without A trace

favorite stuff...
music, trip, cinema, art, and so on.

The Redwalls / The Redwalls

2007-11-04 | music : special


アルバム・リリース前からいろいろ告知していた、The Redwallsの通算3枚目となるセルフ・タイトル・アルバム 『The Redwalls』。
昨年秋のスウェーデンでのレコーディングから1年。やっと作品として手元に届いた。
キャピタルというメジャー畑で、いいところも悪いところも様々学んだことを生かして、自分たちのいちばん納得できるアルバムに仕上がったと彼らは言う。
レコーディングが行われたのは、今回のこのアルバムのプロデューサーであるTore Johanssonのスタジオ。
全て4人が同時にプレイするライヴ・スタイルで、レコーディングされた。
Tore Johanssonは決して自分のカラーに染めず、余計な口出しは一切せずに要所要所で的確なアドヴァイスをしてくれて、その結果のびのびとレコーディングが出来たそうだ。

アルバムの最初を飾るのは、ベース音とドラム音がズンズンズンと重低音で響く、ストンプ・ロック 「Hangman」。
M-2 「Modern Diet」 はシングル・カットされる、このアルバムのフィーチャー・トラック。
コンガの音が心地良いビートの効いたヴァースから、ポップなメロディへと変わる展開がとてもキャッチー。
続くM-3 「Summer Romance」 は、甘いラヴ・ソング。Logan&Justin兄弟がハモるセンチメンタルなブリッジにつながるメロディは、だんだんと気持が高揚して行くかのようにリズムとサウンドが絡み合い、頂点に達したところで豊かなメロディが広がる。
そして以前からイチオシしていたM-4 「You Can't Forget Yourself」。横揺れのグルーヴ感漂うソウルフルなバラード。
ストリングスのドラマティックなイントロで始まり、兄Loganが歌うAメロは切なく、続くBメロでVo.を取る弟Justinのキュートな声は甘く、そしてふたりの声が重なるブリッジでは、バックでイントロのストリングスのメロディがリフレインして、ドラマティックな盛り上がりを与えてくれる。
間奏で聴こえてくる、爽やかなバンジョーの音色がとてもかわいくて、さり気ないアレンジが楽曲を引き立たせている。
M-5 「Put Us Down」 は、リードGのAndrewがVo.を取る、軽快なロックン・ロール・ナンバー。Loganとのハモりもバッチリだ。
JustinがVo.を取るM-6 「Game Of Love」 は、以前からライヴでもとても人気のある曲で、彼の甘い声がいちだんと映える切ないバラード。
そして同じくJustinがメインVo.の、オールド・スクールなロック・ナンバーM-7 「Don't You Wanna Come Out」 で、ガラッと雰囲気を変える。
エッジの効いたギターのカッティング音が心地良く、兄弟がハモるサビのシャウトがカッコいい。
The Redwalls流とも言える、サイケなサーフ・ソングM-8 「Into The Maelstrom」、しっとりと歌い上げるLoganの切ない声が胸に沁みるスロー・バラードM-9 「Little Sister」。
ガレージ・ロックのスタイルを極めた、ドライブ感溢れるM-10 「They Are Among Us」 に続く、M-11 「Each And Every Night」 は、ポップでメロウなミディアム・バラード。
バックに聴こえるアコギのアルペジオがキラキラ輝いていて、最後のフレーズ “Each And Every Night~” の高音部を歌うJustinのハモりが心に響く。
そして、エフェクターをふんだんに効かせた、ミステリアスでサイケなサウンドが広がるM-12 「In The Time Of The Machine」 で締めくくる。

ポップなサウンドと、エッジの効いたロック・ナンバーがバランス良くミックスされて、Tore Johanssonの手によって、The Redwallsの新しい音が生まれた。
余計なアレンジは施さず、一曲一曲がとてもシンプルで、かつ丁寧に作られている。
そして、Baren兄弟のハモりはより一層磨きがかかり、ソングライティングのセンスも確実にキャリア・アップしている。
もう以前から聴いていた曲ばかりなのに、くり返し聴く度に毎日好きな曲が変わるくらい、聴けば聴くほどに味わい深くなり、様々な角度で各曲の良さが見えてくる。
・・・という訳で、今日のお気に入りは、「Each And Every Night」。