徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

心に染み入る珠玉の言葉

 先日、退陣要求を突きつけられたお方が発せられた“珠玉の言葉”の幾つかをご紹介しましょう。

《合理化は不安全要素ではない》

現在も「絶対安全の確立」という会社の方針に変化はございませんか?

【S氏】(無言で大きく頷く)

子会社化や委託など「合理化」により、安全、特に整備水準は確実に低下したと現場は考えているようです。
「安全性の低下」を理由にお客様が離れているようですが、経営としては何が原因だとお考えですか?


【S氏】「合理化」が不安全要素に繋がっているとは考えていない。また、現在の施策・方針について見直しが必要であるとは思わない。


《現場の声が全て正しいとは思わない》

運航乗務員の方を対象にしたアンケートでは「行き過ぎた合理化が一連のトラブルの原因である」と答えた乗員数は99.6%にいたりました。
また、業務改善命令後も「運航や整備の現場の状況は改善されていない」との回答が97%の乗員からよせられています。
このような現場の声をどのようにお考えですか?


【S氏】現場の声を無視することはない。現場の声を聞き、多くの意見・問題・課題・改善点があると認識している。
だからと言って、現場の声が全て正しいとは必ずしも考えてはいない。経営として判断し、最終的に経営の判断として(施策を)出してゆく。


【S氏】現場が「何を・どのように考えているのか」を知ることで色々な新しい施策・改善を行なう。この意味では現場の声は尊重する。
しかし、尊重するからと言っても経営が一つの方針をガラリと変えるという事ではない。


普段、現場にいないSさんが、どうして現場の声が間違っていると解かるのですか?

【S氏】良し悪しではなく、十分なる検討を加え判断して、経営として最終判断する。

それは、現場の方々からすると「現場の声を聞かない」と言っていることにはなりませんか?

【S氏】………。(黙して語らず)


《安全性は担保されている》

Sさんは2005年4月19日の参議院国交委員会で、海外委託整備について「万全な委託審査を行い、領収検査もきっちりみているから問題ない」と発言なさっておられます。

が、シンガポールのSASCO社で委託整備を実施したJA8170が羽田でC整備作業中、機体構造部の腐食や66枚のベントパネルのうち16枚にも及ぶ修理ミスが見つかり、整備の予定工期を大幅に延長する事態が発生しました。

整備本部長も
「あってはならないこと。非常に残念なこと」とコメントされています。

このような重大な整備ミスがあった委託整備の実態を聞いてどのようにお考えですか?


【S氏】安全が確保されない限りは当然委託しない訳で、その考えは何も変わっていない。

でも実際に整備ミスは起こっている訳ですよね。
それでも(海外委託整備の)安全性は高いとお考えですか?


【S氏】安全性は担保されていると思っている。

【S氏】私は、我社の整備品質、機材品質は非常に高い水準に保たれていると思っている。


《今後ともよろしくお願いいたします》

2005年12月14日の午後、乗員組合との団体交渉が開催されたとのことです。
議題は、賃金一律カットに関するもので、内容が内容だけに組合側は社長の出席を求めました。当然だと思います。
が、交渉の場に社長の姿はありませんでした。
交渉にはO取締役が「私がヘッドだ」と出席しました。

その頃、当の社長さんは、近くで開催されているグループミーティングに1分程度顔を出し、

【S氏】日頃のご努力感謝いたします。離れたお客様もお戻りになると確信しています。今後ともよろしくお願いいたします。

と一方的に話し、そそくさと立ち去りましたとさ。


日航社長「辞任要求は遺憾、日航再生に向け進む」 (読売新聞) - goo ニュース
 日本航空の新町敏行社長兼最高経営責任者(CEO)は16日、羽田空港で記者団に対し、子会社の取締役4人が辞任を求めた問題に関して、「大変遺憾で、残念だ。すべてのステークホルダー(株主など利害関係者)に申し訳なく思う」と述べ、内紛の表面化を謝罪した。そのうえで、「経営改革に向けた次の中期経営計画を作り上げ、日航再生に向け進むことが最大の責務だ」と改めて強調した。
 辞任要求の背景については、「業績が伸び悩み、安全面のトラブルが起き、顧客の信頼を失うなどの積み重ねが要因」とした。

