素朴な表情が愛らしい張り子の虎。
昨日の適塾の記事にもコメントをいただきましたが(ありがとうございます!)、
このインパクトある漢方薬局の所在地・大阪の道修町は薬のメッカとして有名なところ。そして、今日ご紹介したいのが、この薬局のはす向かいにある、少彦名命と神農炎帝をご祭神とする少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)。
この看板が目印です。くすりの資料館が併設されています。
もともとこの辺りは堺の港に近くて流通の便が良く、秀吉の時代から薬種問屋が集まっていたようですが、江戸時代に薬種仲買仲間124件が幕府公認の株仲間となり、和漢薬の原料である薬種を特権的に扱い、長崎を通じて輸入される唐薬や国産の和薬を一手に取り扱って全国に供給するようになりました。
薬は人命にかかわるものであり、なおかつ、その吟味は大変に難しかったそうで、薬種問屋たちは神のご加護をおかりして正しく任務を遂行しようと、安永9年(1790)、京都の五條天神より少彦名命を仲間の寄合所にお招きし、お祀りしたのが始まりだそうです。
ビルとビルの間の奥まった場所にありますが、平日の昼間にもかかわらず入れかわり立ちかわり参拝の人が訪れていました。また、薬学の国家試験合格祈願や、抗がん剤などの薬効を願う絵馬がたくさん奉納されていました。薬に関わる人たちからの切実な祈りをしっかりと受け止めてくれる神様です。iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授も、ここのお守りをお持ちだそうです。
短い参道には薬の見本がずらり。
ちなみにここは、冒頭の写真にもあるように張り子の虎の絵馬やお守りで有名なのですが、これは文政5年(1822)に大坂でコレラが流行った時、薬種仲間がつくった薬が効き、その時一緒に神前に供えられた神虎=張り子の虎に由来するそうです。
また、併設のくすり資料館では、江戸、戦前、戦後の道修町の歴史をVTRで見ることができます。現在、道修町にはたくさんの大手製薬会社の本社があるのですが、その成り立ちがわかって興味深いです。
奥に見えるのは楠。とても立派で大事にされてきたのがわかります。
これだけ写真を載せてる私が言うのも口はばったいのですが、現在も真剣にお参りしている人がたくさんいらっしゃるので、訪ねた時は神様にきちんとお参りしてください、とサイトに書いてありました。私もお清めしてお参りしてから、失礼します、とご挨拶しつつ写真を撮らせていただきました。なんて、あまりほめられたことじゃないですけど(^^;
お越しの際は、ぜひきちんとお参りをしてから、楽しんでくださいね(^^)/
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