。
町家には必ず坪庭があって、それはまず第一に、蒸し暑い京都の夏をやりすごす実際的な生活の工夫から生まれたのでしょうが、同時に、日本人の自然への執着も表している気がします。渡り廊下を通るたびに目に入る緑はとても心地いいですし、家の中にいながら閉じられた空間にいるのとは違う、世界の広がりを感じます。
とはいえ、自分の家に坪庭があったら、お手入れが大変だし、虫が飛んでたり^^;、それに台所は足もとが冷えるし、二階への急な階段も畳敷きの生活も、今の軟弱な都市生活者には耐えられないものばかりなので、実際に町家に住むのは難しいでしょうね。
そもそも、ファストファッションなど真逆の消費生活を続けている人間に、一つのものを丁寧に使い続け、歴史を背負った空気を吸うのは苦しいものと思われます。
それでもなお、町家と聞けば足を運んでしまうのは何故なんでしょう。ノスタルジーなのか単なる好奇心なのか、自分の気持ちを測りかねています
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