プラネタリズム

ども、遊星です。世の中のもろもろを風景にして書き連ねる

フィルムカメラ復権(3)

2006-04-21 21:16:40 | 美術・カメラ
デジタルカメラの台頭により、カメラ業界の勢力図も大きく変わった。
富士フィルムが早々とデジタルカメラの開発を行う傍ら、コダックは日本ではデジカメの流れに出遅れたかたちだ。
コニカミノルタがフィルム・カメラ事業からの撤退を表明した一方で、ソニーやパナソニック、カシオなどの電子機器メーカーがコンパクトデジカメの分野では好調だ。

なによりも、街の写真屋の仕事が確実に減ったろう。デジカメは、現像・プリントというプロセスを、個人の家の中で完結させてしまう。
デジカメで撮った画像をパソコンに取り込むには、そもそも現像という過程を必要としないし、プリントしたければプリンターがある。DPEという言葉は、もはや過去のものとなってしまったのだろうか。
DTP(デスクトップパブリッシング)やDTM(デスクトップミュージック)などの言葉になぞらえば、デジカメとパソコンによる写真編集は、さながらDTI(デスクトップイメージング)とでも言いましょうか。

フィルムスキャナというものがあるが、そもそもフィルムを用いずにデジカメを最初から用いれば、スキャナ自体が不要だ。
EPSONからGT-X900という、最新鋭のスキャナが発売されたが、フィルムカメラ自体が下火のなかにあって、どれだけの人がフィルムスキャナを買うのだろうかと、疑問も沸いてくる。
早い話が、フィルムカメラは、もはや一部の銀塩写真愛好家だけの道具になってしまったようである。