 日航は同日午後、経営改革に向けた中期経営計画を協議する「関係役員会」を開き、安全面の投資や、全社員を対象とした平均10%の賃金引き下げなどを検討した。

2006年 2月17日 (金) 00:35

日航の内紛、社内に波紋 乗客は「安全に集中を」 (共同通信) - goo ニュース
 日航グループの役員4人が50人分の署名を携え新町敏行社長ら経営トップ3人の退陣を迫った内紛劇は16日までに、社内に大きな波紋を広げた。利用者や専門家からは「安全に集中を」との声も上がっている。

日航社内では、これまで一人も社長を出していない運航部門トップの岸田清・日航インターナショナル常務(パイロット出身)が4人のうちの1人だったことが反響を呼んだ。「ついに運航からトップを出すチャンス」と同調の声も多いという。

しかし同部門のベテラン社員は「あれだけトラブルが続き社員が一枚岩にならなければいけない時に、社を二分するようなことを運航の人間がするのはいかがなものか」と苦言も。

2006年 2月16日 (木) 19:36

日航の内紛、再建に暗雲 50人署名 (朝日新聞) - goo ニュース
 日本航空グループの役員ら約50人が、新町敏行社長(63)ら代表取締役3人に辞任要求した「内紛」の波紋が広がる。背景には、旧日本航空と経営統合した旧日本エアシステム(JAS)側の処遇をめぐる不満もちらつく。だが、相次ぐ運航トラブルなどで安全対策と経営改革は待ったなしの状況。乗客の不安をよそに内紛が続くと、安全運航や経営再建に悪影響が出る恐れもある。

 「大変残念。いまは自分に与えられた使命を果たすことに努めたい。進退は自ら判断する」。新町社長は15日夜、出張先の香港から帰国した関西空港で記者団に、辞任要求を受け入れない意向を示した。

 さらに「安全体制を再構築し、失われた信頼を取り戻したい」と経営再建を進める考えを示した。辞任要求した役員らの処遇については「いまは何も考えていない。必要に応じて話し合いをしなければいけない」とした。

 だが、内紛の背景には根深い「対立」があるとみられる。

 現在の日航グループは02年に旧日航と旧JASが統合してできた。旧日航出身の兼子勲前会長(昨年5月退任)が、統合後の持ち株会社の役員の多くを旧日航出身者で固めたため、旧JAS側の不満が募った。

 今回の動きの中心は、主に国際線を運航する日本航空インターナショナルの役員4人で、いずれも旧日航出身。だが「旧JAS出身の元幹部が後押ししたのではないか」(ある幹部)との見方が出ている。こうした不満と、改革が進まない新町体制への中堅幹部の不満の連鎖が、約50人の署名につながった。別の幹部は「署名した、しないで疑心暗鬼になりそう」と社内の亀裂が深まることを懸念する。

 2月に入って、日航の約4%の株を保有する元衆院議員・糸山英太郎氏がホームページに「JAL現経営陣との決別」と題したコラムを載せたことも、社内の不満噴出を後押しした。

 運航トラブル続きで客離れが進むだけに、目下の最大の課題は安全対策と顧客サービスの充実。だが、今回反旗を翻した役員は安全運航、顧客サービス、国際線などの現場責任者だ。このため、社外の関係者からは「安全対策や信頼回復が本当に進むのか」(大手金融機関)との指摘も出る。

 日航は06年3月期で大幅な連結当期赤字に陥る見込みで、2月末に再建計画を出す予定。融資している銀行の幹部は「再建そっちのけでゴタゴタが続くなら、厳しく臨む」と話している。

2006年 2月16日 (木) 03:03
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